高等学校における1人1台端末の環境整備について (文部科学大臣・デジタル大臣からのメッセージ)

令和4年1月11日(火曜日)
教育

 GIGAスクール構想の実現に向けて、これまで学校設置者、教職員や保護者の皆様など多くの関係者の多大なるご協力・ご支援を賜ったこともあり、小・中学校については、概ね1人1台端末の環境が整備されました。
 今年度より、試行錯誤いただきながらも、全国の学校で個別最適な学びと協働的な学びの実現に向けた取組が始まっており、数々の視察を通じて現場の状況を拝見させていただき、この構想の重要性や構想を着実に推進していく重責を再認識いたしました。

 本年4月からは高等学校において、新しい学習指導要領が年次進行で実施されるとともに、これまで自分専用の端末で学んできた中学3年生が、高等学校へ進学することになります。
 新しい学習指導要領では、情報活用能力を学習の基盤となる資質・能力の一つとして位置付けるとともに、情報科における共通必履修科目「情報Ⅰ」においても、全ての生徒がプログラミング等について学習を開始することとなっております。
 一方、多くの高校生が自身のスマートフォンを所有していることと思われますが、「情報Ⅰ」の指導内容や「大学入学共通テスト」への対応、大学進学後の学びや就職時に求められるスキルなどを考慮すると、それだけに頼る学びでは高校生に必要とされる資質・能力を身に付けるには不十分です。
 また、今なお、新型コロナウイルス感染症への対策に予断を許さない状況が続いております。こうした中、高等学校においても1人1台端末の環境を1日も早く整備することは、高校生の学びを止めない、「誰一人取り残されない」デジタル社会の実現のためにも極めて重要です。

 高等学校における端末整備については、昨年7月に実施した、GIGAスクール構想に関する教育関係者へのアンケートでも「自治体レベルで端末導入のばらつきがある状態を是正すべき。」などの御意見をいただいており、これも踏まえ、昨年12月に閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた重点計画」において、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用も含め、各都道府県における整備状況を国としてフォローアップし、必要な取組を促す」旨記載されたところです。現在、全ての都道府県において、1人1台端末の環境を整備するという方向と承知しておりますが、自治体が公費で整備したり、保護者にご購入いただく場合に負担軽減のための補助を行ったりするなど、その整備方針は様々です。
 財源については、既に1人1台端末の環境整備に必要な経費の3分の1相当について地方財政措置が講じられていますが、その他、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金などの国費も活用し、公費整備に限らず保護者負担の軽減を検討されている事例もありますので、こうした事例を周知するなど、全国どの高等学校においても1人1台端末の環境が速やかに実現されるよう支援してまいります。

 デジタル社会を生きる子供たちにとって、今やPC端末は、鉛筆やノートと並ぶマストアイテムです。1人1台端末の環境による個別最適な学びと協働的な学びを全ての高校生に届けられるよう、今後とも、より一層のご協力・ご支援を心からお願い申し上げます。

令和4年(2022年)1月11日
文部科学大臣 末松 信介
デジタル大臣 牧島 かれん

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