子ども総合相談センターの開設
1 | 自治体・団体名: | 京都府舞鶴市,舞鶴市教育委員会 |
2 | 自治体・団体の概要 舞鶴市は,京都府の北部に位置しており,東側・西側・南側の三方は山に囲まれ,北側は若狭湾に面している。 明治34年に東郷平八郎を初代長官とする「舞鶴海軍鎮守府」が開設され,その後軍港として発展してきた東舞鶴市と,戦国時代,歌人でもあった細川幽斉(細川ガラシャの義父)が5百の兵で,1万5千ともいわれる敵兵に城を囲まれながら,50日間耐えぬいた「田辺城篭城戦」で知られる田辺藩の城下町として栄えてきた旧舞鶴市が昭和18年に合併し誕生した市である。
戦後は,海外からの引き揚げ港として,昭和20年から13年間にわたり,66万余人を迎え入れ,歌謡曲「岸壁の母」で知られたところである。 市の産業は,板ガラスや造船などの製造業が中心で,農業関係は,森林面積が市面積の約8割を占め農地が少ないため,米作を中心とした零細農家が大半である。 また,本市には海上自衛隊の舞鶴地方総監部があり,自衛隊関係者は約3千5百人を数える。 |
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3 | 地域の特徴 本市では,少子化や核家族化などが進み,子育ての対する負担や悩みが広がる中,子どもを安心して産み育てられる環境づくりを目指し,教育委員会と福祉部局にまたがる児童福祉,教育関連の業務を一体的に取り組むため,平成15年度に教育委員会に「子育て支援課」を新設した。 子育て支援課の新設に伴い,それまで,福祉部局で対応していた家庭児童相談,教育委員会で対応していた教育相談,そして,少年補導センターで対応していた非行問題等の相談窓口を一元化し,市民にわかりやすく,子どものことは何でも相談できる相談窓口として「子ども総合相談センター」を同じ平成15年度に開設した。所管部局は教育委員会である。 相談員には,教職員のOBなどの経験豊かな教育の専門家を配置し,子育てや教育など,乳幼児から18歳までの一貫した相談に対応しているほか,医療相談や育児相談については,医師や保健師が定められた相談日に,面談や電話での相談に応じている。 また,土曜日・日曜日・祝日・夜間については,留守番電話とFAXで受け付け,後日相談センターから連絡する体制をとっている。
窓口の一元化により,相談内容も種々にわたり多様化するとともに,要因も複雑に絡み合ったケースが多くなってきた。 こうしたことから,市の福祉部局や学校現場,また関係機関との連携をより密接にし,各種支援制度の熟知に努め,様々な相談に対応しているとともに,相談員はお互いに研鑚,研修に努め資質の向上を図っている。 被相談者としては小学生が一番多く,次いで中学生,乳幼児,高校生の順となっている。また,当センターの所管が教育委員会であるためか,現在のところ学校現場からの相談が一番多い。 ケースによっては,関係する機関や団体の担当者によるケース会議を開催し,情報を共有するとともに,その対応策を協議検討し問題解決にあたっている。 16年度の相談件数が15年度に比べ半減したのは,不登校児童・生徒の社会的自立と学校復帰を支援する施設として,教育支援センター「明日葉」が16年度に開設され,学校復帰に向けた本人や保護者との話し合いや聞き取り,また,学校と連携した家庭訪問や学習指導が必要とされる相談が「明日葉」へ移行したためである。 しかし,不登校に関わる初期相談や保護者の養育怠慢,拒否などに起因する相談は,依然として多い。 18年度の相談件数は,前年度を上回るペースで推移しており,特に児童虐待に関する相談が社会の関心の高まりの中で増加している。 |
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4 | 児童虐待防止ネットワーク会議 児童虐待に関しては,平成16年度に府の児童相談所や保健所,また児童養護施設などで構成する「舞鶴市児童虐待防止ネットワーク会議」を設置し,児童虐待の未然防止,早期発見,早期対応に努めている。事務局は子ども総合相談センターが担当している。 このネットワーク会議は,年1~2回の代表者会議,毎月1回開催している幹事会(実務者会議),必要により開催するケース会議から成り立っており,幹事会は,府の児童相談所,保健所,児童家庭支援センター,市の保健センター,そして,子ども総合相談センターで構成している。 毎月の幹事会では,それぞれの機関が把握したケースを検討のうえ,虐待ケースとして進行管理するか否かの決定をするとともに,そのケースの危険度の判定を行うほか,進行管理している個々のケースについて,関係機関の援助の経過や対応状況などの情報交換を行い,次の段階の支援方法等を協議検討している。 1月末現在で,幹事会として進行管理している虐待ケースは36ケースであり,その内訳は,身体的虐待が18ケース,ネグレクトによるものが12ケース,心理的虐待が3ケース,性的虐待が3ケースとなっている。 また,緊急を要するケースについては,市の関係部局や関係機関の担当者を事務局が召集し,ケース会議を開催しており,そのケース会議では,それぞれの機関の担当分野における介入方法や支援方法等を協議検討し,そのケースにたいする支援策を決定している。
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5 | 今後の方向性や展望 子どもに関わる相談窓口を一元化したことにより,市民にはわかりやすく,相談しやすい体制となったが,あらゆる相談に対応するためには,個々の相談員が,各種の支援制度をさらに熟知するとともに,より高度な相談技術の習得に努め,専門性を高めることが重要であると考えている。当センターとしては,今後もさらに市の関係部局や関係機関・団体との連携を強化し,地域に密着した子どもに関わる総合的な相談窓口として,その機能の充実に努めていきたい。 |
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6 | 担当者連絡先 舞鶴市教育委員会子育て支援課 高宮 保 〒625-8555 京都府舞鶴市字北吸1044番地
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参考資料(PDF:328KB) |
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