萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和2年11月20日)

令和2年11月20日(金曜日)
教育、科学技術・学術

キーワード

新たな日本人宇宙飛行士の国際宇宙ステーション滞在、南極地域観測隊(第62次隊)の出発、新型コロナウイルスの感染拡大と修学旅行、新型転換炉原型炉「ふげん」の使用済燃料の取扱いについて、新型コロナウイルスと大学におけるオンライン授業の実態、新型コロナウイルスと学生の修学支援

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和2年11月20日(金曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和2年11月20日萩生田光一文部科学大臣記者会見

令和2年11月20日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 おはようございます。
 冒頭、私から2件です。17日に野口聡一宇宙飛行士がISSに到着し、また来年春ごろには星出彰彦宇宙飛行士がISSに長期滞在して船長を務める予定となっております。このように、日本人宇宙飛行士の活躍がめざましい中、今般、若田光一宇宙飛行士が2022年ごろに、古川聡宇宙飛行士が2023年ごろにそれぞれISSに長期滞在することが国際調整の場において了承されましたので、本日、この場を借りて発表させていただきます。私と同世代の方々が宇宙を舞台に活躍されることは大きな刺激となります。我が国の宇宙開発の未来を切り開き、国民に夢を与えるようなご活躍を祈念しております。なお、両宇宙飛行士のISS長期滞在決定に関する詳細については午後にJAXAからの記者会見を予定をしておりますので、改めて詳細確認してください。
 続きまして、本日、第62次南極地域観測隊が、南極観測船「しらせ」に乗船し、海上自衛隊横須賀地方総監部から、南極昭和基地に向けて出発をします。今回の計画は、新型コロナウイルスの感染防止の徹底を第一に考え、隊員を最小限に絞るとともに、我が国の60年以上にわたる南極地域観測の歴史においては初めてとなりますけれども、他国に寄港しない行動計画を作りました。大気精密観測をはじめとする様々な観測は着実に継続することとしています。先日、私からも、橋田隊長や竹内「しらせ」艦長に激励をいたしましたが、南極という厳しい環境下での活動が予想されます。観測隊員及び「しらせ」乗組員が一丸となって観測活動や輸送業務に励まれ、予定した任務をしっかり達成されることを期待しております。私からは以上です。

記者)
 新型コロナの感染が再拡大をして東京だけじゃなくてですね、各地で新規感染者数が過去最高を更新しています。大臣は、10月の会見で、修学旅行はぜひ実施をということをおっしゃったと思うんですけれども、そのお考えにお変わりはないかということが一つ。で、また、修学旅行、Go Toトラベルの対象にもなっていますけれども、東京なんかは警戒レベルを最高に引き上げたりしていますけれども、感染拡大の地域によっては対象から外すべきだというようなお考えはありますでしょうか。

大臣)
 全国の感染者が2日続けて2,000人を超え、過去最多を更新するなど、現在、感染者数が再び増加している状況にあります。修学旅行については、子供たちにとってかけがえのない貴重な思い出となる教育効果の高い活動であることを踏まえ、各学校においては、教育委員会等の学校設置者とも相談をし、適切な感染防止策を十分に講じた上で、保護者や教職員など関係の皆さんのご理解・ご協力もいただきながら児童生徒の心情等を踏まえ、その実施について最大限の配慮をお願いしたいという考えには変わりはありません。その検討に当たっては、各地域の感染状況をしっかりと見極めながら、例えば、近距離での実施や旅行日程の短縮、また、卒業式以降の3月末日までも含めて検討の対象としたりするなど、様々な工夫についてご考慮いただきたいと思っています。また、実施に当たっても、新型コロナウイルス感染症の影響下でも安全・安心な旅行となるよう、一般社団法人日本旅行業協会が国内修学旅行の手引きを作成したり、Go Toトラベル事業に参加する旅行業者等も対策をとったりしているところであり、各学校においては、保護者や教職員など関係の皆さんのご理解・ご協力をいただきながら、子供たちのためにできるだけ実施いただける工夫を重ねてお願い申し上げたいと思います。あの、常々申し上げていますけれども、無防備に行け行けと言っているわけじゃなくて、様々な知恵を搾っていただいて対応策を考えていただきたい。それを前提に、ぜひ、子供たちの貴重な学びの機会を確保してほしい、そのことを、引き続き、お願いしていきたいと思います。

記者)
 先日の行政レビューについて伺います。あの、「ふげん」について燃料搬出の契約を含めて、厳しい指摘がなされましたけれども、それに対する受止めや今後の対応をお聞かせください。

大臣)
 11月14日に実施された秋のレビューにおいて、日本原子力研究開発機構の検証について議論がなされ、「ふげん」の使用済燃料の取扱いについて、見直しを行うべきとの指摘がされました。文部科学省としては、「ふげん」の使用済燃料に関する対応として、費用や実現性の観点から、海外再処理の方向で準備を進めてきたところです。今般、見直しの指摘がなされたところですが、令和8年度までに使用済燃料を県外に搬出するという地元との約束を誠実に履行する必要などがあることから、文科省としては、現行の計画が最も合理的と考えており、まずは、引き続き、行政改革推進本部等に対して説明を尽くしてまいりたいと思います。私も、就任以来、この件については局からの報告を受けて、あの、例えば、まっさらな状態のときにはですね、こういう方法はないのか、こういう仕組みは使えないのかということは何度も確認しましたけれども、現段階では、この方法が、地元との信頼を、きっちり約束を守りながら進める最良の方向であると。また、逆に言えばですね、突き詰めていくとこれ以外に方法はないというふうに思っておりますので、そのことをきちんと説明をしていきたいと思います。

記者)
 昨日、大学長との会談のことでお伺いしたいんですが。あの、文科省として、あのオンライン授業について実態調査をしたり、対面授業を求めるというのは理解できるんですが、その、大学名を公表するという根拠がちょっとまだ理解できなくて、根拠について教えていただけますか。

大臣)
 昨日、大学の代表の皆さんと貴重なお話合いの機会をいただきました。根本的に学生の皆さんの学びを守っていこうという基本姿勢は共有できたのだと思います。他方、オンラインが決して悪いと言っているわけじゃないのですけれど、オンラインで不安を感じている学生が数多くいるので、ぜひ、学生の満足度・納得度を上げて欲しいということをお願いしたのですけれど、そこは、ちょっと温度差がありまして、いや、学生は満足しているんだと、こうおっしゃる代表の方が数多くいて、ちょっとあの、意外に感じました。昨日、皆さんが報道していただいた後もですね、文科省には、多くのご父兄やあるいは学生本人からも、メールや問い合わせがきておりまして、圧倒的多くの皆さんは、今、文科省が大学に求めている姿勢に理解をしていただいているのだと思います。今回の調査結果については、概ね、夏休み前から、ぜひ、ハイブリッドの授業をやってほしいということをお願いしてきているわけですけれど、それができない学校はその理由を明らかにしてほしいということを申し上げているところでありまして、昨日もその話し合いの中で、ただ単にですね、さらし者のように名前を出すのじゃなくて、これは当然のことながら、それぞれの学校がどういう努力をしているけれども、あるいは、その学校の判断で5割に達していないけれども、こういう事情だということも含めて公表しようと思っていますので。あの、オンライン授業は学生が満足しているんだ、納得しているんだという学校が、名前を出されて困ることはないと思います。従って、しっかり公表しながらですね、受験生がそれぞれの学校を選ぶ基準にもなると思いますので、あの、それぞれの学校の取組も含めて公表していきたいなと思っています。

記者)
 それでしたら、その、全大学の取組を、大学名を公表して紹介したらいいと思うんですが、なぜ、5割未満の、オンライン授業の、未実施を。

大臣)
 ハイブリッドの授業をやってもらいたいというお願いを文科省が基本的にしているわけですから、その基本的なお願いに対応できない学校はなぜなのかということを公表したいので、やっている学校は別に公表する必要はないんじゃないですか。

記者)
 もう一つ、その、昨日の面談で、あの、退学した学生への、まああの、再入学ですかね、お願いされたと思うんですが、財政的な支援など考えてらっしゃるんでしょうか。

大臣)
 学生に対してですか。

記者)
 ごめんなさい。大学に対して、文科省が。

大臣)
 今回、コロナの中で、できるだけ修学を諦めない体制を学校と文科省で一緒にとらせていただいております。そのためには、相談があった学生が、なぜ退学を考えているのかを丁寧に対応してほしいことを、例えば、経済的な理由だったらこちらに相談をしていただいて、JASSOの様々な支援策を講じていくことなど、色んなメニューを用意させていただいておりますが、それでも、ご実家の事情だとか、様々なことで止むを得ず退学を考える、今、ちょっと心配しているのは、さっき申し上げた、あの、精神的にですね、大学に失望してしまって、要するに、学校に行けないことでこの際辞めるという学生の相談がいくつか増えているというふうに承知しておりますので、今回のコロナをきっかけに退学をする学生が、環境が落ち着いたところでやっぱり学びたいという意欲があった場合には、ぜひ、その学び直しの機会をですね、作ってあげてほしいということをお願いしました。直ちに何か財政的な必要性があれば、さっき申し上げた既存のメニューで支援したいと思いますけど、これは、あの、学校ごとの判断になると思うので、ぜひ、そういうオプションを、この際、用意しておいてほしいということをお願いさせてもらいました。セーフティネットとして。

(了)

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