ハイテク産業(注)は研究開発に多くの投資を必要とし、その製品製造過程において高度な技術を要する。このことから、ハイテク製品の輸出額等は科学技術を駆使した産業の国際競争力のひとつの側面を表す指標として見ることができる。そこで、OECDのデータをもとにハイテク産業の輸出額占有率及び貿易収支を各国比較する。
OECD諸国における我が国のハイテク産業輸出額の国別占有率は、米国、ドイツに次いで3位であり、占有率は減少傾向にある(第2-3-24図)。
全ハイテク産業輸出額については、主要国が占有率を減少させる中、その他の国の占有率が増加している。我が国の占有率が高いのは電子機器、医用・精密・光学機器産業である。我が国の占有率が低い産業は、航空・宇宙、医薬品産業となっている(第2-3-25図)。
我が国の全製造業における輸出額、輸入額の推移を見ると、両者とも微増傾向にある。ハイテク産業は、全製造業に比べて、輸出額、輸入額共に変動が少なく、景気等の影響が少ないことが推測できる(第2-3-26図)。