平成28年度 「公立学校における帰国・外国人児童生徒に対するきめ細かな支援事業」に係る報告書の概要(朝来市)

平成28年度に実施した取組の内容及び成果と課題

1.事業の実施体制(運営協議会・連絡協議会の構成員等)

事業の実施体制(運営協議会・連絡協議会の構成員等)

2.具体の取組内容

 ※取り組んだ実施事項[1]~[8]について、それぞれ記入すること

[1]運営協議会・連絡協議会の実施 平成28年5月31日(火曜日)
  • ア)帰国・外国人児童生徒の受入にあたり、日本語指導及び生活支援について、関係機関が集う運営協議会を開催
    • 事業内容説明
    • 市内の小中学校に通う帰国・外国人児童生徒についての情報交換
    • 各校での支援体制について
  • イ)市内の小中学校に通う帰国・外国人児童生徒の支援について母語が分かる支援員や担当者同士の情報交換としてのネットワーク会議 平成29年1月19日(木曜日)
    • 母語が分かる支援員との情報交換
    • 地域ボランティアの協力について
[2]初期指導教室やセンター校等の設置
  • ア)年度中に緊急来日した園児・生徒があり、日本語も全く理解できない状況だったため、母語が分かる支援員の同席のもと面談を行った。
  • イ)帰国・外国人が在籍する学校での授業参観と意見交流会 平成28年11月17日(木曜日)
    • 支援を効果的にするタブレット等の活用について
    • 日本語指導についての情報交換
[3]日本語能力測定方法の活用
  • ア)日本語能力測定についての説明 平成28年5月31日(火曜日)
  • イ)該当児童生徒の在籍校での実施 1学期中
    • 該当児童生徒の実態に応じて測定内容を選択し主に、「聞く」「話す」「書く」「読む」について実施。
[4]「特別の教育課程」による日本語指導の導入に向けた協議会の実施 平成28年5月31日(火曜日)
  • 在籍する帰国・外国人児童生徒の実態把握や「個別の指導計画」の必要性について協議
  • 日本語指導が必要な児童生徒の「個別の指導計画」についての情報交換
[6]児童生徒の母語が分かる支援員の派遣
  • 該当2校に児童生徒の母語が分かる支援員を派遣

3.成果と課題

 ※取り組んだ実施事項[1]~[8]について、それぞれ記入すること

[1]運営協議会・連絡協議会の実施

【成果】

  • 情報を共有する機会を持つことで課題が明らかになり、学校、保護者、行政それぞれの立場で課題の解決に向けて共通理解を図ることができた。

【課題】

  • 在籍している帰国・外国人児童生徒については、来日時期や個人の能力差など様々な要因によって、生活面や学習面で言語獲得等かなり差がある。
  • 在留期間が1年経過した生徒の進路についての支援が大きな課題である。
  • 担任と支援員、ボランティアとの連携を深めるために記録を残していく必要がある。
[2]初期指導教室やセンター校等の設置

【成果】

  • 9月に緊急来日した園児・生徒に対して母語が分かる支援員の同席のもと面談を行い、就学先や今後の支援について話し合いを持つことができ、スムーズな就学につなげることができた。
  • センター校の設置により、個に応じた学習指導や支援の共有化を図ることができた。担当者同士のコミュニケーションや研修の場となった。
  • 実際の支援の様子を参観し、教材の提示やタブレットなどの機器を有効に活用することについて意見交換をすることができた。

【課題】

  • 該当の学校では、担当者が中心となって指導を行っているが、他の公務もある中で負担が大きい。
  • 地域ボランティアによる毎週放課後の日本語指導の効果が大きい。今後の地域ボランティアの人材確保、登録制度有償制度等についての課題についての検討が必要である。
[3]日本語能力測定方法の活用

【成果】

  • それぞれについての日本語能力測定の結果から苦手な部分を明確にすることができた。
  • 測定内容を検討することで、更に効果的な補助教材を導入する手立てになった。

【課題】

  • 日常会話については習得も比較的順調だが、文章を読んで理解することには大きな課題がある。
  • 児童の実態に応じた日本語能力測定方法にとっては課題として捉えにくい面があり理解も進みにくい。
[4]「特別の教育課程」による日本語指導の導入に向けた協議会の実施

【成果】

  • 日本語能力について測定するなど、該当生徒の実態把握を行うことで、「個別の指導計画」や「特別の教育課程」の導入に係わる課題等をつかむことができた。
  • 学校間での情報交換を行うことで、「特別の教育課程」や「個別の指導計画」作成の必要性について共通理解を深めることができた。

【課題】

  • 実際の現場では、該当校の教職員が日本語指導について手探りの状況があり、「個別の指導計画」や「特別の教育課程」が作成しにくい。
  • 「特別の教育課程」作成についての理解を図るための研修が必要である。
  • 該当児童生徒が在籍しない学校の職員にとっては、課題として捉えにくい面があり理解も進みにくい。
[6]児童生徒の母語が分かる支援員の派遣

【成果】

  • 母語が分かる支援員を派遣することで児童生徒が安心して学校生活を送ることができた。
  • 本年度も中国からの途中来日した園児・生徒があった。就学に関する面談時にアドバイザー役として支援員が同席し、就学先や中国での学習状況、保護者の希望等について円滑に話し合いをすることができた。
  • 現在の支援員は、日本語の細かなニュアンスの違いも理解でき、保護者支援を含め、学校と家庭とのコーディネートもスムーズにできた。

【課題】

  • 支援者の派遣回数に制限があったため、必要な支援が出来にくい面があった。
  • 年度途中に来日した生徒への支援については、年度当初の計画では派遣体制がとれず、対応に追われることがあった。

4.その他(今後の取組等)

  • ここ数年外国からの緊急来日が増えている。地域性もあり必ずしも母語が分かる支援員が常時確保できるとは限らない。近隣の日本語教室からの情報を得るなど情報交換を密にし、多文化及び多言語を理解できる支援員を確保する必要性がある。
  • 学校だけでなく、地域住民が異文化を受け入れるための素地づくりの必要性を感じている。
  • 地域ボランティアの有効な支援体制を確立していく必要性がある。

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