各都道府県等における中高一貫教育校の設置・検討状況について

平成14年4月

  中高一貫教育制度は、これまでの中学校・高等学校に加えて、生徒や保護者が中高一貫教育も選択できるようにすることにより、中等教育の一層の多様化を図るものであり、平成11年4月から制度化されている。
  本調査は、平成14年4月現在の中高一貫教育校の設置検討状況について、各都道府県等に対して調査を行い、取りまとめたものである。

平成14年度までの設置校数 73校(平成14年4月) ※平成13年度までは51校(平成13年10月)
(年度別の設置校及び検討状況は上の項目をクリックしてください。)

1  設置状況について
  平成14年度は、平成13年度の設置校数の51校から22校増加し、73校設置されている。また、公立の中高一貫教育校を設置している県は26道県に上り、そのうち16県は、複数校の配置となっている。
中高一貫教育高設置の推移

2  平成14年度の特徴

  公立の中高一貫教育校を平成14年度新たに設置する県は12県であり、その中で北海道、新潟県、静岡県、佐賀県、熊本県、沖縄県は県内で初めての設置となっている。
  新潟県立村上中等教育学校が、公立としては全国2校目の中等教育学校として設置されている。
  高知県では、併設型中高一貫教育校が3校設置されている。

3  設置形態別設置状況
  設置形態別でみると、平成14年度新たに設置する22校中、併設型が11校と一番多く、次いで、連携型が9校、中等教育学校が2校の順となっている。

4  平成15年度以降の設置予定
  平成15年度以降に設置される予定の中高一貫教育校は46校(中等教育学校11校、併設型21校、連携型13校、設置形態未定1校)となっている。

※平成14年度の設置状況の内訳 (校)
  中等教育学校 併設型 連携型
公立 2( 10(  3 38(29 50(33
私立 5( 15(11   0(  0 20(15
国立 2(   1(  1   0(     3(  
9( 26(1 5 38(29 73(51

※(    )内は平成13年度の学校数である。
※併設型及び連携型は、中学校・高等学校1組を1校として集計している。

 

平成14年度設置の中高一貫教育校の概要

新 潟 県 立 村 上 中 等 教 育 学 校

  「Let's Try!挑戦・創造・貢献」を校是とし、主体的に学び、確かな学力と豊かな人間性を身に付け、国際的な視野をもって社会に貢献できる人間を育成する。
  6年間を通じた個人カルテの作成により、一人ひとりに合った計画的な学習を進めるとともに、進度の確認を行う。
  英、数を中心とした、生徒の理解に合わせた少人数授業、各種検定を利用した実力チェック、後期 課程では進路希望に応じた類型制などを実施する。
  総合的な学習の時間では、6年間を通して「地域から世界を学ぶ」をテーマに、郷土の自然や歴史、 産業などを体験的に学習するとともに、興味・関心に応じて「国際社会リサーチ」を行い、広い視 野から地域や国家、世界についての諸問題を考察できる力を養う。
  前期課程から、英会話学習や情報教育など多様な選択教科を開設し、生徒自らが自分の得意な分野を伸ばすとともに、これからの時代にふさわしい技能を育成する。

静岡県立浜松西高等学校中等部・浜松西高等学校(併設型中高一貫教育校)

  高い知性と、豊かな人間性、社会貢献への高い志とたくましい力をもち、21世紀の国際社会においてリーダーとして輝く人材の育成をめざす。
  基礎・基本の確実な定着を図るために、ゆとりある55分授業や、少人数の集団による授業を実施。
  中等部において「表現」を開設し、必修教科の国語と外国語の授業時間数を減じ、国語の教材内容についての意見発表や討論、基本英会話の実践学習などを実施し、実践的な表現能力の育成をめざす。 さらに、高校段階でも、中等部の「表現」とつながる学校設定教科「コミュニケーション」を設定し、新時代の中等教育において育成すべき資質・能力の一つである「自己表現能力」の育成をめざし、より実践的なコミュニケーション能力を育てる。
  豊かな感性と高い志を育てるための特別活動として、小学校の児童や幼稚園児・保育園児との交流や、地域の方々と語る会、父母と語る会などの実施を通じて、幅広い人間関係を築きながら「思いやりと感動する心を育てる」ための「交流教室」を実施する。

高知県立中村中学校・中村高等学校(併設型中高一貫教育校)

  中村高等学校が培ってきた伝統のうえに立ち、6年間を子どもの発達段階に応じて、基礎期(中1・2)・探求期(中3)・専門基礎期(高1)・充実発展期(高2・高3)の4期に区分し、計画的な教育の中で、基礎基本を徹底し、豊かな人間性を育むとともに、生徒一人一人の個性や創造性を伸ばし、「真の学力、生きる力の育成」を図る教育を実施する。
  中学校における総合的な学習の時間及び高等学校における新科目「プレゼンテーション」において、テーマに基づいた取材活動や発表、英語を中心とした外国語の理解などを通じて、グローバル化が進む社会の中で必要とされる、自分の考えを思いやりを持って相手に伝える「プレゼンテーション」能力を育成する。
  「キャリアプラン」(総合的な学習の時間)の中で、職場体験学習や社会人講師による講演会を実施するとともに、ライフプランやキャリアプランの作成・発表を通じて、将来の進路設計を考え、6年間を通じて自分の夢を実現する力を育てる。

青森県むつ地域(連携型中高一貫教育校)

  多様な進路希望を持った生徒に対して、より一層個々の能力・適性・個性を生かし、自己の進路を切り拓く実践力や問題解決能力を育成するために、中高の連携した教育課程編成、指導に取り組む。
  多様な進路志望を持つ生徒に、よりきめ細かな指導を可能にする教育課程を編成するとともに、連携高校進学と連携高校以外への進学を希望する生徒にそれぞれ対応する特色ある教育課程を編成する(連携コースと一般コースの2コース対応教育課程編成)。
  連携高等学校が総合学科であることから、中学校の段階から福祉、情報など系列別学習体験を取り入れ、生徒が興味・関心に応じて設定した課題について、高校においてさらにいろいろな活動を通して、知識や技能の深化、総合化を図る学習を実施する。
  総合的な学習の時間の中で、むつ地域の郷土にかかわる内容(自然・地理・文化等)について調査、見学、体験活動を行う「下北半島学」を実施。

 

中高一貫教育校の設置年度別設置・検討状況

平成11年度    4校

公立:  3校

中等教育学校 1: 宮崎県
併設型 1: 岡山県(岡山市)
連携型 1: 三重県
私立:  1校 併設型 1

平成12年度  13校

公立:  3校
併設型 1: 秋田県(秋田市)
連携型 2: 大分県、鹿児島県
私立:  7校 中等教育学校 1、併設型 6
国立:  3校 中等教育学校 2、併設型 1

平成13年度  34校

公立:27校



併設型 1: 香川県
連携型 26: 青森県、岩手県、山形県2、石川県2、
福井県、 三重県2、奈良県、和歌山県2、
島根県2、岡山県、広島県2、山口県、
徳島県2、高知県3、長崎県3
私立:  7校 中等教育学校 3、併設型 4

平成14年度  22校

公立:17校



中等教育学校 1: 新潟県
併設型 7: 新潟県、静岡県、岡山県、香川県、
高知県3
連携型 9: 北海道、青森県、岩手県、静岡県、
島根県、佐賀県、熊本県2、沖縄県
私立:  5校 中等教育学校 1、併設型 4

平成14年度までに設置  73校
平成15年度以降設置予定  46校

公立:39校
中等教育学校 8: 群馬県、群馬県(前橋市)、東京都、
東京都(千代田区)、新潟県、岐阜県、
兵庫県、山口県
併設型 18: 秋田県2、埼玉県、静岡県、静岡県(沼津市)、滋賀県3、広島県、山口県、徳島県、愛媛県3、
佐賀県、長崎県2、広島市
連携型 12: 宮城県、茨城県、群馬県3、埼玉県、東京都、
岐阜県2、山口県、沖縄県2
設置形態未定 1: 沖縄県
私立:  6校 中等教育学校 3、併設型 3
国立(中)・公立(高) 連携型 1:和歌山県
    注)併設型及び連携型は、中学校・高等学校1組を1校として集計している。


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