教科書供給の仕組み

1.教科書供給業者
  教科書発行の指示を受諾した発行者は、教科書を各学校まで供給する義務を負います。
  しかし、教科書発行者自身が各学校まで確実に教科書を供給することは事実上困難です。そこで教科書発行者は、この義務を履行するために、教科書供給業者と次のような教科書供給契約を結んで、供給を行っています。
(1)特約供給所
  各都道府県ごとにおおむね1箇所ずつあり、その数は全国で53です。特約供給所は、その管内の取次供給所の選定、教科書の過不足の調整、教科書代金の回収等の事務を行います。
(2)取次供給所
  取次供給所は、教科書を学校に直接供給する機関であり、通常は書店がこの業務を行っています。全国で現在4,040あります。
(3)大取次
  自ら荷造発送を行う設備を有しない発行者が、教科書の配送や代金回収等の業務の全部(または一部)を委託する業者で、その代表的なものは全国で6社です。

2.教科書の供給の仕組み
(1)発行者が特約供給所と供給契約を結んでいる場合には、発行者は取次供給所(一部は特約供給所を経由する。)へ送本し、取次供給所から学校へ供給されます(図6(1)参照)。
(2)発行者が大取次及び特約供給所と契約を結んでいる場合には、大取次は発行者の委託をうけ、取次供給所(一部は特約供給所を経由する。)に送本し、取次供給所から学校へと供給されます(図6(2)参照)。
  なお、送本終了後における追加注文の場合は、原則として特約供給所を経由して供給される仕組みとなっています。

3.調整本、常備本
  教科書の迅速確実な供給は、学校教育上極めて重要ですので、発行者は調整本、常備本を設けて供給にあたっています。
(1)調整本  
  教科書の需要数は使用年度の前年度の8月に把握されるため、学年当初の必要冊数と合致しない場合があります。このような場合、児童・生徒の学習に支障がないよう、特約供給所に調整本が保管されています。
(2)常備本
  学年中途の転入生のために一定冊数の常備本が特約供給所等に常備されています。

図6  教科書供給の仕組み
(1)発行者が特約供給所と契約している場合
(注)「→」は教科書の送本の経路


(2)発行者が大取次及び特約供給所と契約している場合
(注)「→」は教科書の送本の経路 

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-- 登録:平成21年以前 --