教科書採択の留意事項について(会議配布資料)

教育委員会の委員の皆様へ

教科書採択の留意事項について

文部科学省初等中等教育局教科書課

 教科書は,児童生徒が共通して使用する主たる教材であり,学校はもとより家庭での学習においても重要な役割を果たすものです。そのような教科書を採択することは,教育上重要な意義を有する,地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づく決定行為です。特に,義務教育諸学校において使用される教科書は,基本的に4年間同一のものを採択する必要があり,その採択は特に重要とも言えます。
 平成26年の通常国会においては,教科書の採択の制度の改善を図るため,教科書無償措置法の改正が行われました(添付資料参照)。この改正の内容も含め,教科書の採択の制度及び教科書の採択に関してこれまで文部科学省から示してきた通知等のうちポイントになると思われるところを以下のとおりまとめましたので,教育委員会の委員の皆様におかれましては随時参照し,今後の教科書の採択に当たって御留意ください。

採択権限

  • 公立の学校において使用される教科書の採択権限を有する者は教育委員会です。したがって,教科書の採択は,それぞれの委員がその職責を果たし,教育委員会が合議等により責任を持って行う必要があります。なお,教科書見本は,基本的に教育委員会の委員の人数分が送付されることになっていますので,教科書採択に当たって積極的に御活用ください。
  • 調査員からの報告等を鵜呑みにしたり,教職員の投票によって採択教科書が決定されたりするなど,教育委員会の責任が不明確になるような採択の手続は適当ではありません。
  • 平成26年の通常国会において地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正され,地方公共団体に総合教育会議が置かれることとなりました。教育委員会制度を設けた趣旨に鑑み,教科書採択についてはここでの協議題とするべきではありませんが,教科書採択の方針について協議することは考えられます。

調査研究

  • 教科書の調査研究は,装丁や見映えを重視するのではなく,教育基本法や学校教育法,学習指導要領で示す目標を十分に踏まえているかなど,内容を考慮した十分なものであることが必要です。(例えば,地域の教科書採択の方針に沿って調査研究項目を見直すなど,調査研究資料の充実を図ることが重要です。)
  • 教科書内容の十分な調査研究を行うため,教科書見本が送付され次第速やかに調査研究に着手するなど,十分な調査研究期間を確保することや,採択地区間で合同の調査研究を行うなど,調査研究体制の充実を図ることが重要です。
  • 教科書の採択により広い視野からの意見を反映させるため,保護者等の意見を踏まえた調査研究の充実も重要です。
  • 教科書展示会は,教員や保護者等が足を運びやすくなるよう,各学校を訪問して行う移動展示会や,図書館,公民館等での展示会が充実されるとともに,その開催時期や場所等について積極的な周知が図られることが重要です。(例えば,教科書展示会に意見箱等を設置して保護者等の希望等を把握するなどの取組も考えられます。)

共同採択

  • 市町村立の小中学校(中高一貫校を除く。)で使用される教科書については,都道府県教育委員会が市町村の区域を単位として設定する採択地区ごとに同一の教科書を採択することとされています。
  • 採択地区に複数の市町村が含まれる場合には,当該採択地区内の市町村教育委員会が協議して規約を定めて設置する採択地区協議会の協議の結果に基づき,同一の教科書を採択しなければなりません。
  • 採択地区協議会の規約は,共同採択地区内の市町村教育委員会の権限と責任に基づき,十分な協議を行い,定める必要があります。
    ※教科書無償措置法の改正による共同採択に係る制度の変更点の詳細については添付資料で御確認ください。

公正確保

  • 教科書の採択は公正に行われる必要があり,仮に教科書発行者による過当な宣伝行為があったとしても,その影響を排し,適正に教科書の採択を行うことが重要です。
  • 教科書の採択が外部からの不当な働きかけに影響されることのないよう,静ひつな採択環境を確保することが重要です。

開かれた採択

  • 教科書の採択を行った後は,採択結果・理由など,採択に関する情報を積極的に公表することが重要です。
    ※教科書無償措置法の改正による採択結果・理由等の公表に係る制度の変更点の詳細については添付資料で御確認ください。

※以上のほか,例年4月上旬に教科書の採択に係る留意事項について文部科学省から通知を発出しておりますので,併せて御確認ください。

お問合せ先

初等中等教育局教科書課

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-- 登録:平成27年02月 --