盛山正仁文部科学大臣記者会見録(令和6年3月19日)

令和6年3月19日(火曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ

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第96回選抜高等学校野球大会開会式への出席、多くの国民から愛される高校野球に向けた方策について、国立大学法人化から20年を経て国立大学への期待、未知の生命メカニズムや機能の理解につながる研究への期待、日米政府における日本人宇宙飛行士2名の月面着陸させる方針の合意についての報道、国公立高等学校における男女別学・共学について、教師になった者に対する奨学金の返還免除制度の検討状況

盛山正仁文部科学大臣記者会見映像版

令和6年3月19日(火曜日)に行われた、盛山正仁文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和6年3月19日盛山正仁文部科学大臣記者会見

令和6年3月19日盛山正仁文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

盛山正仁文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、1件ございます。昨日18日、甲子園球場において選抜高校野球大会の開会式に出席し、祝辞を申し上げるとともに、始球式を行いました。甲子園球場は、その北側に位置する甲子園口で育った私にとっても馴染みのあるというのですかね、よく通っていたところでございまして、ただそうは言ってもグラウンドに入るのは初めてでございました。そういう初めての体験をさせてもらいました。開会式では、そうした全国の高校球児にとっての憧れの舞台に立つ選手たちの、逞しくまた堂々とした入場行進や選手宣誓に大変感銘を受けましたし、また支える皆さんですね、司会だとかブラスバンド、プラカードを持つ人、特に司会の方の2人目の島根県だったと思いますけれども、高校生の方は視覚障害の方でよく立派に司会をなされるなと、もちろんその前の方も立派な堂々とした司会で、テレビ局でも十分通用するのではないかと思うような立派な司会でございましたが、障害をお持ちの方もこうやってうまく参加できるように御配慮されているということも含めて、関係者の方々の御配慮、そういったものに大変感銘を受けたというのですかね、そんな感じでございます。出場する選手とともに、昨日から始まりましたけれども、チームを支え、応援する生徒や関係者が一丸となって、我々視聴者に対して感動を与えていただけるような素晴らしいドラマが数多く生まれていくことを期待しております。また、お天気がいいことも願っています。以上です。
 
記者)
 選抜高校野球に関連してなのですけれども、昨日の大臣の始球式テレビで拝見しました。ナイスピッチングでした。春と夏の甲子園といえば季節の風物詩となっていますが、その一方で夏の暑さによる選手の健康問題であるとか、部員数の減少など、高校野球には課題が山積しています。今年、甲子園球場開業、そして選抜大会の創設から100年という年なのですけれども、これからも高校野球が多くの人に愛されるものであるためにどんなことが必要になるのか、また文科省はどのように関わっていくのか、大臣のお考えがあればお聞かせください。
 
大臣)
 昨日も満席とは言いませんけれども、相当多くの人がスタンドから開会式や試合を応援されておられました。やはり高校野球は、多くの国民の方々にとっては普通の野球以上に特別なものではないかなと、それだけ愛されている行事だと思います。さもさりながら、今のお子さん方にとって、私が子供の頃はサッカーやラグビーなんかをやるということは考えられない時代でしたから、三角ベースを含めて草野球をやるぐらいでしたから、みんながみんなプロ野球の選手に、それこそ王・長嶋だけではないのですけれども、憧れて野球をしていたという時代ではなくて、今は本当にいろんなものがあります。それこそe-スポーツみたいな、そういうようなテレビゲームもあるわけでございまして、そんな中で野球に対する関心をどのように持っていってもらうのかということではないかなと思います。大谷翔平選手がグラブを6万個だったですかね、各小学校に3個ずつプレゼントしてくださいまして、すごいなと、普通の人ではできないなと思うと同時に、やはり大谷翔平のグラブが来たのだというふうに、うちの孫だって喜んだぐらいですから、多くの全国津々浦々の小学生が喜んで、やはりキャッチボールから始めようかという方も増えたのではないかと思います。そういうようなことを通して、いろんな機会を通して野球の楽しさ・面白さを理解してもらえるといいなと思いますし、また、例えば私は野球は昨日のあのとおり下手くそなのでございますが、テニスとか他のスポーツをしていたのですが、個人がする競技と違って野球やサッカー、ラグビーもそうですけれども、チームプレーですよね。チームでやるという、個人の努力プラスみんなで同じ方向に向かって進む、そういうような共同で行うというようなことも学んでもらうというか、身に付けてもらうにはいいスポーツではないかなと、そんなふうに思います。いずれにせよ、文部科学省としては、学校体育活動の充実や各種大会の開催支援等を通じて、安全安心で魅力的なスポーツ機会の提供に努めていきたいと考えています。以上です。
 
記者)
 国立大学が法人化されて4月で20年を迎えます。大学の自由な研究が活性化したとされる一方で、運営費交付金の削減などで難しい運営を強いられている大学もあるかと思いますが、こうした法人化の功罪に関する大臣のお考えと、今後、国立大学に期待することを教えてください。
 
大臣)
 ちょうど20年ということで、いろいろ取り上げられる機会が増えていると思います。国立大学の法人化以降、自律的な運営を確保しつつ、規制緩和等を通じて大学の裁量を拡大した結果、各大学において、教育研究活動の活発化や経常収益の拡大等が図られてきました。一方で、研究者が腰を据えて自由で挑戦的な研究に取り組める環境が不足しているという課題もあると認識しております。当省としては、様々な御指摘を踏まえつつ、法人化当初の理念でございます「より個性豊かな魅力ある国立大学の実現」に向けて、国内外の様々な状況も踏まえ、国立大学法人の機能を強化することが重要と考えており、必要な改革と支援に取り組んでまいります。各国立大学法人は、その地域や大学の特色によって置かれている状況・課題は違うと思いますが、各大学には自身のミッションや発展の方向性を踏まえつつ、教育研究の充実・強化、その成果を活用した社会貢献によって、社会課題の解決をリードしていく存在になっていくことを期待しているということです。
 
記者)
 先日、戦略目標を決定したかと思うのですけれども、その中で「生命力」という斬新なワードが入っています。生命の応答能力ということで、未知の生命メカニズムの機能の改善につながると思うのですけれども、大臣としての今回の目標に対しての御所見をお願いします。
 
大臣)
 いろんなその道のプロがいろいろ御議論された結果ということでありますので、私がどうのということではないのですけれども、今回、今御指摘があった令和6年度の「戦略目標」の一つに決定した「『生命力』を測る」という点でございますけれども、これは複雑なシステムである生体が発揮する未知の応答能力、いわば「生命力」の解明に挑戦するということを今回、取り上げたということです。このような「生命力」の解明に向けて、目的志向で、分野横断的に取り組むことによりまして、脳の機能や動態、あるいは糖鎖の役割も含め、未知の生命メカニズムの解明、さらには、診断技術・創薬の加速化などにつながると期待をしています。今後、この新年度4月以降、「戦略目標」に基づいて、JSTにおいて公募を開始することになりますが、研究者の皆様から意欲的な提案がなされて、先導的・独創的な研究が推進されることを期待しているというところです。何かいい成果につながっていくといいですね。日本が得意な分野だと伺っています。
 
記者)
 宇宙関連で質問です。アルテミス計画で日米両政府が日本人宇宙飛行士2人を月面に着陸させることで合意するというような報道がありました。盛山大臣も4月にアメリカに行かれるような報道もありますけれども、この件について教えていただけないでしょうか。
 
大臣)
 今の点でございますが、文部科学省では、日本人宇宙飛行士の月面着陸の実現を目指して、NASAとの間で、有人与圧ローバの実施取決めについて、早期の署名に向けた調整を進めているところです。現在、交渉中でございますので、日本人宇宙飛行士の月面着陸ですとか、私の出張の可能性ですとか、そういうことについては今の段階ではコメントを差し控えるということで御理解賜りたいと思います。
 
記者)
 学校の男女別学について伺えればと思います。公立学校では男女別学を実施している学校もありますけれども、文科省としては男女別学にするかどうか設置者が適切に判断するべきものとしていると思います。こうした中で、男女共同参画社会を目指す方向性を示されていますけれども、公立学校が性別のみを理由によって学校に入学できるかどうかを、生徒を判断していくことについてまず認識を伺いたいのと、男女別学・共学というのはメリット・デメリットが基本的にはエビデンスが確立されていないとされています。そうした中で、学校がどういう判断でどちらかを選んでいるのかみたいなところを示していく必要性だったりとか、国としてエビデンスを示していく必要性があるかないかみたいなことも含めて教えていただきたいと思います。
 
大臣)
 男女共同参画社会ということを今、我々政府は推進しているわけですから、いろんな分野で推進ということは極めて重要であると考えております。しかしながら、だからといって教育の分野で男女別学というのを一律に否定するものではないというふうに考えております。ですからこそ、国立の学校でも女子だとかですね、そういうのがあるわけでございます。男女共学とするのか、あるいは別学とするのかにつきましては、それぞれの学校におきまして、学校の特色、その歴史的経緯等に応じて、設置者において適切に判断されるべきであると考えておりますので、我々国のほうでですね、どうあるべきだということを判断をするというのか示すですとか、そういう段階のものではないと考えているということです。
 
記者)
 先週ぐらいから報道も出ているのですけれども、教職員になる大学院の学費を免除する、これはちょうど今、審議会をやっていますので今これを見ていますと、一応大学院レベルから教員希望の方については改めて奨学金の免除をしたほうがいいのではないか、過去の経緯もあって1回なくなった制度でありますけれども、教員の高度化ということと、量の確保の両面から考えて、まず大学院からというのが妥当ではないかという方向性で今、議論がまとまろうとしているようでございます。これについて、大臣はどのように大学院のところから教員を担う人の大学院の費用を奨学金で賄っていくということについて、どのような見方をしていらっしゃるか、効果とか期待されるものがありましたらお願いできればと思うのですが。
 
大臣)
 教員、教師のなり手をどうやって増やしていくのかというのは我々にとって大きな課題でございます。そして、今お話が出た大学院の方、例えば大学院の方に対しての奨学金の返還に対する支援というのも、その一つの、教師を増やす中での一つの方策だと思いますが、教師になられた人に対する奨学金の返還の支援につきましては、今まさに中教審の教員養成部会において、現在、取りまとめに向けた御議論をいただいているところでございますので、中教審の御審議これを踏まえた上で、我々は速やかに対応していきたいという、ちょうど今そういう段階ということです。
 
(了)

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