教育相談体制の充実について

  文部科学省では学校の教育相談体制の充実をどのように図ろうとしているのですか。

   児童生徒の不登校や問題行動等は依然として憂慮すべき状況にあり、特に最近の問題行動の特徴として、子どもたちが内面にストレスや不満を抱え込み、抑制が出来なくなって衝動的に問題行動を起こしたと思われる事例が多く見られています。
 このため、文部科学省では、特に、学校内のカウンセリング機能の充実を図るための施策として、「スクールカウンセラー」の配置と「子どもと親の相談員」の配置を進めているところです。
 スクールカウンセラーの事業は,各都道府県・指定都市において児童生徒の臨床心理に関して高度な知識・経験を有する者をスクールカウンセラーとして配置し、それらを活用する際の諸課題について調査研究を行うもので、国では必要な経費の1/2を補助しています。これは、特に思春期で心の状態が不安定になりやすく、暴力行為やいじめの問題行動や不登校が最も多い中学校段階の教育相談体制を整備する必要から行っているものです。
 また、子どもと親の相談員は,小学校における教育相談体制を充実する視点から配置を進めているものであり、児童が悩みや不安を気軽に相談できる話し相手として、また保護者の相談相手として活躍することが期待されています。


  スクールカウンセラーや子どもと親の相談員とは、どのようなものですか。

   スクールカウンセラーは、臨床心理士,精神科医,心理学系の大学の常勤教員など,臨床心理に関し高度に専門的な知識・経験を有する者であり、心の専門家として、専門性を有しつつ、教員等と異なる立場として外部性があることから,児童生徒へのカウンセリング,教職員及び保護者に対する助言・援助において効果を上げています。
 子どもと親の相談員は、退職教員,保育士,民生児童委員など地域の人材を活用し、児童が悩みや不安を気軽に相談できる話し相手として、また学校と保護者・地域のパイプ役として、不登校・問題行動等の未然防止や早期発見・早期対応に当たっています。

  〔スクールカウンセラー活用事業補助〕
 
  平成16年度予算   4,200百万円
  配置予定校   8,500校

  〔子どもと親の相談員〕
 
  平成16年度予算   401百万円
  配置予定校   940校


  スクールカウンセラーに相談したいのですが、子どもが通っている学校にはスクールカウンセラーがおりません。どうしたらよいでしょうか。

   通っている学校にスクールカウンセラーが配置されていない場合、近隣の学校に配置されているスクールカウンセラーに相談いただくことになります。
 配置されている近隣の学校については都道府県教育委員会若しくは市町村教育委員会に問い合わせ、その学校を通じて勤務されている日やスケジュール等を確認し、予約の上、相談に行くことになります。


  私立の学校にもスクールカウンセラーを配置できますか。

   私立学校については、「私立高等学校等経常費助成費補助」において、生徒指導の充実のため、スクールカウンセラー等を配置している私立高校等に助成を行っている都道府県に対して補助を行っており、平成14年度においては303人がスクールカウンセラーとして従事しています。
 スクールカウンセラーを配置したい場合は、私立学校法人が所在している都道府県に対して助成の相談をしてください。



 

-- 登録:平成21年以前 --