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学校図書館

別添1「学校図書館ガイドライン」

  学校図書館をめぐる現状と課題を踏まえ,さらなる学校図書館の整備充実を図るため,教育委員会や学校等にとって参考となるよう,学校図書館の運営上の重要な事項についてその望ましい在り方を示す,「学校図書館ガイドライン」を定める。同ガイドラインは以下の構成とする。


(1)学校図書館の目的・機能
(2)学校図書館の運営
(3)学校図書館の利活用
(4)学校図書館に携わる教職員等
(5)学校図書館における図書館資料
(6)学校図書館の施設
(7)学校図書館の評価

  

(1)学校図書館の目的・機能

  •    学校図書館は,学校図書館法に規定されているように,学校教育において欠くことのできない基礎的な設備であり,図書館資料を収集・整理・保存し,児童生徒及び教職員の利用に供することによって,学校の教育課程の展開に寄与するとともに児童生徒の健全な教養を育成することを目的としている。 
  •    学校図書館は,児童生徒の読書活動や児童生徒への読書指導の場である「読書センター」としての機能と,児童生徒の学習活動を支援したり,授業の内容を豊かにしてその理解を深めたりする「学習センター」としての機能とともに,児童生徒や教職員の情報ニーズに対応したり,児童生徒の情報の収集・選択・活用能力を育成したりする「情報センター」としての機能を有している。

(2)学校図書館の運営

  •   校長は,学校図書館の館長としての役割も担っており,校長のリーダーシップの下,学校経営方針の具現化に向けて,学校は学校種,規模,児童生徒や地域の特性なども踏まえ,学校図書館全体計画を策定するとともに,同計画等に基づき,教職員の連携の下,計画的・組織的に学校図書館の運営がなされるよう努めることが望ましい。例えば,教育委員会が校長を学校図書館の館長として指名することも有効である。
  •    学校は,必要に応じて,学校図書館に関する校内組織等を設けて,学校図書館の円滑な運営を図るよう努めることが望ましい。図書委員等の児童生徒が学校図書館の運営に主体的に関わることも有効である。
  •   学校図書館は,可能な限り児童生徒や教職員が最大限自由に利活用できるよう,また,一時的に学級になじめない子供の居場所となりうること等も踏まえ,児童生徒の登校時から下校時までの開館に努めることが望ましい。また,登校日等の土曜日や長期休業日等にも学校図書館を開館し,児童生徒に読書や学習の場を提供することも有効である。
  •    学校図書館は,学校図書館便りや学校のホームページ等を通じて,児童生徒,教職員や家庭,地域など学校内外に対して,学校図書館の広報活動に取り組むよう努めることが望ましい。
  •   学校図書館は,他の学校の学校図書館,公共図書館,博物館,公民館,地域社会等と密接に連携を図り,協力するよう努めることが望ましい。また,学校図書館支援センターが設置されている場合には同センターとも密接に連携を図り,支援を受けることが有効である。

(3)学校図書館の利活用

  •   学校図書館は,児童生徒の興味・関心等に応じて,自発的・主体的に読書や学習を行う場であるとともに,読書等を介して創造的な活動を行う場である。このため,学校図書館は児童生徒が落ち着いて読書を行うことができる,安らぎのある環境や知的好奇心を醸成する開かれた学びの場としての環境を整えるよう努めることが望ましい。
  •   学校図書館は,児童生徒の学校内外での読書活動や学習活動,教職員の教育活動等を支援するため,図書等の館内・館外貸出しなど資料の提供を積極的に行うよう努めることが望ましい。また,学校図書館に所蔵していない必要な資料がある場合には,公共図書館や他の学校の学校図書館との相互貸借を行うよう努めることが望ましい。 
  •    学校は,学習指導要領等を踏まえ,各教科等において,学校図書館の機能を計画的に利活用し,児童生徒の主体的・意欲的な学習活動や読書活動を充実するよう努めることが望ましい。その際,各教科等を横断的に捉え,学校図書館の利活用を基にした情報活用能力を学校全体として計画的かつ体系的に指導するよう努めることが望ましい。
  •    学校は,教育課程との関連を踏まえた学校図書館の利用指導・読書指導・情報活用に関する各種指導計画等に基づき,計画的・継続的に学校図書館の利活用が図られるよう努めることが望ましい。
  •   学校図書館は,教員の授業づくりや教材準備に関する支援や資料相談への対応など教員の教育活動への支援を行うよう努めることが望ましい。

(4)学校図書館に携わる教職員等

  •   学校図書館の運営に関わる主な教職員には,校長等の管理職,司書教諭や一般の教員(教諭等),学校司書等がおり,学校図書館がその機能を十分に発揮できるよう,各者がそれぞれの立場で求められている役割を果たした上で,互いに連携・協力し,組織的に取り組むよう努めることが望ましい。
  •    校長は,学校教育における学校図書館の積極的な利活用に関して学校経営方針・計画に盛り込み,その方針を教職員に対し明示するなど,学校図書館の運営・活用・評価に関してリーダーシップを強く発揮するよう努めることが望ましい。
  •    教員は,日々の授業等も含め,児童生徒の読書活動や学習活動等において学校図書館を積極的に活用して教育活動を充実するよう努めることが望ましい。
  •    学校図書館がその機能を十分に発揮するためには,司書教諭と学校司書が,それぞれに求められる役割・職務に基づき,連携・協力を特に密にしつつ,協働して学校図書館の運営に当たるよう努めることが望ましい。具体的な職務分担については,各学校におけるそれぞれの配置状況等の実情や学校全体の校務のバランス等を考慮して柔軟に対応するよう努めることが望ましい。
  •    司書教諭は,学校図書館の専門的職務をつかさどり,学校図書館の運営に関する総括,学校経営方針・計画等に基づいた学校図書館を活用した教育活動の企画・実施,年間読書指導計画・年間情報活用指導計画の立案,学校図書館に関する業務の連絡調整等に従事するよう努めることが望ましい。また,司書教諭は,学校図書館を活用した授業を実践するとともに,学校図書館を活用した授業における教育指導法や情報活用能力の育成等について積極的に他の教員に助言するよう努めることが望ましい。
  •   学校司書は,学校図書館を運営していくために必要な専門的・技術的職務に従事するとともに,学校図書館を活用した授業やその他の教育活動を司書教諭や教員とともに進めるよう努めることが望ましい。具体的には,1児童生徒や教員に対する「間接的支援」に関する職務,2児童生徒や教員に対する「直接的支援」に関する職務,3教育目標を達成するための「教育指導への支援」に関する職務という3つの観点に分けられる。
  •   また,学校司書がその役割を果たすとともに,学校図書館の利活用が教育課程の展開に寄与するかたちで進むようにするためには,学校教職員の一員として,学校司書が職員会議や校内研修等に参加するなど,学校の教育活動全体の状況も把握した上で職務に当たることも有効である。
  •   また,学校や地域の状況も踏まえ,学校司書の配置を進めつつ,地域のボランティアの方々の協力を得て,学校図書館の運営を行っていくことも有効である。特に特別支援学校の学校図書館においては,ボランティアの協力は重要な役割を果たしている。

 (5)学校図書館における図書館資料


1図書館資料の種類

  •   学校図書館の図書館資料には,図書資料のほか,雑誌,新聞,視聴覚資料(CD,DVD等),電子資料(CD-ROM,ネットワーク情報資源(ネットワークを介して得られる情報コンテンツ)等),ファイル資料,パンフレット,自校独自の資料,模型等の図書以外の資料が含まれる。
  •    学校は,学校図書館が「読書センター」,「学習センター」,「情報センター」としての機能を発揮できるよう,学校図書館資料について,児童生徒の発達段階等を踏まえ,教育課程の展開に寄与するとともに,児童生徒の健全な教養の育成に資する資料構成と十分な資料規模を備えるよう努めることが望ましい。
  •   選挙権年齢の引下げ等に伴い,児童生徒が現実社会の諸課題について多面的・多角的に考察し,公正に判断する力等を身につけることが一層重要になっており,このような観点から,児童生徒の発達段階に応じて,新聞を教育に活用するために新聞の複数紙配備に努めることが望ましい。
  •    小学校英語を含め,とりわけ外国語教育においては特に音声等の教材に,理科等の他の教科においては動画等の教材に学習上の効果が見込まれることから,教育課程の展開に寄与するデジタル教材を図書館資料として充実するよう努めることが望ましい。
  •    発達障害を含む障害のある児童生徒や日本語能力に応じた支援を必要とする児童生徒の自立や社会参画に向けた主体的な取組を支援する観点から,児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた様々な形態の図書館資料を充実するよう努めることが望ましい。例えば,点字図書,音声図書,拡大文字図書,LLブック,マルチメディアデイジー図書,外国語による図書,読書補助具,拡大読書器,電子図書等の整備も有効である。

2図書館資料の選定・提供

  •   学校は,特色ある学校図書館づくりを推進するとともに,図書館資料の選定が適切に行われるよう,各学校において,明文化された選定の基準を定めるとともに,基準に沿った選定を組織的・計画的に行うよう努めることが望ましい。
  •   図書館資料の選定等は学校の教育活動の一部として行われるものであり,基準に沿った図書選定を行うための校内組織を整備し,学校組織として選定等を行うよう努めることが望ましい。
  •    学校は,図書館資料について,教育課程の展開に寄与するという観点から,文学(読み物)やマンガに過度に偏ることなく,自然科学や社会科学等の分野の図書館資料の割合を高めるなど,児童生徒及び教職員のニーズに応じた偏りのない調和のとれた蔵書構成となるよう選定に努めることが望ましい。
  •   学校図書館は,必要に応じて,公共図書館や他の学校の学校図書館との相互貸借を行うとともに,インターネット等も活用して資料を収集・提供することも有効である。

3図書館資料の整理・配架

  •    学校は,図書館資料について,児童生徒及び教職員がこれを有効に利活用できるように原則として日本十進分類法(NDC)により整理し,開架式により,配架するよう努めることが望ましい。
  •   図書館資料を整理し,利用者の利便性を高めるために,目録を整備し,蔵書のデータベース化を図り,貸出し・返却手続及び統計作業等を迅速に行えるよう努めることが望ましい。また,地域内の学校図書館において同一の蔵書管理システムを導入し,ネットワーク化を図ることも有効である。
  •    館内の配架地図や館内のサイン,書架の見出しを設置するなど,児童生徒が自ら資料を探すことができるように配慮・工夫することや,季節や学習内容に応じた掲示・展示やコーナーの設置などにより,児童生徒の読書意欲の喚起,調べ学習や探究的な学習に資するように配慮・工夫するよう努めることが望ましい。また,学校図書館に,模型や実物,児童生徒の作品等の学習成果物を掲示・展示することも有効である。
  •    学校図書館の充実が基本であるが,児童生徒が気軽に利活用できるよう,図書館資料の一部を学級文庫等に分散配架することも有効である。なお,分散配架した図書も学校図書館の図書館資料に含まれるものであり,学校図書館運営の一環として管理するよう努めることが望ましい。 

4図書館資料の廃棄・更新

  •    学校図書館には,刊行後時間の経過とともに誤った情報を記載していることが明白になった図書や,汚損や破損により修理が不可能となり利用できなくなった図書等が配架されている例もあるが,学校は,児童生徒にとって正しい情報や図書館資料に触れる環境整備の観点や読書衛生の観点から適切な廃棄・更新に努めることが望ましい。 
  •    図書館資料の廃棄と更新が適切に行われるよう,各学校等において,明文化された廃棄の基準を定めるとともに,基準に沿った廃棄・更新を組織的・計画的に行うよう努めることが望ましい。
  •   廃棄と更新を進めるに当たって,貴重な資料が失われないようにするために,自校に関する資料や郷土資料など学校図書館での利用・保存が困難な貴重な資料については,公共図書館等に移管することも考えられる。

(6)学校図書館の施設

  •    文部科学省では,学校施設について,学校教育を進める上で必要な施設機能を確保するために,計画及び設計における留意事項を学校種ごとに「学校施設整備指針」として示している。この学校施設整備指針において,学校図書館の施設についても記述されており,学校図書館の施設については,学校施設整備指針に留意して整備・改善していくよう努めることが望ましい。
  •    また,これからの学校図書館には,主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニングの視点からの学び)を効果的に進める基盤としての役割も期待されており,例えば,児童生徒がグループ別の調べ学習等において,課題の発見・解決に向けて必要な資料・情報の活用を通じた学習活動等を行うことができるよう,学校図書館の施設を整備・改善していくよう努めることが望ましい。 

(7)学校図書館の評価

  •   学校図書館の運営の改善のため,PDCAサイクルの中で校長は学校図書館の館長として,学校図書館の評価を学校評価の一環として組織的に行い,評価結果に基づき,運営の改善を図るよう努めることが望ましい。
  •   評価に当たっては,学校関係者評価の一環として外部の視点を取り入れるとともに,評価結果や評価結果を踏まえた改善の方向性等の公表に努めることが望ましい。また,コミュニティ・スクールにおいては,評価に当たって学校運営協議会を活用することも考えられる。
  •    評価は,図書館資料の状況(蔵書冊数,蔵書構成,更新状況等),学校図書館の利活用の状況(授業での活用状況,開館状況等),児童生徒の状況(利用状況,貸出冊数,読書に対する関心・意欲・態度,学力の状況等)等について行うよう努めることが望ましい。評価に当たっては,アウトプット(学校目線の成果)・アウトカム(児童生徒目線の成果)の観点から行うことが望ましいが,それらを支える学校図書館のインプット(施設・設備,予算,人員等)の観点にも十分配慮するよう努めることが望ましい。

お問合せ先

初等中等教育局児童生徒課

-- 登録:平成28年12月 --