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スポーツ基本法等の施行について(通知)

平成23年8月11日付け地方公共団体等宛て文部科学副大臣通知

23文科ス第418号
平成23年8月11日

各都道府県教育委員会
各指定都市教育委員会
各都道府県知事
各指定都市市長  殿
各国公私立大学長
各国公私立高等専門学校長
独立行政法人日本スポーツ振興センター理事長

文部科学副大臣
鈴木寛

スポーツ基本法等の施行について(通知)

 スポーツ基本法(平成23年法律第78号。以下「法」という。)については,平成23年6月24日付け文部科学副大臣通知(23文科ス第310号)により,その公布についてお知らせしたところですが,このたび,「スポーツ基本法の施行期日を定める政令(平成23年政令第231号)」(以下「施行期日政令」という。)により,平成23年8月24日から施行されることとなりました。
  また,本法の施行に伴い,「スポーツ基本法施行令(平成23年政令第232号)」(以下「施行令」という。)及び「社会教育調査規則等の一部を改正する省令(平成23年文部科学省令第27号)」(以下「省令」という。)が同日から施行されることとなりました。
  法,施行令等の概要及び留意事項は,下記のとおりですので,各関係機関におかれては,これらを十分に御了知の上,関係する規定の整備等事務処理上遺漏のないようにするとともに,法の定める趣旨に沿って,スポーツの推進を図ってくださるようお願いします。
  また,スポーツに関する事務を管理し,及び執行する各都道府県教育委員会又は各都道府県知事におかれては,これらを御了知の上,域内の市区町村等のスポーツ担当部局,関係機関及び関係団体に対してもその旨周知くださいますようお願いします。
  なお,関係の法令,通知その他参考資料については,文部科学省のホームページに掲載しておりますので,御参照願います。

第1 法律等の概要

1 法の概要

(1) 前文

    新たに前文を設け,次のような本法制定の趣旨等を明らかにしたこと。

    ア スポーツは,世界共通の人類の文化であること,スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは全ての人々の権利であること,青少年の体力の向上や人格の形成への影響,地域の一体感や活力の醸成,健康で活力に満ちた長寿社会の実現,国民に誇りと喜び,夢と感動を与え,我が国社会の活力や国民経済の発展に広く寄与すること,国際的な交流や貢献を通じた国際的地位の向上など,国民生活における多面にわたるスポーツの果たす役割の重要性を規定したこと。

    イ 地域におけるスポーツの推進と優れたスポーツ選手の地域におけるスポーツの推進への寄与が,多様な主体の連携と協働による我が国のスポーツの発展を支える好循環をもたらすものであること。

    ウ スポーツ立国の実現を目指し,国家戦略として,スポーツに関する施策を総合的かつ計画的に推進するため,この法律を制定すること。

(2) 総則

    ア この法律は,スポーツに関し,基本理念を定め,並びに国及び地方公共団体の責務並びにスポーツ団体の努力等を明らかにするとともに,スポーツに関する施策の基本となる事項を定めることにより,スポーツに関する施策を総合的かつ計画的に推進し,もって国民の心身の健全な発達,明るく豊かな国民生活の形成,活力ある社会の実現及び国際社会の調和ある発展に寄与することを目的とすることとしたこと。(法第1条関係)

    イ 国,地方公共団体,スポーツ団体等の関係者が共有するスポーツの基本的な理念(以下「基本理念」という。)を新たに規定したこと。(法第2条関係)

    ウ 新たに国及び地方公共団体の責務を規定し,基本理念にのっとり,スポーツに関する施策の策定及び実施の責務を有することとしたこと。(法第3条及び第4条関係)

    エ スポーツ団体がスポーツの普及及び競技水準の向上に果たすべき重要な役割に鑑み,新たにスポーツ団体の努力を規定したこと。また,スポーツ団体は,スポーツの振興のための事業を適正に行うため,その運営の透明性の確保を図るとともに,その事業活動に関し自らが遵守すべき基準を作成するよう努めること,スポーツに関する紛争について,迅速かつ適正な解決に努めるものとしたこと。(法第5条関係)

    オ 国,地方公共団体及びスポーツ団体は,スポーツへの国民の参加及び支援を促進するよう努めることを規定したこと。スポーツの関係者は,基本理念の実現を図るため,相互に連携を図りながら協働するよう努めるものとしたこと。(法第6条及び第7条関係)

    カ 政府は,スポーツに関する施策を実施するため必要な法制上,財政上又は税制上の措置その他の措置を講じなければならないこととしたこと。(法第8条関係)

(3) スポーツ基本計画等

    ア スポーツ振興法(昭和36年法律第141号。以下「旧法」という。)と同様に,文部科学大臣は,スポーツに関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため,スポーツの推進に関する基本的な計画(以下「スポーツ基本計画」という。)を定めなければならないこととするとともに,その策定及び変更の手続を規定したこと。(法第9条関係)

    イ 旧法で策定が義務付けられていた地方自治体のスポーツの振興に関する計画については,スポーツ基本計画を参酌して,その地方の実情に即したスポーツの推進に関する計画(以下「地方スポーツ推進計画」という。)を定めるよう努めるものとしたこと。(法第10条関係)

(4) 基本的施策

    ア スポーツの推進のための基礎的条件の整備等として,指導者等の養成等,スポーツ施設の整備等,学校施設の利用,スポーツ事故の防止等,スポーツに関する紛争の迅速かつ適正な解決,スポーツに関する科学的研究の推進等,学校における体育の充実,スポーツ産業の事業者との連携等,スポーツに係る国際的な交流及び貢献の推進,顕彰の施策を定めることとしたこと。(法第11条から第20条まで関係)

    イ 多様なスポーツの機会の確保のための環境の整備として,地域におけるスポーツの振興のための事業への支援等,スポーツ行事の実施及び奨励,体育の日の行事,野外活動及びスポーツ・レクリエーション活動の普及奨励の施策を定めることとしたこと。(法第21条から第24条まで関係)

    ウ 競技水準の向上等として,優秀なスポーツ選手の育成等,国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会,国際競技大会の招致又は開催の支援等,企業,大学等によるスポーツへの支援,ドーピング防止活動の推進の施策を定めることとしたこと。(法第25条から第29条まで関係)

(5) スポーツの推進に係る体制の整備

    ア 政府は,スポーツに関する施策の総合的,一体的かつ効果的な推進を図るため,スポーツ推進会議を設け,文部科学省及び厚生労働省,経済産業省,国土交通省その他の関係行政機関相互の連絡調整を行うものとしたこと。(法第30条関係)

    イ 都道府県及び市町村に,地方スポーツ推進計画その他のスポーツの推進に関する重要事項を調査審議させるため,条例で定めるところにより,審議会その他の合議制の機関(以下「スポーツ推進審議会等」という。)を置くことができることとしたこと。(法第31条関係)

    ウ 市町村の教育委員会(特定地方公共団体にあっては,その長)は,当該市町村におけるスポーツの推進に係る体制の整備を図るため,社会的信望があり,スポーツに関する深い関心と理解を有し,及び職務を行うのに必要な熱意と能力を有する者の中から,スポーツ推進委員を委嘱するものとしたこと。旧法に定める体育指導委員の職務内容に「スポーツの推進のための事業の実施に係る連絡調整」が追加されたこと。(法第32条関係)  

(6) 国の補助等

    ア 国は,地方公共団体に対し,予算の範囲内において,政令で定めるところにより,次に掲げる経費について,その一部を補助することとしたこと。(法第33条第1項関係)

      (ア) 国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会の実施及び運営に要する経費であって,これらの開催地の都道府県において要するもの

      (イ) その他スポーツの推進のために地方公共団体が行う事業に要する経費であって特に必要と認められるもの

    イ 旧法と同様に,国による学校法人又はスポーツ団体に対する補助について規定したこと。(法第33条第2項及び第3項関係)

    ウ 旧法と同様に,地方公共団体は,スポーツ団体に対し,その行うスポーツの振興のための事業に関し必要な経費について,その一部を補助することができることとしたこと。(法第34条関係)

    エ 国又は地方公共団体が社会教育関係団体(社会教育法(昭和24年法律第207号)第10条に規定する社会教育関係団体をいう。)であるスポーツ団体に対し補助金を交付しようとする場合には,あらかじめ,国にあっては文部科学大臣が法第9条第2項の政令で定める審議会等の,地方公共団体にあっては教育委員会(特定地方公共団体におけるスポーツに関する事務(学校における体育に関する事務を除く。)に係る補助金の交付については,その長)がスポーツ推進審議会等その他の合議制の機関の意見を聴かなければならないこととしたこと。この意見を聴いた場合においては,社会教育法第13条の規定による意見を聴くことを要しないこととしたこと。(法第35条関係)  

(7) 施行期日等

    ア この法律は,公布の日(平成23年6月24日)から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしたこと。(法附則第1条関係)

    イ 政府は,スポーツに関する施策を総合的に推進するため,スポーツ庁及びスポーツに関する審議会等の設置等行政組織の在り方について,政府の行政改革の基本方針との整合性に配慮して検討を加え,その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすることとしたこと。(法附則第2条関係)

    ウ この法律の施行の際現に旧法第4条の規定により策定されている同条第1項に規定するスポーツの振興に関する基本的計画又は同条第3項に規定するスポーツの振興に関する計画は,それぞれ法第9条又は第10条の規定により策定されたスポーツ基本計画又は地方スポーツ推進計画とみなすこととしたこと。(法附則第3条関係)

    エ この法律の施行の際現に旧法第19条第1項の規定により委嘱されている体育指導委員は,法第32条第1項の規定により委嘱されたスポーツ推進委員とみなすこととしたこと。(法附則第4条関係)

2 施行期日政令の概要

法の施行期日は,平成23年8月24日とすることとしたこと。  

3 施行令の概要

(1)  審議会等で政令で定めるもの

    法第9条第2項の審議会等で政令で定めるものは,中央教育審議会とすることとしたこと。(施行令第1条関係)

(2) 法第33条第1項の規定により国が補助する経費の範囲及び補助額

    ア 法第33条第1項第1号に掲げる経費について同項の規定により国が補助する場合の経費の範囲は,開催地の都道府県において要する国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会の実施及び運営に直接必要な経費とし,当該経費に係る補助の額は,国民体育大会に係るものにあっては文部科学大臣が,全国障害者スポーツ大会に係るものにあっては厚生労働大臣が,それぞれ定めるものとしたこと。(施行令第2条第1項関係)

    イ 法第33条第1項第2号に掲げる経費について同項の規定により国が補助する場合の経費の範囲は,都道府県が行う全国的な規模のスポーツ事業その他スポーツの推進のために地方公共団体が行う事業に必要な審判員の謝金及び旅費,通信運搬費その他の当該事業の実施に直接必要な経費とし,当該経費に係る補助の額は,文部科学大臣が定めるものとしたこと。(施行令第2条第2項関係)

(3) 施行期日

    この政令は,法の施行の日(平成23年8月24日)から施行することとしたこと。(施行令附則第1項関係)

4 省令の概要

(1) 概要

    法の施行に伴い,関係省令の規定を整理したこと。

(2) 施行期日

    この省令は,法の施行の日(平成23年8月24日)から施行することとしたこと。

第2 留意事項

1 基本理念について

法第2条に規定する基本理念は,国,独立行政法人,地方公共団体,学校,スポーツ団体及び民間事業者その他の関係者に共通するものとして定められていること。

2 スポーツ団体について

法第2条第2項に規定する「スポーツ団体」とは,「スポーツの振興のための事業を行うことを主たる目的とする団体」を指し,地域スポーツクラブ,競技団体等各種の団体を含むこと。

スポーツ団体は,法第5条第2項に規定する「事業活動に関し自らが遵守すべき基準」を作成した場合には,それを公表するように努めること。

また,同条第3項に規定する「スポーツに関する紛争について,迅速かつ適正な解決に努めるものとする」とは,スポーツ団体が自ら解決に努めるとともに,仲裁又は調停に応ずるように努めることを含むものであること。

3 障害者への配慮について

法第2条第5項において,基本理念として,スポーツの推進の観点から障害者に必要な配慮を行うこととされていることを踏まえ,各地方公共団体及び関係機関におかれては,障害者と健常者が共にスポーツに親しむことのできる環境等の整備に努めること。

4 スポーツ基本計画について

文部科学省では,平成24年度からスポーツ基本計画を実施できるよう策定を進める予定であること。

5 地方スポーツ推進計画について

地方スポーツ推進計画については,旧法で策定が義務付けされ,策定の手続も定められていたが,地方公共団体の自主的・主体的な判断を尊重する地方分権の観点から,法では策定を努力義務とし,手続が廃止されたこと。これを踏まえ,計画の策定及びその手続については,スポーツ基本計画を参酌して,地方の実情に即して検討すること。

なお,法施行の際現に旧法第4条の規定により策定されている同条第3項に規定するスポーツの振興に関する計画については,法附則第3条により,法第10条の規定により策定された地方スポーツ推進計画とみなされることに留意すること。

6 基本的施策について

基本的施策のうち国が主体となる施策について,今日的課題等へ対応するという観点から,旧法では定められていなかった,スポーツに関する紛争の迅速かつ適正な解決(法第15条),学校における体育の充実(法第17条),スポーツ産業の事業者との連携等(法第18条),優秀なスポーツ選手の育成等(法第25条),国際競技大会の招致又は開催の支援等(法第27条第1項),企業,大学等によるスポーツへの支援(法第28条),ドーピング防止活動の推進(法第29条)等が新たに定められていること。

また,基本的施策のうち地方公共団体が主体となる施策は努力義務とされているが,これは地方公共団体の自主的・主体的な判断を尊重する地方分権の観点から,地方の実情に即して施策を講じていただく趣旨であること。

7 地域におけるスポーツの振興のための事業への支援等について

法第21条に定める「住民が主体的に運営するスポーツ団体(地域スポーツクラブ)」は,いわゆる総合型地域スポーツクラブのほか,住民が主体的に運営するものであれば,単一種目のスポーツクラブも含むこと。

8 スポーツ推進審議会等について

旧法第18条では,都道府県におけるスポーツ振興審議会等は必置の機関とされていたが,法第31条では,都道府県・市町村ともに,「スポーツ推進審議会等」は任意に設置される機関とされており,実際の設置に当たっては,条例で定めるところにより,所掌,組織,手続等について,各地方公共団体の実情に即して判断すること。

なお,同条に規定する「スポーツ推進審議会等」の名称は合議制の機関の略称として使用している例示であることから,各地方公共団体において,所掌事務等に即して適切な名称とすること。

また,「スポーツ推進審議会等」は任意に設置される機関であるが,設置する際の条例等の整備については,法律に基づいた機関として実際に調査審議を開始するまでに整備をしておくことが必要であること。

9 スポーツ推進委員について

旧法第19条に定める市町村が委嘱する「体育指導委員」の役割は,近年,スポーツの実技の指導その他スポーツに関する指導及び助言のみならず,スポーツの推進のための事業の実施に係る連絡調整としての役割が重要性を増していることから,法第32条では,こうした職務が規定上追加されるとともに,当該職務をより適切に表す観点から,「スポーツ推進委員」に名称を変更したものであること。

なお,法附則第4条の規定に基づき,法施行の際現に旧法第19条第1項の規定により委嘱されている体育指導委員は,法第32条第1項の規定により委嘱されたスポーツ推進委員とみなされるが,施行後に初めてスポーツ推進委員を委嘱する際は、その前に各地方公共団体の条例・規則等の整備を行う必要があること。

10 スポーツ団体に対する補助金の交付について

法第35条に規定する「スポーツ推進審議会等その他の合議制の機関」における「その他の合議制の機関」とは,例えば,「スポーツ推進審議会等」を設置しないこととする場合に,生涯学習審議会等が考えられること。

(参考)文部科学省ホームページ

スポーツ基本法

平成23年8月11日付け統括スポーツ団体等宛てスポーツ・青少年局長通知

23文科ス第418号
平成23年8月11日

公益財団法人日本体育協会
公益財団法人日本オリンピック委員会
公益財団法人日本レクリエーション協会
財団法人日本障害者スポーツ協会
社団法人全国体育指導委員連合
公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構 御中
一般財団法人日本スポーツ仲裁機構
公益財団法人日本中学校体育連盟
財団法人全国高等学校体育連盟
社団法人全国大学体育連合
総合型地域スポーツクラブ全国協議会

文部科学省スポーツ・青少年局長
布村幸彦

スポーツ基本法等の施行について(通知)

 スポーツ基本法(平成23年法律第78号。以下「法」という。)については,平成23年6月24日付け文部科学副大臣通知(23文科ス第310号)により,その公布についてお知らせしたところですが,このたび,「スポーツ基本法の施行期日を定める政令(平23年政令第231号)」(以下「施行期日政令」という。)により,平成23年8月24日から施行されることとなりました。
  また,本法の施行に伴い,「スポーツ基本法施行令(平成23年政令第232号)」(以下「施行令」という。)及び「社会教育調査規則等の一部を改正する省令(平成23年文部科学省令第27号)」(以下「省令」という。)が同日から施行されることとなりました。
  法,施行令等の概要及び留意事項は,下記のとおりですので,各団体におかれては,これらを十分に御了知の上,法の定める趣旨に沿って,スポーツの推進を図ってくださるようお願いします。また,所属のスポーツ選手,スポーツの指導者等の関係者や傘下の関係団体等に対しても、この旨周知くださるようお願いします。
  なお,関係の法令,通知その他参考資料については,文部科学省のホームページに掲載しておりますので,御参照願います。

第1 法律等の概要

1 法の概要

(1) 前文

    新たに前文を設け,次のような本法制定の趣旨等を明らかにしたこと。

    ア スポーツは,世界共通の人類の文化であること,スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは全ての人々の権利であること,青少年の体力の向上や人格の形成への影響,地域の一体感や活力の醸成,健康で活力に満ちた長寿社会の実現,国民に誇りと喜び,夢と感動を与え,我が国社会の活力や国民経済の発展に広く寄与すること,国際的な交流や貢献を通じた国際的地位の向上など,国民生活における多面にわたるスポーツの果たす役割の重要性を規定したこと。

    イ 地域におけるスポーツの推進と優れたスポーツ選手の地域におけるスポーツの推進への寄与が,多様な主体の連携と協働による我が国のスポーツの発展を支える好循環をもたらすものであること。

    ウ スポーツ立国の実現を目指し,国家戦略として,スポーツに関する施策を総合的かつ計画的に推進するため,この法律を制定すること。

(2) 総則

    ア この法律は,スポーツに関し,基本理念を定め,並びに国及び地方公共団体の責務並びにスポーツ団体の努力等を明らかにするとともに,スポーツに関する施策の基本となる事項を定めることにより,スポーツに関する施策を総合的かつ計画的に推進し,もって国民の心身の健全な発達,明るく豊かな国民生活の形成,活力ある社会の実現及び国際社会の調和ある発展に寄与することを目的とすることとしたこと。(法第1条関係)

    イ 国,地方公共団体,スポーツ団体等の関係者が共有するスポーツの基本的な理念(以下「基本理念」という。)を新たに規定したこと。(法第2条関係)

    ウ 新たに国及び地方公共団体の責務を規定し,基本理念にのっとり,スポーツに関する施策の策定及び実施の責務を有することとしたこと。(法第3条及び第4条関係)

    エ スポーツ団体がスポーツの普及及び競技水準の向上に果たすべき重要な役割に鑑み,新たにスポーツ団体の努力を規定したこと。また,スポーツ団体は,スポーツの振興のための事業を適正に行うため,その運営の透明性の確保を図るとともに,その事業活動に関し自らが遵守すべき基準を作成するよう努めること,スポーツに関する紛争について,迅速かつ適正な解決に努めるものとしたこと。(法第5条関係)

    オ 国,地方公共団体及びスポーツ団体は,スポーツへの国民の参加及び支援を促進するよう努めることを規定したこと。スポーツの関係者は,基本理念の実現を図るため,相互に連携を図りながら協働するよう努めるものとしたこと。(法第6条及び第7条関係)

    カ 政府は,スポーツに関する施策を実施するため必要な法制上,財政上又は税制上の措置その他の措置を講じなければならないこととしたこと。(法第8条関係)

(3) スポーツ基本計画等

    ア スポーツ振興法(昭和36年法律第141号。以下「旧法」という。)と同様に,文部科学大臣は,スポーツに関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため,スポーツの推進に関する基本的な計画(以下「スポーツ基本計画」という。)を定めなければならないこととするとともに,その策定及び変更の手続を規定したこと。(法第9条関係)

    イ 旧法で策定が義務付けられていた地方自治体のスポーツの振興に関する計画については,スポーツ基本計画を参酌して,その地方の実情に即したスポーツの推進に関する計画(以下「地方スポーツ推進計画」という。)を定めるよう努めるものとしたこと。(法第10条関係)

(4) 基本的施策

    ア スポーツの推進のための基礎的条件の整備等として,指導者等の養成等,スポーツ施設の整備等,学校施設の利用,スポーツ事故の防止等,スポーツに関する紛争の迅速かつ適正な解決,スポーツに関する科学的研究の推進等,学校における体育の充実,スポーツ産業の事業者との連携等,スポーツに係る国際的な交流及び貢献の推進,顕彰の施策を定めることとしたこと。(法第11条から第20条まで関係)

    イ 多様なスポーツの機会の確保のための環境の整備として,地域におけるスポーツの振興のための事業への支援等,スポーツ行事の実施及び奨励,体育の日の行事,野外活動及びスポーツ・レクリエーション活動の普及奨励の施策を定めることとしたこと。(法第21条から第24条まで関係)

    ウ 競技水準の向上等として,優秀なスポーツ選手の育成等,国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会,国際競技大会の招致又は開催の支援等,企業,大学等によるスポーツへの支援,ドーピング防止活動の推進の施策を定めることとしたこと。(法第25条から第29条まで関係)

(5) スポーツの推進に係る体制の整備

    ア 政府は,スポーツに関する施策の総合的,一体的かつ効果的な推進を図るため,スポーツ推進会議を設け,文部科学省及び厚生労働省,経済産業省,国土交通省その他の関係行政機関相互の連絡調整を行うものとしたこと。(法第30条関係)

    イ 都道府県及び市町村に,地方スポーツ推進計画その他のスポーツの推進に関する重要事項を調査審議させるため,条例で定めるところにより,審議会その他の合議制の機関(以下「スポーツ推進審議会等」という。)を置くことができることとしたこと。(法第31条関係)

    ウ 市町村の教育委員会(特定地方公共団体にあっては,その長)は,当該市町村におけるスポーツの推進に係る体制の整備を図るため,社会的信望があり,スポーツに関する深い関心と理解を有し,及び職務を行うのに必要な熱意と能力を有する者の中から,スポーツ推進委員を委嘱するものとしたこと。旧法に定める体育指導委員の職務内容に「スポーツの推進のための事業の実施に係る連絡調整」が追加されたこと。(法第32条関係)  

(6) 国の補助等

    ア 国は,地方公共団体に対し,予算の範囲内において,政令で定めるところにより,次に掲げる経費について,その一部を補助することとしたこと。(法第33条第1項関係)

      (ア) 国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会の実施及び運営に要する経費であって,これらの開催地の都道府県において要するもの

      (イ) その他スポーツの推進のために地方公共団体が行う事業に要する経費であって特に必要と認められるもの

    イ 旧法と同様に,国による学校法人又はスポーツ団体に対する補助について規定したこと。(法第33条第2項及び第3項関係)

    ウ 旧法と同様に,地方公共団体は,スポーツ団体に対し,その行うスポーツの振興のための事業に関し必要な経費について,その一部を補助することができることとしたこと。(法第34条関係)

    エ 国又は地方公共団体が社会教育関係団体(社会教育法(昭和24年法律第207号)第10条に規定する社会教育関係団体をいう。)であるスポーツ団体に対し補助金を交付しようとする場合には,あらかじめ,国にあっては文部科学大臣が法第9条第2項の政令で定める審議会等の,地方公共団体にあっては教育委員会(特定地方公共団体におけるスポーツに関する事務(学校における体育に関する事務を除く。)に係る補助金の交付については,その長)がスポーツ推進審議会等その他の合議制の機関の意見を聴かなければならないこととしたこと。この意見を聴いた場合においては,社会教育法第13条の規定による意見を聴くことを要しないこととしたこと。(法第35条関係)  

(7) 施行期日等

    ア この法律は,公布の日(平成23年6月24日)から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしたこと。(法附則第1条関係)

    イ 政府は,スポーツに関する施策を総合的に推進するため,スポーツ庁及びスポーツに関する審議会等の設置等行政組織の在り方について,政府の行政改革の基本方針との整合性に配慮して検討を加え,その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすることとしたこと。(法附則第2条関係)

    ウ この法律の施行の際現に旧法第4条の規定により策定されている同条第1項に規定するスポーツの振興に関する基本的計画又は同条第3項に規定するスポーツの振興に関する計画は,それぞれ法第9条又は第10条の規定により策定されたスポーツ基本計画又は地方スポーツ推進計画とみなすこととしたこと。(法附則第3条関係)

    エ この法律の施行の際現に旧法第19条第1項の規定により委嘱されている体育指導委員は,法第32条第1項の規定により委嘱されたスポーツ推進委員とみなすこととしたこと。(法附則第4条関係)

2 施行期日政令の概要

法の施行期日は,平成23年8月24日とすることとしたこと。  

3 施行令の概要

(1)  審議会等で政令で定めるもの

    法第9条第2項の審議会等で政令で定めるものは,中央教育審議会とすることとしたこと。(施行令第1条関係)

(2) 法第33条第1項の規定により国が補助する経費の範囲及び補助額

    ア 法第33条第1項第1号に掲げる経費について同項の規定により国が補助する場合の経費の範囲は,開催地の都道府県において要する国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会の実施及び運営に直接必要な経費とし,当該経費に係る補助の額は,国民体育大会に係るものにあっては文部科学大臣が,全国障害者スポーツ大会に係るものにあっては厚生労働大臣が,それぞれ定めるものとしたこと。(施行令第2条第1項関係)

    イ 法第33条第1項第2号に掲げる経費について同項の規定により国が補助する場合の経費の範囲は,都道府県が行う全国的な規模のスポーツ事業その他スポーツの推進のために地方公共団体が行う事業に必要な審判員の謝金及び旅費,通信運搬費その他の当該事業の実施に直接必要な経費とし,当該経費に係る補助の額は,文部科学大臣が定めるものとしたこと。(施行令第2条第2項関係)

(3) 施行期日

    この政令は,法の施行の日(平成23年8月24日)から施行することとしたこと。(施行令附則第1項関係)

4 省令の概要

(1) 概要

    法の施行に伴い,関係省令の規定を整理したこと。

(2) 施行期日

    この省令は,法の施行の日(平成23年8月24日)から施行することとしたこと。

第2 留意事項

1 基本理念について

法第2条に規定する基本理念は,国,独立行政法人,地方公共団体,学校,スポーツ団体及び民間事業者その他の関係者に共通するものとして定められていること。

2 スポーツ団体について

法第2条第2項に規定する「スポーツ団体」とは,「スポーツの振興のための事業を行うことを主たる目的とする団体」を指し,地域スポーツクラブ,競技団体等各種の団体を含むこと。

スポーツ団体は,法第5条第2項に規定する「事業活動に関し自らが遵守すべき基準」を作成した場合には,それを公表するように努めること。

また,同条第3項に規定する「スポーツに関する紛争について,迅速かつ適正な解決に努めるものとする」とは,スポーツ団体が自ら解決に努めるとともに,仲裁又は調停に応ずるように努めることを含むものであること。

3 障害者への配慮について

法第2条第5項において,基本理念として,スポーツの推進の観点から障害者に必要な配慮を行うこととされていることを踏まえ,各地方公共団体及び関係機関におかれては,障害者と健常者が共にスポーツに親しむことのできる環境等の整備に努めること。

4 スポーツ基本計画について

文部科学省では,平成24年度からスポーツ基本計画を実施できるよう策定を進める予定であること。

5 地方スポーツ推進計画について

地方スポーツ推進計画については,旧法で策定が義務付けされ,策定の手続も定められていたが,地方公共団体の自主的・主体的な判断を尊重する地方分権の観点から,法では策定を努力義務とし,手続が廃止されたこと。これを踏まえ,計画の策定及びその手続については,スポーツ基本計画を参酌して,地方の実情に即して検討すること。

なお,法施行の際現に旧法第4条の規定により策定されている同条第3項に規定するスポーツの振興に関する計画については,法附則第3条により,法第10条の規定により策定された地方スポーツ推進計画とみなされることに留意すること。

6 基本的施策について

基本的施策のうち国が主体となる施策について,今日的課題等へ対応するという観点から,旧法では定められていなかった,スポーツに関する紛争の迅速かつ適正な解決(法第15条),学校における体育の充実(法第17条),スポーツ産業の事業者との連携等(法第18条),優秀なスポーツ選手の育成等(法第25条),国際競技大会の招致又は開催の支援等(法第27条第1項),企業,大学等によるスポーツへの支援(法第28条),ドーピング防止活動の推進(法第29条)等が新たに定められていること。

また,基本的施策のうち地方公共団体が主体となる施策は努力義務とされているが,これは地方公共団体の自主的・主体的な判断を尊重する地方分権の観点から,地方の実情に即して施策を講じていただく趣旨であること。

7 地域におけるスポーツの振興のための事業への支援等について

法第21条に定める「住民が主体的に運営するスポーツ団体(地域スポーツクラブ)」は,いわゆる総合型地域スポーツクラブのほか,住民が主体的に運営するものであれば,単一種目のスポーツクラブも含むこと。

8 スポーツ推進審議会等について

 旧法第18条では,都道府県におけるスポーツ振興審議会等は必置の機関とされていたが,法第31条では,都道府県・市町村ともに,「スポーツ推進審議会等」は任意に設置される機関とされており,実際の設置に当たっては,条例で定めるところにより,所掌,組織,手続等について,各地方公共団体の実情に即して判断すること。

なお,同条に規定する「スポーツ推進審議会等」の名称は合議制の機関の略称として使用している例示であることから,各地方公共団体において,所掌事務等に即して適切な名称とすること。

また,「スポーツ推進審議会等」は任意に設置される機関であるが,設置する際の条例等の整備については,法律に基づいた機関として実際に調査審議を開始するまでに整備をしておくことが必要であること。

9 スポーツ推進委員について

旧法第19条に定める市町村が委嘱する「体育指導委員」の役割は,近年,スポーツの実技の指導その他スポーツに関する指導及び助言のみならず,スポーツの推進のための事業の実施に係る連絡調整としての役割が重要性を増していることから,法第32条では,こうした職務が規定上追加されるとともに,当該職務をより適切に表す観点から,「スポーツ推進委員」に名称を変更したものであること。

なお,法附則第4条の規定に基づき,法施行の際現に旧法第19条第1項の規定により委嘱されている体育指導委員は,法第32条第1項の規定により委嘱されたスポーツ推進委員とみなされるが,施行後に初めてスポーツ推進委員を委嘱する際は、その前に各地方公共団体の条例・規則等の整備を行う必要があること。

10 スポーツ団体に対する補助金の交付について

法第35条に規定する「スポーツ推進審議会等その他の合議制の機関」における「その他の合議制の機関」とは,例えば,「スポーツ推進審議会等」を設置しないこととする場合に,生涯学習審議会等が考えられること。

(参考)文部科学省ホームページ

スポーツ基本法

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(スポーツ・青少年局スポーツ・青少年企画課)

-- 登録:平成23年08月 --