盛山大臣がNIMS、KEKを視察しました

1月18日(木曜日)
科学技術・学術

  1月18日、盛山大臣は、物質・材料研究機構(NIMS)、高エネルギー加速器研究機構(KEK)を訪問しました。

  物質・材料研究機構(NIMS)は、物質・材料科学の研究に特化した国内唯一の国立研究開発法人です。「物質」や「材料」は私たちの日々の暮らしの基盤であり、NIMSから生まれた多くの成果が世界を変えてきました。
  今回盛山大臣はこれらの研究現場を視察するとともに、研究者から説明を受けました。

  例えば、震源地から離れた位置でも被害を生じる長周期地震動の揺れから、高層ビルを守る制振ダンパーについて、研究者から説明を受けました。
  この成果はすでに国内で活用されており、地震の多い日本の安全に貢献しています。
  また、高温・高圧で金属を何十年も引っ張り続け、材料の強さや耐久性を調べるクリープ試験や、蓄電池や磁性材料の研究開発においてロボットを活用して実験を自動化したスマートラボラトリの研究現場を視察しました。
  加えて、航空機のジェットエンジン等に用いられる超耐熱合金やLED照明に用いられる蛍光体の研究開発において、データを駆使した新たな手法に取り組む研究者から説明を受けました。

  盛山大臣は、幅広い分野の物質や材料の研究が実際に様々な形で社会に生かされていることを実感し、日本が引き続き基礎・基盤的な研究に取り組むことが大事である旨述べました。

  高エネルギー加速器研究機構(KEK)では、スーパーBファクトリー実験で用いられているBelleⅡ測定器や最先端の加速器である超伝導加速器の基盤技術開発の様子などを視察しました。
  スーパーBファクトリー実験は、宇宙初期に極めて稀にしか起こらなかった現象を再現することにより、新しい物理法則の発見・解明を目指しており、27か国・地域より約1,100名の研究者が参加している国際共同実験です。前身のBファクトリー実験では、平成20年にノーベル物理学賞を受賞した小林・益川両先生が提案した理論を実験的に証明しています。視察時には、実験に参加しているウクライナ国籍の研究者より、国際共同実験に参加し、世界各国の研究者と連携しながらそれぞれの強みを活かしつつ、成果を上げていくことの重要性について話を聞きました。

  視察後、難解な素粒子・原子核物理学研究に対し、国民の皆さまからご支援をいただくことの重要性について、山内機構長と意見交換を行い、盛山大臣は、子供に科学の興味を持ってもらい、「どうしてだろう」、「不思議だな」という気持ちから理学系を目指す学生が増えていくよう、引き続き取組を進めていただきたいと述べるとともに、教育サイドからも一緒に考えていきたいと話しました。

【物質・材料研究機構(NIMS)】

制振ダンパーの開発やデータを駆使した新たな手法に取り組む研究者から説明を受ける様子

高温・高圧で金属を何十年も引っ張り続けるクリープ試験機について説明を受ける様子

蓄電池開発や磁性材料研究の研究開発においてロボットを活用して実験を自動化したスマートラボラトリの研究現場を視察する様子

蓄電池開発や磁性材料研究の研究開発においてロボットを活用して実験を自動化したスマートラボラトリの研究現場を視察する様子

航空機のジェットエンジン等に用いられる超耐熱合金の研究開発について説明を受ける様子

LED照明に用いられる蛍光体の研究開発について説明を受ける様子

【高エネルギー加速器研究機構(KEK)】

ウクライナ国籍の研究者との意見交換の様子

最先端の加速器である超伝導加速器で用いられるニオブ製9セル超伝導加速空洞について説明を受ける様子

超伝導加速空洞を収める真空容器であるクライオモジュールの仕組みについて説明を受ける様子

スーパーBファクトリー実験において加速された電子・陽電子が衝突する様子を測定するBelleⅡ測定器の前で説明を受ける様子

放射光実験施設の運転状況について説明を受ける様子