不登校への対応について

  子どもが不登校になった場合,どこに相談したらよいですか。

   子どもが不登校になった場合や不登校の傾向が見られる場合,まずは在籍校と十分に連絡を取ることが重要です。
 学校の設置者である教育委員会では,「教育センター」や「教育相談所」などで,児童生徒等に関する教育相談を行うための相談窓口を設けています。また,不登校に関する支援等を行うために教育委員会が設置している「教育支援センター(適応指導教室)」では,不登校に関する相談活動を行うと 同時に,不登校児童生徒に対する通所指導(カウンセリング,教科指導,体験活動など)を行っています。
 さらに,厚生労働省が所管する児童相談所,保健所,精神保健福祉センター等においても,相談活動を行っています。
 これらの相談窓口については,地域において名称等が異なりますので,詳しくは各都道府県・市区町村でお問い合わせください。


  不登校の子どもが学校外の施設に通っている場合の「出席扱い」とはどのようなものですか。

   不登校児童生徒が学校外の施設において指導等を受けている場合,これらの児童生徒の努力を学校として評価し支援するため,我が国の義務教育制度を前提としつつ,一定の要件を満たす場合に,当該施設において指導等を受けた日数を指導要録上「出席扱い」とすることが可能となっています。
 この「出席扱い」は,当該施設への通所または入所が学校への復帰を前提とし,かつ不登校児童生徒の自立を助ける上で有効・適切であると判断される場合に認められます。その際,保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていることが重要です。また,民間施設における指導等に関して「出席扱い」が考慮される場合には,当該民間施設における指導等が適切であるかどうか,学校長と教育委員会が連携して判断することとされています。


  最近,不登校への対応の方針が変わったのですか。

   不登校については,平成4年に「登校拒否(不登校)問題について(報告)」が取りまとめられていますが,不登校が増加し続けているという状況を受け,平成14年9月に「不登校問題に関する調査研究協力者会議」が設置され,平成15年3月,「今後の不登校への対応の在り方について(報告)」が取りまとめられました。
 平成15年の報告においては,1将来の社会的自立に向けた支援,2連携ネットワークによる支援,3学校教育の意義・役割,4働きかけることや関わりを持つことの重要性,5保護者の役割と家庭への支援という5つの基本的な視点が示されています。
 平成4年の報告において,不登校は特定の子どもに特有の問題があることによって起こることではなく「誰にでもおこりうる」,「登校への促しは状況を悪化させてしまう場合もある」と指摘されている点につき,一部で誤った理解をし,必要な関わりを持つことまでも控えてしまう場合があったのではないかということが平成15年の報告で指摘されています。
 登校への働きかけについては,それを短絡的にとらえ,画一的に「する」とか「しない」といったような対応をすべきではありません。状況への配慮のない強引な登校への促しや機械的な働きかけにより,児童生徒やその保護者を追い詰めるようなことがあってはならないのは当然であり,大切なのは,不登校児童生徒の状態や不登校となった要因・背景等を把握した上で,適時・適切に,かつ個々の状況に応じて対応するという姿勢なのです。


  不登校について,文部科学省としてはどのような取組を行っているのですか。

   今後の不登校への対応の在り方については,平成15年3月,協力者会議により報告が取りまとめられ,早期の適切な対応の重要性や連携ネットワークの構築などの提言がなされています。
 文部科学省においては,平成15年度から「スクーリング・サポート・ネットワーク整備事業(SSN)」を実施し,早期の対応と不登校児童生徒やその家庭へのきめ細かな支援を行うため,学校・家庭・関係機関が連携した地域ぐるみのサポートシステムを整備しています。
 また,これまでも,学ぶ意欲を育み,進んで登校したいと思えるような学校づくりや,スクールカウンセラーの配置等による教育相談体制の充実などに努めてきたところです。今後も,不登校児童生徒の学校復帰や社会的自立に向けた支援を学校内外で総合的に充実させていくこととしています。
 なお,国立教育政策研究所生徒指導研究センターにおいて,学校における具体的な指導方法や事例の紹介等を内容とする指導資料を作成し,平成16年6月に公表しております。

-- 登録:平成21年以前 --