近年、少子化に伴う児童生徒数の減少等により、学校施設において、クラスルーム等の普通教室としての利用以外にも様々な用途に活用できるゆとりが生じたり、学区の整理統合により廃校となる学校施設が発生したりしています。
特に学校施設は、地域住民にとっては身近な公共施設でもあることから、学校教育に支障がない範囲内で、地域の実情や需要に応じて積極的に活用していくことが望ましいと考えられます。
文部科学省では、学校施設が有効に活用されるために、学校施設の転用手続の弾力化や簡素化を図りつつ、全国での活用事例を紹介して情報発信を行うなど、転用ができるだけスムーズに進められるような環境を整えています。
余裕教室とは、児童生徒数の減少等により、既存の教室数と比較して学級数が減少し、将来とも恒久的に余裕となると見込まれる教室のことをいいます。
平成21年度の調査によると、余裕教室の活用状況については、60,547教室(総数61,102教室のうち約99%の活用率)が学校施設を始め、何らかの用途に活用されております。
活用用途については、学校施設として活用されているのは57,111教室(活用教室数の94.3%)であり、学習方法・指導方法の多様化に対応したスペース、特別教室等の学習スペース等の学校施設へ活用されております。
また、3,436教室(活用教室数の5.7%)については、社会教育施設や放課後子ども教室、保育所等、学校以外の施設へ転用されており、地域の実情やニーズに応じた活用が図られています。
廃校は、地域の児童生徒数が減少することにより、ある学校が他の学校と統合されたり、又は廃止されたりすることにより生じ、学校としては使わなくなることをいいます。
児童生徒数が減少する原因には、少子化を背景として、過疎化による場合だけでなく、都市部での住宅の郊外移転や、人口における高齢者の割合が相対的に高くなったためなど、様々な地域の状況があります。
学校施設は、地域住民にとっての身近な公共施設であり、またその校舎などは地域のシンボル的な存在である場合も多く、廃校となった後もできるだけ地域コミュニティの拠点として活かすことが重要であると考えます。
直近の調査の結果、平成23年5月1日現在で、平成14年度以降の廃校については、建物が現存するもののうち、約70%が活用されていると報告されています。
活用用途としては、社会教育施設や社会体育施設の割合が高くなっていますが、自然体験交流施設や老人福祉施設など様々な施設として活用されています。
また、最近では地方公共団体と民間事業者とが連携し、創業支援のためのオフィスや地元特産品の加工会社の工場として廃校施設が活用されるなど、地域資源を活かし、地域経済の活性化につながるような活用もみられます。
上記のように、余裕教室や廃校施設の多くは、地方公共団体や地域住民の創意工夫により様々な施設へ転用され活用されています。 文部科学省では、こうした有効活用をより一層促進する観点から、次のことに取り組んでいます。
本来、国庫補助金により整備された学校施設を学校教育以外の施設に転用する場合には、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」の規定により、当該施設を所管する地方公共団体は、文部科学大臣の承認を経た上で、国庫補助額を国に納付する転用手続(「財産処分手続」)が必要となります。
ただし、文部科学省においては、余裕教室や廃校施設の一層の有効活用を促進するため、一定の要件を満たせば、国庫納付を要さず、報告書の提出をもって手続が済む簡素な取扱いにするなど、転用手続の弾力化・簡素化を図っており、施設の転用ができるだけ円滑に進む仕組みにしています。
(参照:公立学校施設整備補助金等に係る財産処分手続の概要について)
余裕教室や廃校施設の活用を検討する際の参考とするため、活用状況の実態調査を行い、各種事例集・パンフレットを作成しています。
○調査研究
「廃校実施の実態及び有効活用状況等調査研究報告書(平成15年4月)」
○事例集・パンフレット
○参考
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