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現行学習指導要領・生きる力

小学校「新学習指導要領スタートパック」の発送について(鈴木文部科学副大臣)

  この度の東北地方太平洋沖地震により被災された方々に心からお見舞いを申し上げますとともに,救済活動に当たられている皆様方の多大なる御尽力に心から御礼を申し上げます。

  小学校の新学習指導要領は,いよいよこの4月に全面実施を迎えます。先生方におかれては,新しい学習指導要領に基づく教育課程の編成・実施に向けて,様々な検討を続け,準備を重ねてこられました。このことに,深く感謝申し上げます。

  私たちはこの度の地震・津波による大変厳しい危機を乗り越え,改めてよりよい日本をつくり上げていかなくてはなりません。そのためには,一人一人が自立し,多様な生活経験や価値観を持つ人々と様々な課題の解決に向け,今まで以上に,しっかりと家族,友人,地域の絆を深めながら,共に助け合い,協力・協働していくことが強く求められます。
  また,これから新学習指導要領の下で学んでいく子どもたちは,2050年頃には社会の中心として活躍していく存在です。子どもたちがこの危機を乗り越えてたくましく成長し,私たちの世代を引き継ぎ,やがて社会の中心として活躍していくためにも,新学習指導要領のねらいである「生きる力」の育成の理念を実現することは改めて大切です。

  子どもたちに必要な「生きる力」を身に付けさせるためには,学校において,基礎的・基本的な知識や技能と,思考力・判断力・表現力とをバランス良く育んでいくことが求められます。
  また,子どもたち一人一人が人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念をもち,それらを家庭,社会などの生活の中に生かすことができるようにすることも重要です。そして,人の悲しみや喜びを共有することができるように豊かな心や,たくましく生きるための健やかな体を育むことも必要です。

  子どもたちが,基礎的な知識・技能を確実に習得するとともに,それらを活用して,自ら考え,判断し,表現することにより,様々な問題に積極的に対応し,解決する力を育むため,また,豊かな心と健やかな体を育むためには,新学習指導要領でも強調しているように,指導方法や指導体制を工夫改善したり,個に応じた指導の充実を図ったりすることが重要です。

  先生方によく御理解いただいているように,新しい学習指導要領の下で,私たちが重視するのは「言語活動の充実」です。さらに,そのことを通して「コミュニケーション能力の育成」を図っていくことも重要です。
  先生方の御尽力により,昨年公表されたPISA調査の結果では,我が国の子どもたちの読解力に一定の成果が得られました。しかし,その読解力の中でも「情報へのアクセス・取り出し」は良好であるものの,「統合・解釈」,「熟考・評価」に関する力には依然として課題があることが明らかになりました。
  このことからも,各教科等の指導の中で,事実を正確に理解し,その事実を自分の知識や経験と結び付けて,多様な観点から検討し,考えをまとめるといった学習活動や,集団の中でお互いの考えを伝え合い,その考えの違いを認め合う中で,自らの考えや集団の考えを発展させていく学習活動を充実していくことが求められます。
  また,知識や考え方を一斉に指導するような授業だけでなく,一人一人の子どもの能力や特性に応じた学びや,子ども同士が教え学び合う協働的な学びにつながる授業を積極的に取り入れることも重要です。
  その際,子どもたちが身近な課題と解決方策について「熟考」と「話合い」を重ね,他者と協同して主体的に問題を解決する「子ども熟議」の考えに沿った指導を進めることも期待されます。
  さらに,総合的な学習の時間における学習活動を,実社会・実生活との関わりや体験活動を重視して探究的な学習活動とし,他者と協同して課題を解決しようとする学習活動や,言語により分析し,まとめ・表現する学習活動等を充実していくことも求められます。

  本「スタートパック」は,各学校における「言語活動の充実」やその一環としての「子ども熟議」の推進,総合的な学習の時間の充実に当たって,参考となる資料をお届けするものです。
  幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続を図るための資料や,校長のリーダーシップの下で校務全体を点検し,先生方の負担軽減につなげる際の参考となる資料なども同封しています。

  新しい学習指導要領の下,いかに子どもたちに「生きる力」を身に付けさせていくかは,日々の教育活動に掛かっています。先生方の毎日の指導の蓄積によって,「生きる力」は着実に育まれるものです。
  言うまでもなく,各学校においては,既に新学習指導要領の趣旨を踏まえた優れた実践が日々積み重ねられているところです。
  新学習指導要領の全面実施に当たり,各学校においてはそれぞれの子どもの現状・背景を見据えつつ,効果的な指導,学級経営の改善に向けて更に検討を進め,実践していただくようお願いいたします。この「スタートパック」を,その際の参考資料として御活用ください。

  これからも,文部科学省は,先生方と学校を引き続き支援してまいります。特に,地震・津波により影響を受けた子どもたち,先生方,学校を全力で支えていくことをお約束し,結びに代えます。

文部科学副大臣 鈴木 寛

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

電話番号:03-5253-4111(内線2369)

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-- 登録:平成23年04月 --