家庭地域連携促進事業(群馬県)

家庭地域連携促進事業

1  自治体・団体名: 群馬県,群馬県教育委員会

2  自治体・団体の概要
 群馬県教育委員会では,教育に寄せる県民の期待に応えるため,平成18年度,「群馬の未来を担う人づくり」を目標に掲げ,「基礎・基本を習得させる教育の徹底」「豊かな人間性と社会性の育成」「個性や能力に応じた教育の推進」「学校・家庭・地域の連携の強化」「生涯学習・社会教育の充実」「文化・スポーツの振興」の6つを柱とし,教育行政を推進している。
 また,平成11年に「ぐんま天文台」を,平成17年に「ぐんま昆虫の森」を建設,整備し,子どもと大人が共に宇宙や地球,生きた昆虫の姿に直接触れ合い,生命の大切さや自然への理解と共感する心を育む機会も提供している。

3  地域の特徴
 本県は,日本列島のほぼ中央にあって,県西・県北の県境には山々が連なり,南東部には関東平野が開ける内陸県である。人口は約200万人,面積は6,363平方キロメートル,2,000メートル級の山岳,尾瀬などの湿原,多くの湖沼,吾妻峡を始めとする渓谷や利根の清流など,変化に富む美しい大自然にめぐまれている。
 地形は「上毛かるた」に「つる舞う形の群馬県」と謳われるように空に舞う「鶴」の形によく似ている。

4  連携の取組状況
1  連携にいたるまでの経緯等
 近年の都市化や核家族化,少子高齢化,地域的なつながりの希薄化,親のライフスタイルの変化等により,家庭の教育力の低下が指摘されている。しかしながら,家庭教育はあくまで私的領域であるため行政の支援には限界があり,地域やPTAを始めとする社会教育関係団体等との連携が不可欠である。
 そこで,平成17年度から,NPO法人や地域活動団体等の持っている「柔軟性」・「活力」を活かした家庭教育支援事業として「家庭地域連携促進事業」を実施することとした。

2  連携した取組の具体的内容・方法・実施状況
 企業や地域の団体が主体となって実施する家庭教育支援等の事業企画を募集し,選定したものを県からの委託事業として実施する。
募集団体
県内の企業,NPO法人,ボランティア団体,地域活動団体等
募集する事業の種類
団体が初めて取り組む,次のいずれかにあてはまるものとする。
地域の子育て支援
父親の家庭教育参加
家庭教育に無関心な親へのアプローチ
委託料
1団体につき300千円以内(平成17年度は500千円以内)
委託期間
平成18年8月1日から平成19年2月15日まで
選定方法
選定委員会において,応募書類の審査及び面接により,事業の採否を決定する。
平成18年度 実施事業一覧
ナンバー 事業名 内容
1 通学合宿「よかんべえ合宿」
通常どおり学校に通学しながら,炊事・洗濯・掃除等を分担し,集団宿泊生活を行う。
2 家族でつくる 楽しい朝食
学校栄養士の指導のもと,基本食について学習,実習及び後片づけについて学ぶ
3 肢体不自由児と健常児のふれあいカヌー大会
カヌーを通した,肢体不自由児と健常者の交流
4 多那朝霧の会
親子でペットボトルのロケット作り
地域のお年寄りとの交流事業
5 お母さんの休日,お父さんがんばって!
母親が手芸教室の間,父親と子どもは簡単な昼食作り。その後,参加者全員で会食。
6 乳幼児・児童を持つパパとママの家庭教育講座
講演会「一生の幸福の鍵」
講演会「パパだからできる「キャリア教育」」
7 よしい父親クラブ
親子で木工作品作り
焼き物体験
8 サロン型家庭教育学習プログラム
月1回程度サロンを開放し,各回ごとにテーマを設定し,学習支援者が学びを提供(6回)
9 不登校・ひきこもりの親子コミュニケーション講座
コミュニケーションスキルトレーニング講習会
不登校・ひきこもりを理解してもらうための講演会 等
10 早起き早寝の生活リズムで楽しい子育て基礎講座
講演会「早起き早寝で生活リズムの見直しを」
講座「わらべうたあそびで楽しい子育て」

平成17年度 実施事業一覧(参考)
ナンバー 事業名 内容
1 炭焼き体験教室
炭焼き体験
昔の遊び「突き鉄砲作り・竹とんぼ作り」
2 家庭教育基本講座
講演「子育ては自分育て,そして夫婦育て」
気持ちのキャッチボール みんなで遊ぼう ほか
3 『絵本の読み聞かせ』による子育て支援in吉井
『絵本の読み聞かせ』による子育て支援
4 初めての子育て支援体験事業
子育て支援ボランティア希望者を対象とした講習及び実習
5 障害児とその家族への支援
障害児の余暇活動支援事業
自立支援一泊キャンプ
6 家族の触れあい絆づくり
講演「たくさんの積み木で家族で遊ぶ」
 「児童文学のなかの子ども像を学ぶ」ほか
7 子どもによる「読み聞かせ隊」スリーエン活動
「読み聞かせ隊」(小学3年生~大学生)による保育園等での読み聞かせ会の実施
読み聞かせ講演会
8 新たな家庭教育施策に関するアンケート調査
新たな家庭教育施策に関するアンケート調査の実施(調査対象800人,回収率54.5パーセント)
9 子育て安全安心マップ ワークショップ
基調講演「みんなで子育て,安全安心な地域づくりを」
タウンウォッチング・ヒアリング調査,マップ作成,発表会

 地域で子どもを育てるという気運の醸成,新たな実施団体の発掘の観点から,受託団体の継続事業ではなく,初めて取り組む事業のみを対象とした。
 また,受託団体の選定にあたっては,事業に対する熱意や県の事業としての適否,事業を適切に実施できる団体であるかなど,書類審査だけでは判断が難しい面もあるため,面接も取り入れた。

3  連携した取組の成果
 各受託団体が,その特徴や利点を活かし,地域や学校と連携し事業を実施した。本事業をきっかけとし,地域での子育て支援や家庭教育支援事業に取り組んだ団体もあり,地域で子どもを育てるという気運の醸成が図られるとともに自ら事業を企画・立案,運営することで団体のスキルアップや活性化にもつながっている。

4  連携した取組の課題
 活動資金の工面に苦慮している団体も多く,委託期間終了後,活動を継続していくことが難しい団体もある。

5  今後の方向性や展望
 親と子,特に父親と子どもが一緒に体験することは,望ましい親子関係の形成に有効であり,今後は,地元企業と連携した体験活動を考えていきたい。

6  担当者連絡先
  群馬県教育委員会生涯学習課
〒371-8570
 群馬県前橋市大手町1-1-1
   TEL  027-226-4666
 FAX  027-224-8780

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