総合型地域スポーツクラブ育成マニュアル 3-4 クラブ何でも相談室

Q7 総合型地域スポーツクラブのエリアは、どの程度が適当でしょうか。

 A 学校区などの行政区割りは、行政上の効果や効率を考えて設定されていますので、クラブの地域的な範囲を考える参考になるでしょう。そうするとおおむね1万人から2万人程度の住民を会員の対象にしたクラブを想定することになるでしょう。
 しかし、単純に学校区などの行政上の区割りを当てはめるのではなく、あくまで拠点となる施設を中心として、会員が徒歩や自転車で日常的に無理なく通える範囲を考えることが大切です。範囲が狭すぎると会員の対象人口が少なく、会費収入を中心とした恒常的な自主運営が難しくなることが考えられますが、逆に範囲を広くしすぎると、会員の対象人口は多くなり、一人あたりの会費が廉価に押さえられ、徴収が楽になる反面、日常的に会員が交流することが難しくなり、活動内容もプログラムの提供に終始してしまうおそれがあります。
 文部科学省のスポーツ振興基本計画では、将来的には中学校区程度の地域での総合型地域スポーツクラブの定着を最終目標に掲げていますが、地域の実情に応じ、永続的なクラブとなり、かつ会員が帰属意識を持てるようなクラブのエリアを検討しましょう。

Q8 総合型地域スポーツクラブの拠点施設として必要な機能は何でしょうか。

 A 総合型地域スポーツクラブは、様々な人々が集う空間です。それは拠点施設としてハードがつくり出す空間ではありますが、住民のスポーツ欲求を満たすスポーツ事業が展開される空間であり、また、地域の様々な人々のコミュニケーション空間でもあります。さらに、現在総合型地域スポーツクラブに入っていない地域住民に対し、クラブについての情報を発信する場でもあります。このように考えると、クラブの拠点施設には地域のコミュニティセンター的な多様な機能が期待されることになります。
 拠点施設の機能を大別すると、1.スポーツ活動を充足する機能、2.地域住民のコミュニケーションを充足する機能、そして施設の将来的発展を考えると、3.住民の生涯学習を保証する機能が考えられます。1.については屋外・屋内の多様なスポーツ種目ができるスポーツ施設があることが望まれます。2.の機能を充足するクラブハウスは人々が交流する空間として必須なものですし、できればゆったりしたオープンスペースも取りたいものです。さらに、総合型地域スポーツクラブがコミュニティセンター的な機能を発揮しようという意志があり、そして会員がスポーツ以外の文化的活動にも関心があるのであれば、学習室や調理室など生涯学習の機能も必要になってくるでしょう。
 なお、クラブハウスには、クラブ経営の拠点としての機能やクラブの情報の発信・集約拠点としての機能も望まれます。

お問合せ先

スポーツ・青少年局生涯スポーツ課

(スポーツ・青少年局生涯スポーツ課)

-- 登録:平成21年以前 --