萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和2年4月7日)

令和2年4月7日(火曜日)
教育、科学技術・学術、文化、その他

キーワード

新型コロナウイルスの感染拡大と対策、東京大学医科学研究所の視察、令和2年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者の決定、民族共生象徴空間(ウポポイ)、全国小中高等学校等における教育活動の再開等について、授業目的公衆送信補償金制度

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和2年4月7日(火曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和2年4月7日萩生田光一文部科学大臣記者会見

令和2年4月7日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 おはようございます。
 私から冒頭四件ございます。まず、先週3日(金曜日)に東京大学の医科学研究所に、新型コロナウイルスに関する研究内容及びPCR検査の現状の視察にお邪魔をしました。同研究所からは、膵炎の治療薬である「ナファモスタット」が新型コロナウイルスへの感染を阻害する可能性について説明を受けました。また、PCR検査について、使用する機器や検査手法等を実際に見せていただきました。精緻な解析結果を求めるには、高度な専門性や技術が必要なことや、慎重な体制の下、検査時における感染を起こさないよう取り組まれていることがよく理解できました。同研究所は、文部科学省の支援により、2005年度から中国に拠点を設置し、感染症に関する日中共同研究を推進していますが、今回の視察でも、これまでの実績や知見を踏まえ、大学の研究者や病院関係者の方々が大変なご努力で新型コロナウイルスへの対応に取り組まれていることを目の当たりにさせていただきました。これから、これらの大学等における研究成果が今後の実用化につながることを期待するとともに、引き続き、研究に必要となる研究開発をしっかり支援してまいりたいと思います。
 続きまして、文部科学省では、毎年、科学技術分野において顕著な成果を修めた研究者等に対して、文部科学大臣表彰として顕彰しています。この度、本年度の受賞者を決定しましたので発表させていただきます。受賞者につきましては、昨日配布した資料のとおりですが、従来の科学技術賞、若手科学者賞及び創意工夫功労者賞に加えて、今回から研究現場を支える技術職員等にも光を当て、その育成及び活躍を促進することを目的に、研究支援賞というものを新設をさせていただきました。受賞される方々には、その功績を大いに称えるとともに、心からお祝いを申し上げたいと思います。
 なお、表彰式につきましては、4月13日から19日までの科学技術週間中に開催を予定をしておりましたが、受賞者を始めとする多数の参加者への新型コロナウイルス感染リスクを考慮して中止をすることといたしました。
 続きまして、政府では、アイヌ文化の復興等に関するナショナルセンターである民族共生象徴空間、通称「ウポポイ」を令和2年4月24日に開園すべく準備を進めてきたところですが、新型コロナウイルスの感染拡大の状況を踏まえ、開園時期を延期することとしましたのでお知らせします。新たな日取りとしては、ウポポイの開業を5月29日とし、またこれに先立つ記念式典を5月23日とすることを目指して準備をしてまいりたいと思います。
 次に、今般の新型コロナウイルス感染症に伴う遠隔授業等のニーズに対応するため、平成30年の著作権法改正で創設された「授業目的公衆送信補償金制度」について、当初の予定を早め、今月中に施行することとしました。学校の授業の過程における資料のインターネット送信については、従来の、個別の許諾が必要であったところ、この制度の施行により、個別の許諾を要することなく、様々な著作物を円滑に利用することができることになります。また、この制度は、学校の設置者が、各分野の権利者団体で構成される指定管理団体に一括して補償金を支払うものですが、昨日、指定管理団体において、令和2年度に限り、補償金額を特例的に無償として申請することが決定されております。今後、教育機関の設置者を代表する団体への意見聴取等を経て、指定管理団体から文化庁に対して補償金額の許可申請が行われることとなりますので、文部科学省としては、その許可に向けた審査手続など、引き続き、改正著作権法の施行に必要な準備をしっかりと進めてまいります。私からは以上です。

記者)
 私から一点お尋ねします。今日にも緊急事態宣言が発令される見込みとなりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大が続いている地域を中心に、引き続き、学校の臨時休校が続く見込みとなっております。子供の心のケアについて、学校現場においてどのように対応していくべきか、改めてお考えをお聞かせください。

大臣)
 自宅で過ごす時間が長くなることに伴う生活リズムの乱れやストレス・悩み等の課題については、教育委員会や学校においても必要な対応を講じていくことが重要であると考えております。このため、文部科学省においては、各都道府県教育委員会等に対して、自宅で過ごす児童生徒やその保護者との連絡を密にし、「24時間子供SOSダイヤル」等の相談窓口を適宜に周知するとともに、必要に応じて、養護教諭やスクールカウンセラー等による支援を行うよう依頼しているところです。さらに、各地域における、学校の臨時休業中の取組として、家庭訪問の際に健康状態を確認したり、子供の生活の様子や健康状態を知るため、期間を設定して、子供とその保護者に学校に来ていただくといったことも行われており、こうした取組事例をとりまとめて公表しております。文科省としては、引き続き、児童生徒の心のケアについて、自治体との丁寧な情報交換を行いながら、必要な支援に努めてまいりたいと思います。

記者)
 学校の再開状況についての把握を教えてください。

大臣)
 新学期の開始の状況について、本日、後ほど公表させていただきたいと思いますが、大きく言って、小学校・中学校ではですね、62%が再開をしているという状況にございます。

記者)
 緊急事態宣言前ということで、7都県の分も入っている。

大臣)
 そうですね。もし今日、仮に緊急事態宣言が発令されますと、7都県につきましては対応が少し変わってくることになると思います。しかしながら、東京都などは、あらかじめ5月6日までの休校要請をしていましたので、大方、数字の中に含まれていると思います。後ほど資料を配布させたいと思います。

記者)
 文科省のガイドラインでは、登校日や分散登校などを求めている部分があったと思うんですが、緊急事態宣言が出た後のこれらの内容で可能だとお考えですか。

大臣)
 ここは初めての事態なので、今までの3月の休校要請よりは自粛を強化をしていただくことが必要だと思います。しかしながら、子供達の、今、代表質問にもありましたように、心のケアやストレスなどを考えますと、一日中家のこもっていろということもこれまた危険が伴うと思いますので、その辺は、関係自治体としっかり連携をとりながら、例えば、散歩など外に出ることも一定、認めていかないとですね、子供達のストレス解消にならないと思います。その場合には、学校の校庭などのほうが非常に安全性が保たれるんじゃないかと思いますので、この辺のことは、今後、相談をしていきたいと思います。登校日を設ける等の積極的な学校への呼び込みというものは、この7つの自治体についてはやや消極的になるかもしれませんけれども、向こう1ヶ月、全く子供達と先生が顔を合わせない、学校に全く来ないということが果たしていいかどうか、この辺は、各自治体のご判断もあると思いますので丁寧な連携をしていきたいと思っています。

記者)
 今の分散登校の関係なんですが、すでに分散登校を設定している学校とか、4月中に始業を予定している学校もありますが、文科省としてこれらの学校、自治体、教育委員会に対して、どのように判断するようにお伝えなんでしょうか。

大臣)
 まず、すでにガイドラインで示している分散登校ですとか登校日の設定というものは、この度、指定をされるかもしれない7つの自治体とは対応が異なりますので、それは、そのままガイドラインを踏襲していただいて、各自治体の判断にお任せしたいと思います。他方、仮に、要は事態宣言がされて指定をされる自治体については、今、お話をしたとおりでありまして、このガイドラインとは違う新たなガイドラインの追加が必要になってくると思いますので、その辺は、政府全体でよく相談をしながら方針を決めていきたいと思います。ただ、あくまで権限は都知事、都道府県知事に移りますので、その自治体の判断を超えて文科省が何かを示すということは考えていません。あくまで、目安となるガイドラインを示した上で、各自治体の感染状況などに応じて対応していただきたいと思ってます。

(了)

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