平成18年度における司書養成に関する議論のまとめ(平成19年3月)

これからの図書館の在り方検討協力者会議(平成19年3月)

1 司書養成のカリキュラムに関する今後の検討課題

   本協力者会議は、平成18年7月の設置以降これまでに7回開催し、主に大学における司書養成及び司書講習の在り方について、委員及び図書館関係者、大学関係者より意見を聴取するとともに、意見交換を行ってきた。
 その中で、司書養成の在り方に関する様々な意見(別紙参照)が出されたが、本協力者会議における検討課題としている司書養成のカリキュラムに関し、今後検討が必要と考えられる事項は以下の通りである。
 なお、本協力者会議でのもう一つの検討課題である図書館職員のキャリアアップ等、研修の在り方に関する意見については、別途整理し、示すこととする。

1. 大学における図書館に関する科目について
 
(1) 「大学における図書館に関する科目」を定める必要性
(2) 司書養成の段階で、最低限、どのような内容をどのレベルまで学習するのか。
1  「ねらい・内容」「単位数」の設定
2  (現行司書講習科目に)新たに加える科目、単位数等について
 
図書館に関わる基礎的な知識を学習するための科目の新設について
図書館実習科目の、選択科目としての新設について
専門科目の新設について
(3) 司書講習との関係について

2. 司書講習科目について
 
 
1  司書講習を継続して実施する意義について
2  現行科目の「ねらい・内容」「単位数」の見直し
3  新たに加える科目、単位数等について
図書館に関わる基礎的な知識を学習するための科目の新設について
図書館実習科目の、選択科目としての新設について
専門科目の新設について
4  実務経験に基づく科目免除について

2 司書課程、司書講習の科目等に関する今後の検討の方向性

1. 「大学における図書館に関する科目」に関する検討の方向性

 
(1) 「大学における図書館に関する科目」を定める必要性について
 現行の司書課程の科目は、司書講習科目に対応して開設されているため、大学教育として位置づけられているとは言えない。
 司書講習科目は、専門的職員を養成する上で、単位数・内容のいずれにおいても不足している部分がある。
 社会教育主事、学芸員の場合は、大学で修得すべき科目が省令で規定されているが、司書では規定されておらず、社会教育における専門的職員としてバランスを欠く。

(2) 司書養成の段階で、最低限、どのような内容をどのレベルまで学習するのか
 科目と単位数を明確に示すべきである。
 キャリア形成のどの時点で、どのレベルまで学習するのかを明確にし、養成段階と、より上のプログラムを区別することが必要である。
 司書養成の段階では、必要な知識や技術は漏れなく、体系的、総合的に学習する必要がある。
 養成段階では、基礎的・理論的な教育をしっかり行うことが必要である。司書としての基本的な考え方の十分な理解を図ることにより、現場で役立つ人材が養成できる。
 時代に合った養成カリキュラムにしなければならない。

(3) 司書課程と司書講習との関係について
 同じ資格である以上、科目はおおむね同一であるべきではないか。単位数についても、講習の受講者を現職者に限定する場合以外は、大きな差があることは考えられない。
 司書課程を、現行の司書講習よりも多くの科目と単位数とし、かつ司書講習もそれに近い科目・単位数とする場合、司書講習の負担が増えることとなる。その点をどう解決するか。
 今後、大学における養成を基本とし、司書講習でもおおむね同等の単位数を必要とするならば、司書講習では、実務経験によって講習科目の免除を行うことも考えられる。
 司書課程で取得する資格と、司書講習で取得する資格で、差別化を図ることも考えられる。

2. 司書講習の科目に関する検討の方向性

   当面「ねらい・内容」の検討と修正が必要である。「ねらい・内容」の修正で対応できない場合は、科目を修正する。
 現行の時間、単位数では、即戦力となる人を育成するのが困難であるため、充実する必要がある。

(生涯学習政策局社会教育課)


 

-- 登録:平成21年以前 --