盛山正仁文部科学大臣記者会見録(令和5年12月19日)

令和5年12月19日(火曜日)
教育、科学技術・学術、文化、その他

キーワード

横浜市立獅子ケ谷小学校及び海洋研究開発機構(JAMSTEC)の視察、日本原子力研究開発機構(JAEA)の視察、ユネスコ無形文化遺産への提案候補選定、日ASEAN間の交流強化の取組について、日本大学の改善計画に係るフォローアップ体制等について、政治資金パーティを巡る問題について

盛山正仁文部科学大臣記者会見映像版

令和5年12月19日(火曜日)に行われた、盛山正仁文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和5年12月19日盛山正仁文部科学大臣記者会見

令和5年12月19日盛山正仁文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

盛山正仁文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 今日は3件ございます。
 先週の15日、金曜日でございますけれども、横浜市立獅子ケ谷小学校と海洋研究開発機構(JAMSTEC)を視察してまいりました。獅子ケ谷小学校では、働き方改革に関して学校や教育委員会との意見交換を行いました。また、教員業務支援員の御活躍の様子を直接伺ったほか、ICT活用による効果的・効率的な授業も拝見し、働き方改革を通じて、教育の質の向上を図っていくことの重要性を改めて感じることができました。その後行ったJAMSTECでは、研究船「かいめい」や「しんかい6500」、自律型無人探査機、AUVと言います、これなど、海洋研究開発の基盤となる船舶等を視察いたしました。地球表面の約3分の2を海が占めております。海域の地震の研究や気候変動の将来予測など海洋における研究開発の重要性を改めて実感いたしたところです。今回の視察を踏まえ、学校における働き方改革のさらなる加速化や、海洋科学技術の研究開発の推進に、引き続き取り組んでまいります。これが1点目です。
 2点目です。昨日、茨城県にある日本原子力研究開発機構(JAEA)を訪問しましたので御報告します。そこでは、カーボンニュートラルの実現へ貢献が期待されております高温工学試験研究炉HTTRや高速実験炉「常陽」に加え、J-PARC、東海再処理施設などを視察し、我が国唯一の原子力の総合的な研究開発機関として、様々な取組が進められていることを改めて実感いたしました。今回の視察を通じて得られたことを踏まえて、引き続き、関連施策の充実にしっかりと取り組んでまいります。
 最後、3件目です。昨日、文化審議会におきまして、ユネスコ無形文化遺産の新規候補提案に「書道」、そして拡張提案候補に「和紙」、「山・鉾・屋台行事」、そして「伝統建築工匠の技」、この三つを選定するとの答申がなされました。書道は筆、墨、硯、紙などの用具用材を用いて、伝統的な筆遣いなどにより漢字、仮名などを表す文字表現の行為を対象としています。また、拡張提案の3件は、すでに代表一覧表に登録されている、「和紙」に「越前鳥の子紙」、それから「山・鉾・屋台行事」に「常陸大津の御船祭」、そして「村上祭の屋台行事」、「放生津八幡宮祭の曳山・築山行事」、「大津祭の曳山行事」、そして「伝統建築工匠の技」に「手織中継表製作」を追加するものとなります。今後、来年1月に関係省庁連絡会議を開催し、政府としての提案案件を正式決定する予定です。提案に向けて着実に準備を進めてまいります。以上3件です。

記者)
 日本とASEANの特別首脳会議が昨日、一連の日程を終えて共同声明が採択されました。これを受けて文科省として今後どういったことに取り組んでいかれるか、お考えをお聞かせください。

大臣)
 17日日曜日の日本ASEAN友好協力50周年特別首脳会議で採択された共同ビジョン・ステートメント及びその実施計画においては、冒頭で「世代を超えた心と心のパートナー」がうたわれていることに示されているとおり、日本ASEAN関係において人の交流の大切さが改めて示されたものと考えています。当省としても、ASEANとの交流強化の取組を進めることとしております。具体的には、一つ目、教育分野では、ASEANとの留学生・大学間交流の拡大や、ASEANからの高校生の招へい人数の増加、二つ目、科学技術・学術分野では、これまでの取組を基盤とした人材交流や共同研究等の強化、三つ目、文化分野では、日ASEAN文化大臣会合での合意事項や映画分野での交流の推進、四つ目、スポーツ分野では、日ASEANスポーツ大臣会合での合意事項を踏まえた協力の推進を図ってまいります。当省としては、これらの取組を通じて、次の50年を見据えた我が国とASEANとの関係強化に努めてまいりたいと考えています。

記者)
 冒頭発言のありました無形遺産の候補の追加についてお尋ねいたします。文化審議会のほうで「書道」をどういう理由で、どういった経緯で選ばれたかというところについて、お話しいただける範囲で大臣からお尋ねしたいのと、大臣から伺いたいのと、あわせて毛筆文化というのがスマートフォンなんかの発達であったりだとか、書道教室がコロナ禍でなかなか運営が難しくなっているというような事情を受けて、「書道」が今回、登録をもしされたとしたときにどういった効果をもたらすか、そういった期待についてお尋ねさせていただきます。よろしくお願いします。

大臣)
 いいお答えになるかどうか分かりませんが、今回、ユネスコ無形文化遺産代表一覧表に提案する候補となった「書道」につきましては、筆、墨、硯、紙などの用具用材を用いて、伝統的な筆遣いなどにより漢字、仮名などを表す文字表現の行為を対象とするということで選ばれたと理解しております。そして今、後半の御質問の件でございましたが、書道については、学校教育における授業や書道教室等で行われるものを含め、その裾野を広げていくことが重要と考えております。この答申を受けて、書道に対する人々の関心が高まり、日本の伝統文化である書道がより一層発展していくことを期待しております。なお、付言しますと、私の選挙区の兵庫県立美術館の中の原田の森ギャラリーというところがありまして、そこは割合ですね、多分お値段が安いということと、どんがらで広さがちょうどいいのではないかと思うのですが、書道展がよく開かれる美術館というのか、スペースがあります。実はこの週末、4週間にわたりまして毎週毎週、別の会の書道展に行ってまいりました。仮名もあれば漢字の人もいて、そして前衛ではないのだけれども自由な形でという人を集めたものですとかね、先生によってやり方が違います。ただやはり皆さん、危機意識は持っておられますね。今おっしゃったとおりで、学校での書道というか、書写の授業時間も短くなっていたりするし、ということで危機意識を持っておられるのは本当にそのとおり事実でございます。ただ、そういった書道展を見て若い方、20代、30代の方を含めてですね、いわゆる大家と言われる方だけではなくて、作品に挑戦をして1年に1回なのか、どの程度の頻度か分かりませんですけれども、御自身の作品を出されるというのは大したものだなと思います。多分、展覧会に出すために相当練習をされて、そして出されると思いますので、私は字はめちゃくちゃ下手なのですけれども、書き初めだとかね、そういうものを含めて日本の我々の日常生活に書道が取り残されないようにと言うのですかね、ちゃんと根付いていくことを個人的には心から期待しているところです。

記者)
 日大の件でお伺いしたいと思うのですけれども、日大側から11月末に提出された改善計画を受けて、文科省は省内でフォローアップ体制を整えて計画通り改革が進んでいるかという進捗のチェックをするということを決めていらっしゃると思うのですけれども、そういった組織はすでに立ち上がって作業とか進んでいるのかということですとか、改善計画の不足点などについて日大側に何か指摘していることとはあるのでしょうか。加えて、日大の改善計画について返答が間に合わなかったものは追って提出するとしているのですけれども、何か追加の提出時期などの目途の報告とかは来ていますでしょうか。よろしくお願いします。

大臣)
 今お話されたように、日本大学からは、11月30日に、学校法人としての対応に関する改善計画が提出されました。そして、その改善計画の実現に向けて、より具体的な対応方策やそのロードマップの策定など、スピード感を持った対応が必要だと私たちは考えています。特に対応方策については、「理事長らの責任・権限の明確化」、「理事長サポートスタッフの充実」、「競技スポーツの管理体制」などについて、実効性を高めるために、さらに内容を具体化する必要があると考えています。このため、今月の7日、日本大学の担当者に来省を求め、より具体性のある改善計画を策定し、今月中に提示するよう求めております。日本大学においては、改善計画に基づいて、ガバナンスの改善を含めた取組が確実に実行されるよう、当省としても、新たに有識者によるフォローアップ体制を構築し、引き続き指導・助言を徹底してまいりたいと考えているところです。

記者)
 フォローアップ体制はすでにできているという認識でよろしいのですか。

大臣)
 それにつきましては現在、年内を目途に立ち上げるべく、今、準備を進めているところでございます。

記者)
 政治資金の関係で今日、安倍派と二階派の事務所に強制捜査が入りました。自民党の派閥に強制捜査が及ぶに至って、国民の受け止めもより深刻に、そして厳しいものになることが予想されます。そのこと自体、大臣自身はどのように認識していますでしょうか。よろしくお願いします。

大臣)
 お尋ねについては現在、検察による捜査が行われているということでしょうから、あまりコメントすべきことではないと思います。と申し上げた上で、多くの国民の皆様に今回のこういう政治資金の問題で不信感と言うのか、政治への不信というのが高まる結果になったということは大変残念なことだと思います。私自身としても、改めて気を引き締めて政治資金の問題をちゃんと、私はちゃんとやってきたつもりではございますけれども、今後とも気をつけるつもりでありますし、また職務、この文部科学省の仕事として我々がしっかり対応していくということは有権者に対するお答えになるのではないかなと考えているところです。

(了)

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