JAXAのH3ロケットと小型月着陸実証機(SLIM)の両プロジェクトマネージャが盛山大臣を表敬訪問

4月17日(水曜日)
科学技術・学術

  4月17日、盛山大臣は、当時H3ロケット※1 のプロジェクトマネージャ(現JAXA理事)であった岡田匡史氏と小型月着陸実証機(SLIM)※2 のプロジェクトマネージャの坂井真一郎氏の表敬訪問を受け、プロジェクト成功への御祝いを伝えるとともに、日本の宇宙開発について意見交換をしました。

  岡田氏からは、H3ロケット試験機1号機が昨年3月に打上げ失敗してしまったことで日本の宇宙開発に大きな影響を与えてしまったと思ったが、2号機打上げ当日、ロケットを発射台に見送った時に、チームの皆が本当に清々しくやり切ったという目をしていて、これはうまくいくと感じた。ロケットは100%成功するということはないので、これからも気を引き締めて頑張っていきたい、磨きをかけて日本の宇宙計画を支えていきたいと述べられました。

  坂井氏は、各国の月着陸機が着陸目標地点から数km~10数kmの範囲で着陸を目指す中、SLIMは着陸目標地点の100m以内を実現し、世界で初めてピンポイント着陸ができ胸を張れる成果となったと述べられました。
  また、着陸降下を始める前、チームがすごく気合の入った表情をしていたので、これは成功すると感じた、とても良いチームであり、マネージャとしてチームのメンバーに感謝していると話されました。

  盛山大臣は、両プロジェクトにおける成功は世界に誇る成果であり、とても嬉しかったと話しました。
  また、先日の米国出張においてネルソンNASA長官と「与圧ローバによる月面探査の実施取決め」に署名したことについて、ネルソン長官からも日本への信頼の言葉があった旨説明し、JAXAをはじめとする日本の技術の高さに対する高い信頼性があってのことだと感じたと述べました。
  そして、人類の夢である月面探査を含めた宇宙開発は、今後我々の生活にもいかされることになるとし、次のステップに向けて、JAXAや関係企業をはじめ、宇宙開発へ日本がもっと貢献できるよう、そして、世界をリードできるよう活躍していただくことに期待していると伝えました。

※1 H3ロケット試験機2号機は、岡田匡史 元H3プロジェクトマネージャ(現JAXA理事)を中心に、コスト削減や信頼性向上を目標に開発が進められ、昨年3月の失敗を経て、今年2月、打上げを成功させた。

※2 小型月着陸実証機(SLIM)は、坂井真一郎プロジェクトマネージャを中心に、世界最高精度のピンポイント着陸を世界で初めて実証し、SLIMから放出した小型機でSLIM自身の着陸画像を撮影できた他、過酷な月面の夜を超えて運用再開する「越夜」を、想定した設計ではない中で、2度実現した。

左から:山川JAXA理事長、坂井氏(小型月着陸実証機(SLIM)プロジェクトマネージャ)、
盛山大臣、岡田氏(当時H3ロケットプロジェクトマネージャ(現JAXA理事))、今枝副大臣