妙高市における長期宿泊体験活動「妙高フレンドキャンプ」-学校教育と社会教育の融合型学校行事-

 新潟県妙高市では「自他を大切にする心」「コミュニケーション能力の育成」「家族の一員としての自覚と自立心」等をねらいに、学校と教育委員会、国立妙高青少年自然の家が協力して「妙高フレンドキャンプ」を行っています。三者が協力して実施している長期宿泊体験活動は、まさに学社融合型の学校行事といえます。

学校教育と社会教育の融合

 本取組の最大のポイントは、「子どもの育ちを一緒になって支援する」べく、学校教育と社会教育が融合し、事業を行っていることです。
 期間中には、普通に学校に登校して学習する日(2日間)とともに、自然の家で学習を行う日(3日間)を設定し、自然の家周辺の自然を生かした学習指導要領に対応する教材を開発し、意欲を高めるための体験学習を行いました。

きっかけは「中1ギャップ」

 「中1ギャップ」は、小学校から中学校に進む段階で不登校やいじめ等が急増する現象のことです。
 これは、学習内容の難易度が増すこと等にもよりますが、それ以上に、学校生活の変化や新たな人間関係の構築への不安を抱えていることが原因として考えられます。
 中学への進学を目前に控えた子どもたちから、このような抵抗感や不安を少しでも取り除くとともに、新しい人間関係を築いていくために必要なコミュニケーション能力を育成することが求められています。

 このような問題認識から、妙高市内5つの小学校6年生全員の127名による、7泊8日の中に,2泊3日の学校行事による宿泊体験学習を組み込んだ通学キャンプを実施し、コミュニケーション能力の向上や望ましい生活リズムの確立、家族の一員としての自覚・自立を図りました。

2006「妙高フレンドキャンプ」プログラム

  • 主催
    「妙高フレンドキャンプ」実行委員会
  • 共催
    妙高市教育委員会・参加校5校
    国立妙高青少年自然の家
  • 後援
    妙高フレンドキャンプ参加校PTA
  • 会場
    国立妙高青少年自然の家
  • 期日
    平成18年11月12日(日曜日)〜11月19日(日曜日)
  • 参加者
    妙高市内小学校5校 127名

「チャレンジデー」,,,それは自分たちで創り上げる日

 今回のキャンプに参加した127名を1グループ6人の活動班に分け、できるだけいろいろな学校の子どもが一緒になるようにしました。
 毎晩19時から20時半までが活動班による話し合い活動の時間。初日はよそよそしかった子どもたちも、回を重ねるごとに打ち解けていきました。自分の意見を言う、他人の意見を聞く、そして、班をまとめていかなければチャレンジデーが迎えられないからです。
 チャレンジデー当日,野外炊事、スポーツ大会、秘密基地づくり、足湯づくりなど、各活動班ごとに思い思いの活動が展開されました。朝8時から夜20時半まで、自分たちで話し合って準備してきたプログラムが実行されました。
 このように1日のプログラムを自分たちで創り上げ,少人数の活動班で作っていくことで、コミュニケーション能力が育まれました。

【取組例】

テーマ「ユッタリ・マッタリ」

  • 1 温泉に行きお湯をもらう。
  • 2 森の中に穴を掘り,足湯をつくる。
  • 3 チョコレートパフェをつくる。
  • 4 足湯につかりながらパフェを食べる。
  • 5 晩ご飯は野外炊事。

-- 登録:平成21年以前 --