海外では、地域住民がクラブを結成して大学のスポーツ施設を定期的に利用するという例は数多くみられます。
ここでは、早稲田大学のスポーツ施設を活動拠点とした総合型地域スポーツクラブ育成の事例を紹介します。
平成12年2月、それ以前に実施していたスポーツ・フィットネスプログラム(教室)をきっかけにして、市行政と連携し、文部科学省の育成モデル事業の指定を受け、クラブを結成した。
クラブは、会員に対して日常生活の中で自発的に運動やスポーツを楽しむ場を提供するとともに、会員相互の親睦を図り、ひいては広く所沢市におけるスポーツの振興と地域社会における健康で明るく豊かな生活の実現に貢献することを目的とする。
個人会員:2,000円、家族会員:4,000円(ほかに種目別活動参加費が必要)
〈平成12年9月現在〉( )内は活動曜日
合計 1,244名
その他、平成12年度の事業としては、
設立記念講演会、健康体力相談・測定事業、第1回スポーツフェスティバル、シンポジウム、総会、調査研究事業などが計画されている。
会長、副会長、監査、運営委員会(委員長・副委員長の外、総務・広報、企画・財務、指導者、青少年の各専門部を担当する委員で構成:18名)
11名(うち4名はクラブ員以外)
大学スポーツ施設、地区体育館(公民館併設)
種目別活動の拡大、及びクラブハウスの建設やNPO法人格の取得
大学のスポーツ施設の活用と大学教員がクラブの立ち上げのキーパーソンとなっているところです。大学では地域の行事の際に、施設を貸し出すことや公開講座などの単発的なプログラムを提供することは、近年盛んに行われるようになってきましたが、これまでクラブの活動の拠点として、地域と継続した関係を作ろうとしている例はみられませんでした。
また、この大学ではスポーツ科学科という専門学科の強みを生かして総合型地域スポーツクラブ育成に取り組んでいます。
現在はクラブを立ち上げたばかりであるということもあって、大学の教員が中心的な役割を担っていますが、今後は会員を中心とした運営に移行していく必要があるでしょう。 活動施設についても、授業や部活動との関係で大学の施設だけでは活動に制限があるので、地域のスポーツ施設や学校体育施設などの利用について、協力の輪を広げていくことも必要でしょう。また、種目によっては子どもたちが参加できないような時間帯の活動もあるので、活動時間帯の拡大や地域住民のニーズに対応した種目の拡大についての検討も必要でしょう。
スポーツ・青少年局生涯スポーツ課
-- 登録:平成21年以前 --