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平成23年度「帰国・外国人児童生徒受入促進事業」に係る報告書の概要(浜松市)

平成23年度に実施した取組の内容及び成果と課題 【実施団体名 浜松市教育委員会】

1.事業の実施体制(運営協議会・連絡協議会の構成員等)

【浜松市外国人子ども支援協議会(運営協議会)】・・・15人
 静岡文化芸術大学教授1人  静岡県教育委員会指導主事
 市教育長   教育委員会学校教育部長  ハローワーク専門官1人
 企業内保育所園長1人  保護者代表1人  NPO代表2人  企画部国際課1人
 浜松国際交流協会1人  市立高校校長  市立小中学校校長2人  市立幼稚園園長1人
※事務局 教育委員会指導課長 担当指導主事2人

【教育相談支援センターにおける事業の推進と構成員】

  • 教育相談支援センターが拠点となり、関係機関(国際課、各学校、浜松国際交流協会、NPO団体等)と連携しながら、浜松市における外国人児童生徒就学支援を推進した。
  • 相談員、協力員が既配置の相談員と協力体制を組み、就学ガイダンスや教育相談、学校訪問等を行った。

2.具体の取組内容  

(1)運営協議会の設置・開催
 様々な立場の委員15名が外国人の子どもの教育課題、教育支援の在り方について協議した。また、不就学の現状と対策について、浜松の地域性を踏まえて意見交換をした。年間3回開催。

(3)就学促進員の活用
 ベトナム語、中国語、タガログ語のバイリンガル3名を就学促進員として委嘱し、就学相談における通訳、入学準備ガイダンスにおける通訳を行い、多言語での情報提供を行った。また、就学を促進するリーフレットの翻訳を行った。

(4)指導補助者・支援員等の配置
 外国人生徒が多数在籍している中学校で外部支援者を活用して支援の充実を図りたいと希望する9校に、指導補助者18名を派遣し、外国人生徒の実態に応じて、日本語指導、授業における入り込み支援、放課後における学習支援等を実施した。
 外国人児童生徒就学サポーター(ポルトガル語、スペイン語、タガログ語、中国語、ベトナム語、インドネシア語のバイリンガル)45人を支援の必要な小中学校72校に派遣し、児童生徒の学習支援や文書等の翻訳、保護者との面談における通訳を行った。

(7)教育委員会等と関係機関との連携による就学支援

  • 教育相談支援センターにバイリンガル相談員、協力員、外国人の受入や諸課題の指導・相談役としての相談員を各1人配置し、既配置の相談員との協力体制の中、就学ガイダンス・学校訪問等を行った。
  • 各学校と教育相談支援センターとの連携強化を図り、編入児童生徒がスムーズに学校生活に適応できるよう支援体制を整えた。
  • 学校が外部講師を招いて外国人の子ども教育に関する講演会を開く場合、その謝金を負担し、学校や教職員の受入に対する考え方や支援体制の向上を図った。
  • 新年度、小学校に入学する外国人の子どもと保護者を対象に、入学準備ガイダンスを行った。(年間2回開催)

3.成果と課題   

(1)運営協議会の設置・開催
 【 成果 】  
 外国人と関わる様々な機関・部署から委員を選出したことにより、子どもたちを取り巻く生活環境や学力の定着状況、進路選択に関して、それぞれの立場から意見が出された。また、不就学の状況について、共通理解を図ることができた。
 【 課題 】  
 受入時における保護者及び子どもへの就学指導の充実、教育相談支援センターの機能の充実、学習に適応するために必要な学習言語の習得支援 等

(3)就学促進員の活用
 【 成果 】  
 入学前の諸準備について保護者に寄り添いながら説明をすることで、親の学校生活への不安を和らげ入学準備の重要性を伝えることができた。
 【 課題 】  
 タガログ語やベトナム語、中国語等の対応は割合的に低いものの、近年、アジア系の外国人の編入が増えていることから、人員の確保をしていく必要がある。

(4)指導補助者・支援員等の配置
 【 成果 】  
 生徒の実態や一人一人のニーズに、より細かく配慮することで、授業の楽しさを味わうことができるようになり、積極的に授業に臨むようになった。また、浜松市にはブラジルを始め、ペルー、フィリピン、ベトナム、中国など様々な国につながる外国人児童生徒が居住している。外国人児童生徒就学サポーターは、それぞれの言語に対応し、子どもの学習支援や,親とのコミュニケーションを図る上で一助となった。
 【 課題 】  
 優秀な人材を継続的に確保できるシステムを構築する必要がある。また、子どもたちの日本語力だけでなく、母語の習得状況や学習適応状況も千差万別であり、子どもたちへの対応は多岐にわたる。指導補助者や外国人児童生徒就学サポーターに必要とされる資質を高めるための研修が必要である。

(7)教育委員会等と関係機関との連携による就学支援
 【 成果 】  
 就学に結び付ける拠点として、教育相談支援センターが機能してきた。このことにより浜松に来た外国人の子どもが安心して、スムーズに就学することができるようになってきた。関係機関との連携、情報共有により、不就学から就学につながった児童生徒数は平成23年度、昨年度より著しく増加した。
 【 課題 】  
 公立、私立を問わず、幼稚園や保育所、さらに外国人学校との連携を踏まえた支援体制づくりが急務になっている。様々な状況下にある外国人の子どもの編入学に関する研究やその成果を踏まえた体制の整備は、今後も必要である

4.その他(今後の取組等)

  • 学校や外国人児童生徒のニーズに応じた支援の拡充を図るために、人的配置を一層進めると共に外国人児童生徒就学サポ-ターの資質向上のための研修会の開催などを行っていく。
  • 子どもたちを取り巻く状況の変化をとらえながら、「自ら学ぶ力」を育てるために必要な支援体制を構築することに重点を置いていきたい。
  • より質の高い支援を継続的に実施していくために、指導補助者の登録について検討していきたい。

お問合せ先

総合教育政策局国際教育課

電話番号:03-6734-2035

-- 登録:平成24年09月 --