盛山正仁文部科学大臣記者会見録(令和6年1月16日)

令和6年1月16日(火曜日)
教育、科学技術・学術、文化

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令和6年能登半島地震に関する非常災害対策本部会議(第11回)の出席,早稲田大学、東京農工大学の視察,JAXA相模原キャンパスの視察,児童生徒の2次避難に対する支援、タブレット端末の無償貸与,地震調査委員会が行う長期評価について,大学入学共通テスト本試験を終えて,武蔵野市立小学校における児童間の盗撮について,旧統一教会問題に係る被害者等への救済に関する関係閣僚会議の開催について

盛山正仁文部科学大臣記者会見映像版

令和6年1月16日(火曜日)に行われた、盛山正仁文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和6年1月16日盛山正仁文部科学大臣記者会見

令和6年1月16日盛山正仁文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

盛山正仁文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私から3件ございます。本日、令和6年能登半島地震に関する非常災害対策本部会議に出席をいたしました。対策本部においては、私より、新たな対応として、Google社の協力を得て、1,500台程度の端末とWi-Fiルーターを確保できたことから、被災地からの要望に応じて、早急に学校や児童生徒への無償貸与を進めていきます。被災地の自治体によるスクールバス等の運行などの通学支援に活用できる「へき地児童生徒援助費等補助金」の対象について、被災地域の小・中学生に加え今回新たに石川県からの要望も踏まえまして、高校生も対象とすることについて報告をいたしたところです。加えて、端末関係に関しては、Apple社とMicrosoft社からも、端末の無償修理・交換、ソフトウェアの無償提供などの支援について御検討をいただいているところです。また、文部科学省においては、引き続き、被災地域のニーズ等を踏まえつつ、関係機関ともよく連携しながら、児童生徒の就学機会の確保に向けて、全力を尽くしていくこととしておりますが、その観点から、本日、総括審議官をリーダーとする「被災地における就学機会の確保に関するプロジェクトチーム」を設置することといたしました。今後、このプロジェクトチームにより、個別の被災地の状況やニーズをきめ細かく吸い上げ、被災者に寄り添った支援につなげていきたいと考えております。
 第2点目であります。先週12日の金曜日に、「博士人材活躍促進に向けたタスクフォース」における検討の参考とするため、早稲田大学と東京農工大学を視察いたしました。早稲田大学においては、研究成果の社会実装を視野に入れた教育から起業までの一貫した取組について伺い、東京農工大学においては、動物救急医療センターなどを視察するとともに、それぞれの大学の学生の皆さんと意見交換を行いました。学生からは、博士号の取得により将来のキャリアパスが広がると考えている、国の様々な支援のおかげで安心して研究活動を継続できていると、いった意見があり、今後も、博士人材の活躍を後押しする方策がより一層必要であるというふうに感じました。今回の視察結果を踏まえ、施策パッケージの取りまとめに向け、引き続き検討を重ねてまいります。
 3件目です。昨日、宇宙航空研究開発機構JAXAの相模原キャンパスを視察いたしました。JAXA相模原キャンパスでは、火星衛星探査計画MMXと、X線分光撮像衛星XRISMのことです、この管制、そして「はやぶさ2」が採取した試料が保管されている地球外試料受入設備や、宇宙科学探査実験棟を視察いたしました。また、今週末に月面への着陸が予定されている小型月着陸実証機SLIMの状況についても話を伺い、現場の取組について、理解を深めることができました。今回の視察を通じて得られたことを踏まえ、関連施策の充実に積極的に取り組んでまいります。
 以上です。

記者)
 能登半島地震の関連で伺います。冒頭の御発言にもありましたが、被災地では生徒が親元を離れての集団避難、これが非常に進んでおります。中学生の集団避難の自治体も広がっておりますし、また、高校生専用の2次避難所の開設というのを県教委が決めたとも聞いております。いずれもこれは災害時としてもなかなか異例な取組でございます。石川の馳知事は私どもの先週の取材に、文部省には学びの保障だけではなく、健康管理、部活動など全般的な支援をお願いしたいと、このように話されておりました。現地の取組や知事への要望への受け止め、冒頭発言にもございましたけれども、今後の支援についてさらにございましたらお話を伺います。

大臣)
 先ほど申し上げたことと若干かぶるところはありますが、現在、被害の大きかった一部地域において学校再開の目途が立たない中、児童生徒の2次避難の実施も進められているところであります。輪島市のみならず、珠洲市や能登町の子供たちについても、県内の施設に集団で避難する検討が進んでいること、能登6市町に在住する県立高校の生徒を対象に、金沢市内に2次避難所が開設されることについて石川県教育委員会等を通じて承知しているところです。文部科学省においては、こうした状況を踏まえ、子供たちの就学機会の確保を含む総合的な支援に向け、あらゆる対応を進める必要があると考えており、避難先での転入学等の弾力的受入れの促進、学習指導や心のケアを含む健康問題への対応等に必要な教職員・スクールカウンセラーの派遣要望を踏まえた支援、避難先から学校への通学支援、そして1人1台端末等の無償貸与や、教科書の無償配布への支援等の取組を進めているところです。引き続き、被災地の実情を把握し、追加的な措置も含めて迅速に対応していくつもりです。

記者)
 能登半島地震に関連して、地震本部の長期評価についてお伺いします。昨日の地震調査委員会で、能登半島地震は能登半島沖合にある活断層が地震に関連した可能性が高いという評価をされました。この活断層については以前から知られていたわけなのですけれども、地震調査委員会の評価が間に合わず、住民や自治体にリスクが十分に伝わっていませんでした。また、長期評価や地震動予測地図は以前から分かりにくいという指摘がされています。昨夜の記者会見でも、委員長は非常に残念だということを繰り返しておりました。地震本部の長期評価は、自治体の防災計画の見直しや原子力規制委員会が再稼働に向けた審査をするのにも必要で、それらの機関は結果を待っています。昨夜の会見でも、長期評価の進め方、やり方を含めて検討していくという説明がありました。大臣は地震本部の本部長であるわけですけれども、リスク評価の進め方やどのくらいのスピード感を持ってやるか、社会にどのように分かりやすく進めていくかについて、何か指示のようなことはされたでしょうか。もしこれからならば、どのような指示をされたいと思われるでしょうか。

大臣)
 地震調査委員会では、これまでの日本海側の地下構造の調査に関する成果等を活用し、順次、海域活断層の評価を行っているところです。能登半島については、これまでも規模の大きな地震が繰り返し発生しており、調査委員会においては、能登半島沖に活断層が存在していることや、地震活動への注意喚起を行っていたところです。今後の地震に備える観点からも、能登地方を含む日本海側の海域活断層の評価について、できるだけ早く評価結果をまとめたいと考えております。

記者)
 昨日もそのような、地震本部では注意を促してきたとおっしゃられているわけなのですけれども、実際に例えば地震保険の加入率を見てもそんなに北陸は高くなく、やはりリスクというものが十分に伝わっていなかったと思うのですが、本当にこれは最初からなかなか伝えるのは難しいと言われ続けてきて、大きな地震があるたびに同じことが繰り返されてきたのですけれども、伝え方についてもう少し何か工夫する余地はないでしょうか。

大臣)
 なかなかこれは難しい御指摘だと思います。科学的なデータ、可能性、こういったことを伝えるのは我々の役目ですけれども、それを踏まえて本当にどのような対応策を取ろうとお考えになるのかは各自治体であり、個人個人の問題ということになるかと思います。個人的なことを言いますと、私の実家は兵庫県の西宮で全壊したわけでございますけれども、ちなみに地震保険は入っておりませんでした。ないものだと信じておったということでございます。そして、それを踏まえて関西の地震保険がどの程度増えたかということに、それをというのは阪神大震災ですね、ということにもなるわけで、各地域各地域でどのようにしていくのか、やはりなかなか大きな災害があって初めていろいろなことに気がつく、そしてそれに対しての対応を慌てて講じるというようなことがやはり多いのではないかなと思います。

記者)
 冒頭発言に関係してお尋ねしたいと思います。冒頭の1点目、能登半島地震でGoogle社の協力で1,500台の端末とルーターを確保するということなのですが、被災者のニーズを踏まえてということなので、1,500台でどれぐらいの人数がカバーできそうなのか、もう少し、ニーズとして何台ぐらいさらに必要そうなのかということがあれば教えてください。

大臣)
 我々が聞いているところでは、とりあえず1,500台でほとんどカバーできるのではないかなと思っております。ただ、他の会社からの支援ということもございますので、今後、実態が明らかになっていくところを踏まえながらですね、また対応を検討していくということになるのではないかと思います。

記者)
 週末に行われた大学入学共通テストについて伺いたいのですけれども、能登半島地震で被災した石川県でも外国語の受験率を見ると95%近くの受験生が受けていたと思うのですけれども、当初の被災した受験生が本試験を受けられるかどうか懸念があった中で、この受験率の高さについて大臣はどのように受け止めていらっしゃいますか。

大臣)
 1月13、14日に実施されました大学入学共通テストについては、被災地に所在する試験場を含め、概ね無事に終了することができました。そういう点で、共通テストの円滑な実施に力を尽くされた全ての関係者の方々に、この場を借りて心からまず御礼を申し上げたいと思います。それで、今御指摘のありました石川県についてということでございますけれども、金沢で試験会場(注)ということで、ある程度前泊を含めてですね、対応をそれなりにやっていただいたということで、こちらも心配していたわけでございますけれども、それ以上に多くの方々、全国平均よりも高い比率の方々が受けられたということではないのかなと、そのように思います。それで、なおということになりますけれども、今回受験をされていない方々で追試験を御希望される方々についてはできるだけ対応をいろいろ図っていきたいとは思っております。
(注)金沢市に所在する大学を含め、石川県内の7大学、8試験場を本試験の会場として設定。

記者)
 先日の会見でも出た武蔵野市内の小学校で発生した児童間での盗撮事案に関連して、この事案について他の小学校でも十分起こり得る可能性があると思うのですが、今年度、今回の事案以外に小学校内で児童による盗撮の報告があったのかどうか、また今後、そういった1台端末に関連する問題の有無はどう対応したかなど、実態調査を行う考えがあるのかどうか、こうした問題を防ぐために学校としてはどのような対策が必要か、大臣のお考えを教えてください。

大臣)
 文部科学省では、各学校で発生した盗撮事案について、その発生件数や内容について調査を行っておらず、網羅的には把握しておりません。また、一般的に、学校内で盗撮事案などの犯罪行為が疑われる事案が発生した場合には、各学校や教育委員会等において、警察に相談・通報を行うなど適切に対応していただいいるものと認識しております。当省としては、盗撮事案の実態調査を行うことは考えていないということであります。

記者)
 旧統一教会に関係する関係閣僚会議に関してお伺いをいたします。先ほど、官邸での官房長官会見で、旧統一教会の問題に関わる被害者等への支援に関する関係閣僚会議を今週19日に初会合を開くと言及がなされました。所管は内閣官房のようですが、文科省としてどのように会議に関わっていくか、どういう議論をしていくか、現状のお考えがありましたらよろしくお願いいたします。

大臣)
 金曜日に関係閣僚会議があるということまでは聞いておりますけれども、スケジュールとしては聞いておりますけれども、それ以上の内容についてはまだ聞いていないところでございます。我々としては、これまで申し上げているとおり、我々ができるところ、所管しているところをしっかりと対応していくということに尽きると思います。

(了)

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大臣官房総務課広報室