1.第7回ものづくり日本大賞の受賞者について
都道府県・政令指定都市教育委員会から推薦された生徒及び学校について、文部科学省に設置した「ものづくり日本大賞青少年部門選考委員会(高等学校・中学校等クラス)及び青少年支援部門選考委員会」(注1)にて審査が行われました。
「青少年部門」においては、全国のものづくりに関する競技大会等において文部科学大臣賞等を受賞した中学生・高校生の中から、特に優れた成果を収めた個人・団体のうち、応募のあった13件を審査した結果、愛媛県立東予高等学校卒業(現株式会社シマブンコーポレーション勤務)の髙橋真也さんに決定しました。
また、「青少年支援部門」においては、ものづくり人材育成に大きな貢献があった学校(中学校、高等学校、中等教育学校)のうち、応募のあった9校を審査した結果、福岡県立福岡工業高等学校及び七宗町立神渕中学校(岐阜県)に決定しました。
●ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞
部門 |
選考方法 |
今回受賞者 |
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ものづくりの将来を担う高度な技術・技能 (青少年部門) |
「文部科学大臣賞」等の受賞者のうち特に優れた学生・生徒の個人又は団体を選考 |
髙橋 真也 愛媛県立東予高等学校卒業 (現株式会社シマブンコーポレーション勤務) |
〈概要〉
受賞者はものづくりの全国的な競技大会である「高校生ものづくりコンテスト」及び「若年者ものづくり競技大会」の旋盤部門において、同一年度に2大会制覇を成し遂げた。
両大会の旋盤部門は課題も異なり、100分の1ミリメートルの寸法精度、仕上げ面粗さ、ねじのはめあい、作品の完成度など、精密で高度な技術が求められる。
受賞者は高校3年間、機械部に所属し、部長としてリーダーシップを発揮するとともに、人一倍の努力と練習を積み重ねることで旋盤作業における幅広い知識と高度な技術・技能、忍耐力、創造力等を身に付けており、将来のものづくりを担う人材として今後の活躍が大いに期待される。
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大会時における受賞者の様子 |
●ものづくり日本大賞文部科学大臣賞
部門 |
選考方法 |
今回受賞者 |
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ものづくりの将来を担う高度な技術・技能(青少年支援部門) |
ものづくり人材育成への貢献度を基準に、特に優秀な功績を収めた学校を選考 |
福岡県立福岡工業高等学校
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〈概要〉
--福岡県立福岡工業高等学校--
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パテントの考案に向けた学習 |
企業と共同開発した「PICA Tower」 |
機械工学科における実習の様子 |
(学校のものづくり人材育成に向けた特色ある取組)
○知的財産教育を機軸としたものづくり人材育成
工業技術者に必要な専門知識やものづくりの技術・技能に加えて、発想力や創造力を高める教育にも積極的に取り組んでおり、知的財産教育を機軸としたものづくり人材育成を継続して行っている。
1 各学科の特色を生かしたものづくり教育
2 発想力教育(ものづくりと連携したパテントの考案)
3 起業教育(企業等と連携し、製作から販売までを見据えたビジネスプランの考案)
4 知的財産教育(知的財産教育推進委員会の設置、外部人材を活用した知的財産権制度の学習)
(取組を通して得られた具体的な成果)
○パテントコンテストに7名入賞
○過去5年間で6名が特許取得
○平成28年度文部科学省 科学技術・学術政策局長賞受賞
○平成26年度第2回高校生ビジネスプラン・グランプリ優秀賞
--七宗町立神渕中学校--
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木工チャレンジコンテストでの様子 |
ものづくり(バッグ)部の活動の様子 |
ものづくり(お弁当)部の活動の様子(地域の方と) |
(学校のものづくり人材育成に向けた特色ある取組)
○地域と一体となったものづくり人材の育成
当該中学校は、岐阜県の山間部に位置する全校生徒37名の小規模校である。古くから木工業が盛んである地域の特色を生かし、地域と連携したものづくり人材育成を長年にわたり行ってきた。
1 「ものづくり部」の活動
木工、ロボコン、弁当、バッグの中から希望する種目を選び、部活動として多くの生徒がものづくりに取り組んでいる。
2 各種ものづくりコンテストなどへの挑戦
3 「ものづくり」を通して心を育てる取組
あきらめない心、丁寧に取り組む心、感謝する心を育てることを大切にしている。
4 地域との連携
地域の専門家や保護者、卒業生と連携した指導体制を構築し、地域と一体となって生徒のものづくり活動を支援している。
(取組を通して得られた具体的な成果)
○全国中学生創造ものづくり教育フェアにおける活躍
・木工チャレンジコンテスト
文部科学大臣奨励賞1回、厚生労働大臣賞2回、林野庁長官賞3回等
・創造アイデアロボットコンテスト
準優勝1回、3位3回等
・「豊かな生活を創るアイデアバッグ」コンクール
日本家庭科教育学会長賞
○多くの卒業生が高校進学後、ものづくり分野で活躍
(注1)
青少年部門選考委員会(高等学校・中学校等クラス)
五十音順、敬称略、所属は当時のもの(○:座長)
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奥嶋 建城 |
一般財団法人澁谷ものづくり人材育成研究所代表理事 |
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小栁 栄次 |
株式会社移動ロボット研究所 代表取締役 |
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鈴木 尚美 |
一般財団法人家庭クラブ 理事長 |
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細田 保弘 |
ものつくり大学 名誉教授 |
○ |
渡辺 勉 |
日本工業大学工業教育研究所所長 |
青少年支援部門選考委員会
五十音順、敬称略、所属は当時のもの(○:座長)
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後藤 博史 |
全国工業高等学校長協会理事長(神奈川県立神奈川工業高等学校長) |
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鈴木 敏恵 |
シンクタンク未来教育ビジョン代表 |
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諏訪 貴子 |
ダイヤ精機株式会社 代表取締役 |
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田極 政一郎 |
全日本中学校技術・家庭科研究会会長(武蔵野市立第六中学校長) |
○ |
丸山 俊夫 |
東京工業大学副学長 |
2.表彰式について
平成30年1月22日(月曜日)に、総理大臣官邸にて「第7回ものづくり日本大賞内閣総理大臣表彰式及び祝賀会」が開催され、24件71名が表彰されました。
「青少年部門」を受賞した髙橋真也さんにも、表彰状及びメダルが授与されました。
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総理、文部科学大臣と受賞者 |
また、平成30年2月23日(金曜日)に、「青少年支援部門」(文部科学大臣賞)を受賞した福岡県立福岡工業高等学校及び七宗町立神渕中学校(岐阜県)に対して、白間大臣官房審議官から平野 孝幸 校長(福岡県立福岡工業高等学校)及び山本 峰明 校長(七宗町立神渕中学校)へ表彰状及びメダルが授与されました。
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(左から)平野校長、白間審議官 |
(左から)山本校長、白間審議官 |
(代表)03-5253-4111(内線)2904