対象学年 | 題材 | 授業タイプ等 | |
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事例1 | 5学年 | 食品はどこから? | 授業タイプ1の例 |
事例2 | 6学年 | 歴史への入り口 | 授業タイプ2の例 |
事例3 | 3、4学年 | 私達のA県 | 在籍学級と連携する場合の例 タイプ2 |
事例4 | 3、4学年 | 母国へ手紙を出そう | 来日直後に学習する場合の例 タイプ1 |
「食料はどこから?」
5学年
3時間
食料品広告や製品ラベルをもとにカードを作ったり、食料の産地調べをしたりすることができる。
母国の食料が日本の食生活に深く関わっていることに気づき、母国と日本の関わりに関心を持ち、食料生産に関わる学習に意欲的に参加しようとする。
食料生産について関心をもち、気づいたことを簡単な文章で表現することができる。
活用するAUカード:
食料生産物をカードに示すことで、食料生産品の語彙を増やすとともに、大きな分類を表す語彙を獲得できるようにする。またそのカードを用いて世界地図に表して、単文を作ることで日本語の表現力を高める。
活動(教材) | AU | 学習支援 | 重要な語彙と表現 |
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語彙例:
表現例:
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「歴史への入り口」
6学年
単元を構成する時間数
2時間:
(1)写真や資料の見方
(2)年表の見方
外国から来た子ども達は、その国によって異なった文化や時代背景の中で育っている。そこで、日本という国が古くから歴史のある国であることを学習のはじめに理解しておいた方が今後の歴史学習をしていく上でスムーズに展開できると考え、こと単元を設定した。実際に写真や絵などの資料から今の日本と昔の日本の違いや、年表の見方について理解するためのスキルの獲得をめざしていきたい。
この活動計画案に示している語彙や表現は、だいたい聞いて意味が分かる、半分ほど話す時に使えて、簡単な言葉は、ひらがなで書くことができることを目指す。
市販の資料集や歴史CDソフトの教材などを活用する。
言葉の難しさで歴史に嫌気がさしてしまわないように、できるだけ視覚や体験活動を取り入れて興味・関心をもたせることが大切である。
活動(教材) | AU | 語彙と表現 | 学習支援 |
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1.大まかな時代ごとの絵、写真や資料を見て、それぞれの時代の特徴を探す (各時代の特徴を表す絵、写真、資料) |
社会科AUG‐4「絵、写真・映像を読み取る」 | 「むかし」 「今からどれくらい前なのか」 「今とちがうところ」 「時代」 (明治、大正などの名称) 「~がわかります。」 「~と~をくらべてみよう」 「○○年」 「紀元前、紀元後」 「○○時代」 歴史上の主な人物の名前 主な出来事、単語 「戦争、幕府、将軍、貴族、武士など」 |
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2.写真・資料の衣服や建物の特徴や背景を比べて、時代の古い順に並べてみる。(1時) | 社会科AUJ‐3「比較して結論を出す」 | ||
3.日本の歴史年表の見方を知る。 (簡略化した年表、時代と、その時代の特徴をあらわす語彙のカード) |
社会科AUG‐2「年表や暦を読み取る」 | ||
4.1時で見た写真・資料を年表の上に貼って、時代の大まかな流れを知る。 (1時で利用したR・写真、資料) |
社会科AUL‐5「テーマにあわせて年表や暦を作る」 |
「わたしたちのA県」
4学年(A県在住の外国人児童を想定して授業の計画を立ててある)
4時間
4学年は、社会科単元「私たちの県とまちづくり」で、県内の特色あるまちづくりの様子やそこで生活する人々の様子を学習する。日本人児童の場合、両親の出身地や祖父母・親戚の居所が県内の他地域であったり、家族で県内の名所や保養地などに出かける経験をもっていたりすることが多い。しかし、外国人児童は、そうした経験が少なく、県内各地の様子をイメージしにくいという実情がある。そこで、自分たちの住むまちや母国との比較を通して、県内各地の様子を自分なりにイメージし、在籍学級での学習に興味をもって取り組めるように、本単元を設定した。
その際、本やインターネットなどの資料から調べるだけではなく、他市から通ってくる職員や支援者、国際教室を訪れる様々な方からの聞き取り活動を組み入れることによって、インタビューによって情報を収集する技能や、コミュニケーションする力を養うことができる。日本語の面では、子ども同士のおしゃべりとは異なるインタビュー時のやりとりのパターンや必要な日本語の表現(特に敬語表現等)を学ぶ機会となろう。
「A県」に関する基礎的情報を理解し、在籍学級での社会科の学習に進んで参加しようとする態度を育む。
(1)教科面での目標(在籍学級の学習とリンクさせたプランであるため、ここで示す目標は在籍学級のものを含む)
(2)日本語面での目標
活用するAU:
社会科の学習用語(地図・東西南北・市町村・住所・特産品など)については、繰り返し意味の確認や文字の提示を行い、聞いたり見たりして意味が分かるようにする。インタビューに役立つ表現に関しては、質問の仕方を書くなど事前に準備し、それを使えるようにする。
活動(教材) | AU | 日本語の語彙と表現 | 学習支援 |
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語彙:
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語彙:
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自己紹介、用件、お礼 |
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4時間確保するのが難しい場合、1時間目の地図の見方や県の概観等は在籍学級で学習することもできる。また、インタビューと発表を同じ時間で扱うこともできる。インタビューしたことを発表するだけでなく、お礼の手紙を書く活動に発展させてもよい。
日本語の力が十分でない児童には、友だちと組でインタビューさせるとよい。
「母国に手紙を出そう」
単元を構成する時間数
3時間:
外国から来た子ども達は、母国へ手紙を書きたいと思っているが、日本で手紙を出す方法が分からない。そこで、この単元で、日本から母国への手紙の出し方を学ぶ。その際に、母国の人々へ、今の自分の生活や獲得しつつある日本語を紹介する。また、郵便局の人々と会話することで、実際の日本語のやりとりに慣れるために、この単元を設定した。
この活動計画案に示している語彙や表現は、聞いて意味が分かることを主たるねらいとする。ただし、郵便局で手紙を出すための表現や、郵便局、手紙、切手等の重要な語彙は話せるようにする。宛名はひらがなで書くことができることを目指す。
活動教材 | AUとその日本語表現 (教師の働きかけ中心) |
学習支援 | 語彙と表現 |
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トA‐4経験を確認する1 T:日本に来てから、手紙を出したことがありますか。いつ?誰に? 社M‐6「実際に体験をする」 T:国の友達に手紙を書いて見ましょう。何を書きますか。何を書きますか。始めに?それから?おわりに? |
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語彙:
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社M‐6「社実際に体験をする」 T:これを見てください。どこに、何が書いてありますか。 封筒に宛名と差出人を書きましょう。 社E‐5「施設を利用する」 T:郵便局に行って、手紙を出しましょう。料金を聞いてください。郵便局で気付いたことがありますか。 |
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語彙:
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社G‐4、G‐6「写真、図を読み取る」 T:この写真と図を見てください。手紙は、○国の友達の家に行くまで、どこを通って行きますか。 社L‐2「調べたことを図にまとめる」 T:手紙を出してから届くまで、シートの図にまとめましょう。 |
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語彙:
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単時間しかとれない場合は、まず日本で手紙を出す方法を理解させたい。そのため、指導者が住所を書いても良いし、郵便局へいっしょに行き、係員とのやり取りをみせるのも良い。
暑中お見舞い、年賀状、進級進学のお知らせ、学校行事へのさそいの手紙等、今後も手紙を書く機会を増やしていく。
総合教育政策局国際教育課
-- 登録:平成21年以前 --