【活動のポイント】
- 地元ならではの行事や子供会等の活動があるが、参加する児童が減ってきている。
- 農業を営む家庭もあるが、児童一人一人が日常の生活で農業に関わることは皆無といってよい。学校の役割は学習や人間性・社会性の基礎を学ばせるところだと考え、以下の取組を行った。
- あだたら山や喜多方そして須賀川の岩瀬牧場での豊かな自然や産業、施設、人々とのふれあい体験を通して、農業や食に対する考えを深め、学校における学習活動をより充実・発展させる。
- 校外における多様な集団活動を通して、連帯感や人間関係能力を高める。
- 長期集団宿泊活動を通して、生活上のルールや公衆道徳について学ぶ機会を設け、互いに思いやり、共に協力して集団生活をしようとする態度や高い規範意識を培う。
【活動内容(対象:5年生)】相小あだたら学校(3泊4日)について
○あぶくま鍾乳洞
福島県のあぶくま洞に入り、自然が築き上げてきた神秘の世界を見学した。
○あだたら山清掃登山
- 登山という苦しい活動に挑戦し、山の清掃も行った。
- 自然をいつまでも残していくために必要なことを身をもって学んだ。
- 山頂では、全員で、「山頂」という詩を心を一つにし、群読した。
○キャンプファイヤー
- 炎を見つめながら、友とフォークダンスやゲームをして、交流を深める。
○喜多方農業体験
- 9軒の農家に分かれて一日農業体験を行う。
- 農家のその日の作業を手伝う。
(牛舎の清掃と搾乳・葉たばこ干し・畑の草取り・豚舎にて清掃・野菜の収穫アスパラガスの手入れ・出荷用の箱作りなど)
- 1日の農業体験の感動を俳句にして読む。
○岩瀬牧場
- 野菜の収穫・乗馬体験・馬のブラッシング・小屋のそうじ・バターづくりを行った。
【体験活動の支援体制】
- 学校評議委員、学校・家庭・地域教育連絡協議会、PTA役員の方々を中心に、支援委員会を組織し、事前踏査から実施に至るまでご協力いただいた。事前踏査では、福島の体験活動の場所に同行し、活動内容や安全面などのご意見を頂戴し、期間中は初日より参加いただき、児童の活動の手助けをしていただいたり、体験を見守っていただいた。
関係団体・施設とは、事前に連絡を取り合い調整させていただいた。特に、農業体験を依頼する農家には、体験させる意図をしっかり伝え、有意義な体験活動になるよう連携を図った。
- 農業体験では、児童が9ヵ所に分かれていたために、教職員と支援委員は、サポートセンターの先導のもと、児童の活動場所で活動の様子を見守り、児童を励ました。
【体験活動の成果と課題】
- 長期にわたる宿泊の中で、様々な体験活動に取り組むことにより、教師は、児童の実態をより多面的に把握することができた。また、児童間の相互理解が深まり、協力し合う姿や、よさを認め合う姿が見られるようになった。たくさんの人々に世話になることにより、感謝の気持ちや思いやりが育ち、社会参画する態度が育っていった。
- 自然や天候と向き合い生活する農家の人々と過ごす体験を通して、食料生産の難しさや、食べ物の有り難みを実感する児童が多くなった。