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3.5.2 資料2 指導事例

(1)「まいごさがし」(低学年「話すこと聞くこと」)

まいごさがし-大切なことを落とさずに聞こう-

1.領域

 「話すこと・聞くこと」

2.対象学年

 2学年

3.指導時間数

 全5時間

4.指導形態

 在籍学級、一部取り出し

5.単元の設定理由とねらい

 本単元は、聞くことの力を付けるための単元である。
 聞く能力は、態度、聞き方、聞く内容から捉えられる。態度、聞き方については、「話し手の方を見ながら」「うなずきながら」「最後まで」などが挙げられる。特に本単元では、耳を澄まし集中して最後まで聞く態度を身に付けさせたい。
 次に、聞く内容についてである。学年に応じて、順序を考えながら聞き取る、要点を押さえながら聞き取るなどの目標が挙げられる。また、聞く目的によっても聞き方は、おのずと変わるものである。一言一句をもらさずに聞き取る場合もあれば、メモを取って大まかに話の概要を聞き取る場合もある。また、聞き取ったことを次にどう生かすかによっても聞き取るときの留意点や操作活動は変わってくる。さまざま場面に応じて、その目的に合った聞き方ができるようになってほしい。
 本単元では、大切なことを落とさずに聞き取ることを目標とする。「まいごさがし」の単元で聞き取る内容として大切なことはまいごとなっている人の特徴である。特徴を聞き取り、それを具体的に正確にイメージしていく聞き方が大切になる。まいごを探すという目的のためには必要でない情報を省き、大切なことだけを落とさずに聞くことができるようにさせたい。
 また、まいごをさがすことが最終的な目標になってしまわないように、応用編として、大切なことを聞き取ってまいご以外のものをさがす言語活動を計画したい。今回は、「わたしはだれ(何)でしょう」「先生を捜せ!」「スリーヒントゲーム」の3つの言語活動を考えた。この中から「先生を捜せ!」ゲームについて説明する。
 デジタルカメラで教師・指導者一人につき数枚の写真を撮っておき、その中から服装やもち物、特徴を聞いて本物の先生を捜すゲームである。写真は似ているほど間違いやすく、注意深く細かな違いを聞き取らなければならなくなるのでおもしろい。児童の集中力も高くなる。自校の教師・指導者を題材に扱うことによって、聞きたいという児童の興味関心を引き出すことができる教材である。
 方法としては、ゲーム的な活動をとおして、楽しみながら体験的に学習できるようにしたい。ゲームを楽しみながら大切なことを正確に聞き取るための工夫や注意に気付かせ、ただ何となく聞くのではなく目的に応じて意識して聞く力が付くようにさせていきたい。

6.学習活動過程(全5時間)
学習活動(具体的な言語活動)
次・時間
各局面における伸ばすべき国語力・日本語力 学習支援・指導と学習材
一次 1時
  1. 学習の見通しをもつ。
  2. まいごのアナウンスを聞いて、具体的な人物像を考える。
  3. 文字言語と耳で聞く音声言語の違いを考える。
  4. まいご探しをするために気を付けなければならないことは何かを考え、話し合う。
  5. まいごのアナウンスを聞いてまいごをさがしてみる
  6. 自己評価をする。分かったことややりたいことをまとめる。
  • 学習の見通しをもち大切なことを落とさないようにしながら興味をもって聞くことができる。
  • 聞き取りメモの代わりに、洋服や靴、帽子などの絵を用意し、聞き取った絵を選ばせる。
    (着せ替えカード)
  • 音声言語は消えてなくなってしまい、文字言語のように後に残らないことに気づかせる。
  • 集中して聞く態度と、聞き取るポイントを考える必要があることに気づかせる。
二次 2~4時
  1. 「まいごさがし」から必要なことを聞き取り、まいごを探す。
  2. まいごが探せなかったり、違う人物を選んでしまったりしたことから、気を付けなければならないことを考える。
  3. グループでまいごの問題をつくり、お互いに出題し合う。
  4. 自己評価をする。聞き取るときに気をつけなければならないことをまとめる。
  • 耳で聞きながら、人物の特徴をとらえ、具体的な人物像を描くことができる。
  • 繰り返し数人、「まいごさがし」を行う。
  • 何を聞き逃したのか、何かよけいなことはなかったかを考えさせる。
  • 正確に聞き取るための工夫はどうすればいいか考えさせる。
  • 書くことの負担を考え、聞き取ったことを3択で選び、○を付けるメモを用意する。
  • 母語によるメモを取ってもよいことにする。
三次 5時
  1. 選択制で大切なことを落とさないで聞き取るゲームを行う。
    1. わたしはだれでしょうゲーム
      (わたしは何でしょうゲーム)
    2. 先生を捜せゲーム
    3. スリーヒントゲーム(かるた)
  • 今まで学習したことを生かして、様々な問題から大切なことを落とさずに聞き取ることができる。
  • クラスの人物を班で一人決めて問題をつくり、だれなのかを当てさせる。(教室の中のものを質問から当てる。)
  • 同一人物で4~5枚の写真を用意し、細かな違いに気づかせる。
  • 「像です」「赤い服を着ています」「歯を磨いています」などの3つのヒントからどのかるたのことなのかを当てる。(動物カード)
7.単元の指導目標
  • ゲームを楽しみながら、集中して最後まで聞くことができる。
  • 活動の目的に応じて大切なことを落とさずに聞くことができる。
  • 聞いたことを忘れない工夫として、選択○付けメモや母語によるメモなどを使いこなすことができる。
8.支援・指導と学習材(リソース)

 本単元では、聞く力の実態に合わせた個別支援を大切にして、学習材を活用していく。

  • (1)各種聞き取りメモ(着せ替え人形のように絵を選ぶもの、選択して○を付けるメモ、母語を使ったメモ)
  • (2)「本物の先生を捜せ」ゲーム用デジカメ写真と問題、くじなど
  • (3)「わたしは何でしょう」ゲームの手引き
  • (4)スリーヒントゲーム用「どうぶつかるた」など

「先生をさがせ」ゲームの問題例

  • 眞弓先生をさがせ!
  • 眞弓先生は、白いブラウスを着ています。赤い花柄のスカートをはいています。
  • 赤いズックぐつをはいています。めがねをかけています。
  • 赤いボールをもっています。
  • もう一度繰り返します。…
    先生の写真8枚 
  • さて、本物の眞弓先生をさがしましょう。

ゲームの手引き例
「わたしは何でしょう」ゲームのやり方
 出題グループ

  1. 教室にあるものから問題を作る。
  2. 答えるグループに問題を出す。
  3. 質問に答える。「はい。」「いいえ。」しか言ってはいけない。

答えるグループ

  1. 出題グループが考えた問題を言い当てるために質問をする。
  2. 質問の回数を10回に限定して答えが何なのかを当てる。
    [例] 「それは黄色ですか。」「それはロッカーの上にありますか。」「それはテレビぐらいの大きさですか。」「それは細いですか。」
9.学習指導のバリエーション
  • (1)まいごさがしの問題を聞き取ることが困難な場合、事前に取り出し指導で何度か聞いて聞き慣れておくようにしたり、アナウンスをゆっくり話して聞き慣れさせたりする。
    聞き取りメモ例
     まいごのお知らせです。
     5才ぐらいの(男・女)の子がまいごになっています。
     名前はまゆみちゃんです。
     まゆみちゃんは(赤い・青い)シャツを着ています。
     (水玉の・花柄の)スカートをはいています。
     (白・黒)色のくつをはいています。
     手にはふうせんを(2つ、3つ)もっています。
     くりかえします。…
  • (2)「わたしはだれでしょう」ゲームによって集中して聞くことに慣れさせる。
  • (3)パネルシアターや絵本などの挿絵から答えを見つけるゲームにすることも可能。
  • (4)ゲームの形をさまざまに変えることによってまいごをさがすことが目的ではなく、大切なことを落とさないように聞くことが目的であることを明確にする。
  • (5)探すものをさまざまに変えることによって、語彙を増やすようにするとよい。
    • 1)先生をさがせゲームにおける語彙
      • 人間の体の部分 ・服や持ち物(めがねや帽子)・学校にある備品名 ・色やがら
    • 2)わたしは何でしょうゲームにおける語彙
      • 教室内のものの名前 ・形容詞(形、大きさ、色、重さ、手触りなど)
    • 3)スリーヒントゲームにおける語彙
      • 動物の名前 ・色や大きさ ・動作 ・体の場所 ・持ち物
  • (6)「国語科学習基本語彙一覧表」の語彙表から意図的に問題を作成しておくこともできる。
  • (7)問題の出し方のバリエーションとして3つ考えられる。
    • 1)教師・指導者が問題を出す。
    • 2)班ごとに問題を作成して問題を出し合う。
    • 3)個人で問題を作成して問題を出し合う。
  • (8)その他の聞く言語活動例
    • 絵描きゲーム→絵を描く手順を聞いて絵を描く。
      ・ 虫食い聞き取りゲーム→「○○さんは()へ行きました。」()に聞き取った場所を入れる。
      ・ 道(校舎)案内ゲーム→案内から目印や方向を聞き取り、行き先を当てる。聞き逃したり、分かりにくかったりしたところは、質問をして確かめる。
      ・ 電話連絡ゲーム→電話で聞き取ったことを絵や母語でメモをし、日本語や母語で他の人に口頭で伝える。

(2)「手紙を書こう」(低学年:「書くこと」)

「手紙」を書こう-運動会に来てね-

1.領域

 「書くこと」(手紙文)

2.対象学年

 低学年

3.指導時間数

 6時間

4.指導形態

 取り出し(在籍学級も可能)

5.単元設定の理由とねらい

 書くことを覚えた子どもたちにとって、「手紙」は書いたことが有効に働くことを実感できる、身近な活動である。実際に遊びの中でも、休み時間の相談や下校後の約束をやり取りしているお手紙ごっこの場面をときどき見かけることがある。
 学習活動としては、少し改まった状況を設定することによって、相手意識や書く目的・内容を明らかにしたり、文の書き方や文字に気をつけたりすることができると考えられる。具体的には、家族に運動会の招待状を書く場を取り上げる。
 運動会は、日本の学校生活では代表的な行事であるが、日本語を母語としない子どもたちやその家族にとっては、あまり経験のないものでもある。時には、競技に全員が参加することに驚いたり、徒競走では全員が力いっぱい走り競うことに戸惑ったりすることもある。運動会の招待状を書く活動を通して、不思議に思うことや感じたことを表現したり、それを教師・指導者や友達に聞いたりできるよさもある。また保護者にも、ただ目の前の運動会の様子だけではなく、練習の過程や子どもたちの気持ちを知ることによって安心して参観することができるだろう。
 日本語の学習としては、自分の出場する競技の説明の中で、順序を表す言葉を使ったり、がんばったことや見てほしいところなどの気持ちを表す言葉を使ったりすることをねらっている。また、自分が伝えたいことだけではなく、招待される家族にとって必要な情報は何かを考えさせることによって相手意識を持たせた学習を行うようにしたい。

6.学習活動過程(全6時間)
学習活動(具体的な言語活動)
次・時間
各局面における伸ばすべき国語力・日本語力 学習支援・指導と学習材
一次 2時
  1. 導入・学習課題を把握させる
    • これまでに、手紙を出したりもらったりしたことはあるか。
    • 手紙を出すときにはどんなことに気をつけたらいいか。
  2. 家の人に運動会の招待状を書くことを知らせ、必要なことは何か話し合わせる。
    • 招待状に書くことを書き手の立場、読み手の立場、両方から考えさせる。
  • 手紙のよさ、特徴に気がつく。
  • 大事なことを正確に落とさずに書こうとする。(いつ、だれが、どこで、なにをする)
  • 読む人の身になって書く。
  • 文末表現や文字を丁寧に書こうとする(です、します、ください、など。読みやすい文字で)
  • 今までもらった手紙やもらった経験。
  • 学校からの配付物。
  • 電話と比べて考える。
<必要と思われること>
 運動会の日時、種目の順番(児童が出る種目の順番や競技位置)、種目の説明、家族の出る種目の説明、集合場所など、その他、説明図、挿絵などレイアウトの工夫。
二次 3時
  1. 下書きを書く。
    • 下書きをし、教師が目を通してから清書するという手順をふませる。文字や文章表現のあやまりを直すとともに、その子どもらししさのでるものになるよう、内容面でもアドバイスする。
  2. 清書する。
    • 複数で学習している場合は、清書の前に互いに交換して読み合い、校正したり、互いのよさを認め合い、まねしたいところは取り入れさせたりしてもよい。
  • 順序を考えて書く。
    • まず
    • つぎに
    • さいごに
  • 文と文のつながりを考えて書く。
  • 書いたものを、読む人の立場になって、分かりやすいか、こころがこもっているか読み直す習慣をつける。
  • 基本的な文型の形を示したワークシートを用いたり、黒板に書かれたものをなぞってかいたり、白い紙に自分でレイアウトして書いたり、すでにあるプログラムに付け足す形で書いたりと、個々の子どもや学級の実態に応じた形で取り組ませる。
<筆記用具の工夫>
  • フエルトペン、色鉛筆など
三次 (運動会終了後に行う)
  1. お礼状を書く。
  • 前書き・本文・あとがき
  • ここでは形ではなく気持ちを伝えることを重視する。
7.単元の指導目標
  • 相手に必要な情報を整理して書くことができる。
  • 正しい文体で、丁寧な文字を書くことができる。
  • 気持ちと事実を分けて書くことができる。
8.支援・指導と学習材

基本的な文型と文例

  • (1)<招待状>
     ○(丸)月○(丸)日○(丸)よう日に、うんどう会があります。
     かい会式は○(丸)時から、はじまります。
     ぼくは、せんしゅせんせいを6年生のおねえさんといっしょにすることになりました。大きな声でがんばります。
     うんどう会は、あかぐみ、しろぐみにわかれてたたかいます。
     ぼくは、○○(丸丸)ぐみです。あかぐみのおうえんせきは、らくだ山のまえです。
     ぼく(わたし)がはじめにでるのは、ときょうそうです。○○(丸丸)レースの○○(丸丸)コースを走ります。50メートルを力いっぱい走ります。よこうれんしゅうでは、うしろから2ばんめでした。でも、さいごまでいっしょうけんめい走るのでおうえんしてください。
     次に出るのはおおだまころがしです。
     4人でおおきなたまをころがします。ぼくはうしろから、おすかかりです。カーブのところがむずかしいけれど、たくさんれんしゅうしたのでみていてください。
     さいごは、ダンスです。おさかなてんごくの歌にあわせておどります。これはじしんがあります。2ばんから、ぼくが前のれつでおどるのでよくみていてください。
     おひるは、家の人といっしょにおべんとうをこうていでたべるそうです。おかあさんのおいしいおべんとうがたのしみです。できたら、おむすびとたまごやきがいいな。
     おばあちゃんやおじいちゃん、みんなできてください。
     おうえん、よろしくおねがいします。
  • (2)お礼状
    前書き
     おかあさん、このあいだは、うんどう会のおうえん、どうもありがとう。
    本文
     (こころにのこったきょうぎやたのしかったことなど、じぶんのきもちをかく。)
    あとがき
     ぼくは、ずいぶん、にほんのがっこうにもなれてきました。ともだちも、たくさんできした。お母さんも、からだにきをつけて、これからもぼくをおうえんしていてください。
     ○(丸)月○(丸)日 ○○○ ○○
      ○○○ ○○さま (たてがきのときはあてなはさいごにかくが、よこがきのときはいちばん上にかく)
9.学習指導のバリエーション
  • (1)手紙の形にしたり、パンフレットのような形にしたりすることができる。
    • パンフレットの形にした場合は、文章のつながりよりはむしろレイアウトを工夫させ、プログラムだけでなく、応援歌や応援席の位置、競技位置の図なども交えて書かせるとよい。
    • 見出しや筆記用具も工夫させたい。
  • (2)日本語力に合わせて、詳しい競技の説明や見所を書かせる。また、練習のとき大変だったことや予行練習での様子なども伝えさせる。また、出場する競技すべて書く必要はなく、どれか一つにしぼらせてもよい。
  • (3)競技のこと以外でも付け足してよいことをいう。
    • 係りで活躍すること。
    • お弁当のリクエスト。
    • さいごでもいっしょうけんめいがんばるからおうえんしてね、など。
  • (4)文化祭や学習参観など他の行事で行うこともできる。
    • また、校長先生など相手を決めて手紙を書いたり返事をやり取りしたりする活動を仕組むと、子どもは相手の手紙を読むことができ、さらに学習の深まりや広がりが期待できる。
    • 簡単なやり取りを日常の中で繰り返し行うことも効果的である。
  • (5)家族や本人の実態に応じ、場合により母語との併記も考慮する。
  • (6)場合によっては、招待した行事終了後お礼状を書くという学習活動をするとよい。
  • (7)この学習活動自体は易しくも、また難しくも展開できるので、低学年に限らず、高学年児童でも活用できる。

(3)「もとにもどしてー!」(1~6学年:「読むこと(物語文)」)

もとにもどしてー!-バラバラになった物語をもとにもどそう-

1.領域

 「読むこと(物語文)」

2.対象学年

 1~6学年(中学校でも可)

3.指導時間数

 3~4時間

4.学習集団取り出しが基本(学級でも可)
5.単元の設定理由とねらい

 本単元は「物語の順序をバラバラにして、元どおりに正しく復元する活動(モンセラサルト「読書のアニマシオン」による)」をベースに行う授業である。
 国語の授業、特に物語や説明文の読解の授業に参加するには、まず内容を把握する力が求められる。しかし、物語文を読み、その内容を理解していくのは、子どもたちには非常に難しい。
 本活動を行うことにより、物語の順序をたどる活動から、内容把握、内容理解につなげていく力を付けることをねらっている。また、在籍学級で学習する物語教材を事前に本単元で扱うので、在籍学級での授業の事前に内容が把握できる。そのことで、在籍学級での授業への参加の負担軽減、意欲づけにもつながると考えられる。
 また、日本語を母語とする子どもたちが授業の中で付けていく、「読む力(内容把握、情景認識、場面構成の力、要旨をつかむ)」も、本単元で付けていくことをねらっている。視覚的な理解から、読むことによる理解に移行していく活動も仕組んでいくことにより、「読む力」を育成することができると考え、本単元を設定した。

6.学習活動過程
学習活動(具体的な言語活動)
次・時間
各局面における伸ばすべき国語力・日本語力 学習支援・指導と学習材
一次 1時間
  1. 紙芝居を聞く。
  2. 紙芝居(物語の挿絵)の順序をバラバラにし、物語の進行にしたがって正しい順序になるよう並べ換える。
  3. 並べかえた紙芝居をもとに、子どもの言葉で物語を再現する。
  4. ワークシートなどに、物語を記入する。
  • 新しい語彙の学習。
  • 事柄の順序を考えながら聞く。
  • 場面の移り変わりや情景を思い浮かべながら読む。
  • 大事なことを落とさないようにしながら興味をもって聞く。
  • 事柄の順序を考えながら、相手に分かるように話す。
  • 筋道を立てて話す。
  • 事柄の順序を考えながら、語と語や文と文の続き方に注意して書くこと。
  • 場面の移り変わりや様子、心情を表す言葉の部分はゆっくりと、必要に応じて説明を加えながら読む。分かりづらい語句は母語でのサポートを行いたい。
    ※教科書の物語教材を紙芝居にしたもの
  • 間違いがあった場合、3の活動を行い、間違いに気づかせる。難なく復元できた子どもには、教師・指導者がわざと間違えたものを提示し、どこが、なぜ違うのかを指摘させるのも有効である。
    ※子どもが複数の場合は、紙芝居を縮小コピーして、それぞれに渡す。
  • 必ずしも正しい表現でなくても、内容が把握できていることがわかればよい。物語の進行に欠かせないキーワード(時間、登場人物、場面、情景などを押さえさせる。)
  • ここでも、表記上の正確さはあまりもとめない。また物語の進行上、必要最低限の記述に絞らせる。
    ※紙芝居の縮小コピーを貼り、その側に文で記入するワークシート。
二次 1~2時間
  1. 絵にかえて、「短冊にした文章」をバラバラにして並べかえる。
  • 段落相互の関係を考えたりしながら読むことができるようにする。
  • 子どもの発達段階や日本語能力に応じて、絵と文章を両方おりまぜ、最後に文章だけで並べかえられるようにする。
    ※文章の短冊。
三次 1時間
  1. 自分の気に入った場面、心に残った場面を選んで、絵と感想を書く。
  • 相手や目的を考えながら書くこと。
  • 自分の考えが明確になるように、簡単な組み立てを考えること。
  • 書こうとすることの中心を明確にしながら書く。
  • どんな場面のどんなところをどう思ったのかを、記入できるよう支援する。
    ※絵と感想がかけるワークシート。
7.単元の指導目標
  • 物語のあらすじ、内容が分かる。
  • 事柄の順序を考え、場面の移り変わりや情景を思い浮かべながら、大事なことを落とさないように聞くことができる。
  • 「視覚的な理解」から「読むことによる理解」ができるようにする。
  • 本単元で扱う語彙がわかる。
8.支援・指導と学習材(リソース)
  • (1)学習材
    • 作品(題材)は、教科書教材から選び扱う。
    • 題材で扱う物語の紙芝居(多くは自作になる。別紙リスト参照。)
    • ワークシート(左に縮小した紙芝居、右にその場面を自分の言葉で記入する。)
  • (2)本単元を扱う時期は、在籍学級での授業の少し前に、予習として行う。
  • (3)複数の子どもたちに行うときは、紙芝居を縮小コピーし、机上で活動させる。
  • (4)自分の言葉で物語を再現させる活動では、必ずしも完璧に正しい文章表現を求めない。内容を理解しているか、物語の順序を把握するなど正しく場面を認識しているか、情景を頭の中に描けているか、などを評価の観点にして支援していくことが望まれる。
  • (5)本単元に関わりのある学習語彙
    • 小学校低学年
       見つける、探す、置く、直す、順番、はじめ、おわり、最初、最後、お話、物語、童話、絵本、紙芝居、作品、作者、登場人物、主人公、絵、あらすじ、様子、気持ち、気を付ける、思い出す、思い浮かべる、見つける、選ぶ
    • 小学校中学年
       内容、出来事、筋道、感情、感動(する)、心に残る、説明する、会話、感想、正確、物語、場面
    • 小学校高学年
       情景、文章構成、主題、視点、クライマックス、感想文、要旨、重要な、心を打たれる、表情、文章表現、人物描写、行動描写、心理描写、会話描写、自然描写、情景描写、訂正する、検討する、イメージ、想像する、確認する
9.学習指導のバリエーション
  • (1)指導形態(取り出し、在籍学級)を変えたり連携させたりする。
     一度取り出し指導を行ってから、もう一度同じ活動を在籍学級で行う。日本語を母語とする学級の子どもたちへの活動としても、導入に使えば非常に有効である。この活動を取り出しで行った子どもたちが、復習・深化の目的で在籍学級で再度行うと、より効果的である。在籍学級での授業の負担軽減や、何より積極的に参加する意欲づけにもなると思われる。
  • (2)学習活動の難易や広がりの変化、発展。
    • わざと教師・指導者が並び間違えたものを提示し、どこが、なぜ間違えているのかを言わせる。
    • 紙芝居の絵を見せずに、文だけを聞かせて、紙芝居の絵を並べさせる活動。
    • 子どもの年齢や発達段階、日本語の運用能力などを考え、並べ換えるものを、紙芝居や挿絵などの「絵」ではなく、短冊などに書かれた「文書」で行う。短冊の文書は、子どもたちの実態に応じて、大きなまとまりの文にしたり、短く細分化したりする。またはじめは大きなまとまりの文で行い、だんだん短く細分化した短冊に移っていく。
    • 登場人物のセリフだけの短冊を作り、紙芝居のどの場面での、誰のセリフかを当てさせる。
    • 教科書に出てくる説明文でも、同じ活動が行える。読みとりの困難な説明文の教材において本活動は、内容を把握し、段落相互の関係や要旨をとらえる手助けになると思われる。子どもたちの実態にあわせて、説明文を紙芝居にして提示するとよい。(短冊や紙芝居の右上に接続語などを分かりやすく大きく示すとよい。)
    • 登場人物が話の中でもっていた物をカード化し、誰がもっていた物かを当てる活動などもおもしろい。

「もとにもどしてー!」作品別留意事項一覧(光村図書教科書の文学作品)

学年 作品名 工夫や留意点 発展、バリエーション 紙芝居・絵本
1上 はなのみち
  • 教科書と絵本で絵柄が異なる。
  • 教科書の挿絵をコピーして紙芝居化しても活動できる。
  • 文が平易でわかりやすい。文も短く、挿絵も4枚(起承転結)なので、この活動の導入や、初期指導の子にも使える。
絵本:岩崎書店
1上 おむすびころりん
  • 同じ話では紙芝居もあり、絵本も多くあるが、記述や文体、絵柄も教科書とは大きく異なる。
  • 教科書の挿絵をコピーして紙芝居化しても活動できるので、教科書からの自作がよいと思われる。
紙芝居:教育画劇
1上 ぐりとぐら
  • 本活動に適しているが、教科書では紹介程度の内容。
絵本:福音館書店
1上 大きなかぶ
  • 教科書と絵本で、記述が大きく異なる(ひっぱる人物の順番)ので絵本を使う場合は注意が必要。教科書の挿絵は6枚あるので、教科書で作成する方がよいと思われる。
  • 児童の出身国の童話を紹介する活動を入れたい。
絵本:福音館書店
1下 くじらぐも
  • 絵本や紙芝居はないが、教科書の挿絵(5枚)をコピーして紙芝居化しても活動できる。
書き下ろし
1下 ずうっと、ずっと大好きだよ
  • 絵本は教科書より挿絵が多く、教科書と同じ図柄。
絵本:評論社
1下 たぬきの糸車
  • 昔話なので、日本文化、日本の昔の様子や特有の言葉を教えるのに適している。
  • 絵本や紙芝居はないが、教科書の挿絵をコピーして紙芝居化しても活動できる。
書き下ろし
2上 ふきのとう
  • 絵本や紙芝居はないが、教科書の挿絵をコピーして紙芝居化しても活動できる。
  • 「ふきのとう」は、図鑑・写真などを使い事前に説明する必要がある。
  • 学年の初出教材なので、実施時期が難しい。
書き下ろし
2上 スイミー
  • 絵本の挿絵の方が数が多い。特に途中に出てくる、くらげ、いせえび、こんぶやわかめなどは、それぞれ1ページずつ挿絵があるので、児童がイメージしやすい。
絵本:好学社
2下 お手紙
  • 教科書でも挿絵が10枚なので、教科書の挿絵から紙芝居の作成が可能。
  • 会話が多いので、読み聞かせるときに登場人物によってしっかりと声色を変えてやる。
絵本:文化出版局
2下 三まいのおふだ
  • 紙芝居は絵が教科書と異なる。絵本と教科書は挿絵が同じ図柄。挿絵の数は絵本の方がずっと多い(15枚)ので絵本から紙芝居を自作するのが望ましい。
  • 昔話の語り口調が多く、語句も昔の言い回しが出てくる。児童の日本語力を考え、活動の際には、はじめに現代の言い回しに変えて読み聞かせるなどの配慮も必要になる。
絵本:童心社
紙芝居:「たべられたやまんば」
童心社
2下 スーホの白い馬
  • 絵本は教科書より挿絵が多く、教科書と同じ図柄(一部異なる)。長い物語なので、絵本からの自作が望まれる。
  • 外国の作品なので、在籍学級で児童の出身国の物語を紹介する活動も望まれる。
本:福音館書店
3上 三つのお願い
  • 学年の初出教材なので、実施時期が難しい。
  • 教科書の挿絵は6枚。少し自作で足して使いたい。
書き下ろし
3上 きつつきの商売
  • 本はあるが、その本には挿絵はほとんどない。自作が必要。
  • 学年の初出教材なので、実施時期が難しい。
絵本:「森のお店やさん」アリス館
3上 三年とうげ
  • いろいろな国や地域の物語に興味を持たせる事が、本単元の目標であるので、児童の出身国のお話を積極的に紹介したい。
  • 絵本は教科書より挿絵が多く、教科書と同じ図柄。絵本からの自作が望まれる。
絵本:岩崎書店
3下 モチモチの木
  • 絵本は教科書より挿絵が多く、教科書と同じ図柄。絵本からの自作が望まれる。
  • 独特の言い回しや語句に注意が必要。
絵本:理論社
4上 白いぼうし
  • 本はあるが、その本には挿絵はほとんどない。教科書の挿絵にいくつか足して自作されるのが望まれる。
本:「車の色は空の色」ポプラ社
4下 ごんぎつね
  • 絵本も紙芝居も教科書の図柄とは異なる。
  • 教科書の挿絵は9枚。重要な場面を少し自作で足して使いたい。
  • 紙芝居は図柄が違うが、その場合、読む文章は教科書の文章を使うようにしたい。(紙芝居と教科書の記述が異なるので。)
絵本:・「新美南吉全集第」大日本図書・偕成社・ポプラ社
紙芝居:童心社
5上 新しい友だち
  • 学年の初出教材なので、実施時期が難しい。
  • 教科書の挿絵は8枚あるので、少し文が長いが、それだけでも自作可能
書き下ろし
5上 プラムクリークの土手で
  • 本はあるが、その本には挿絵はほとんどない。教科書の挿絵にいくつか足して、自作されるのが望まれる。
本:福音館書店
5下 わらぐつの中の神様
  • 本はあるが、その本には挿絵はほとんどない。教科書の挿絵にいくつか足して、自作されるのが望まれる。
  • 物語の進行の中に回想シーンがあり、場面構成を理解するのが、国語科での指導内容でもある。本活動での難易度は高いが、それが逆におもしろさにもつながり、学級の授業への理解に大きく役立つと思われる。
本:童心社(フォア文庫)
5下 大造じいさんとガン
  • 本はあるが、その本には挿絵はほとんどない。教科書の挿絵にいくつか足して、自作されるのが望まれる。
本:「椋鳩十童話集1」小峰書店
5下 月夜のみみずく
(詩)
  • 絵本は教科書より挿絵が多く、教科書と同じ図柄。文章が絵と離れているので、自作しやすい。
絵本:偕成社
6上 森へ
  • 本の写真は教科書と同じで、本は教科書より写真が多い。
  • 学年の初出教材なので、実施時期が難しい
  • 文章は長く、難しいが、本から紙芝居を自作し、説明を詳しくしていけば(クイズ形式などで)可能。
本:「たくさんのふしぎ傑作集」福音館書店
6上 やまなし
  • 絵本は2種類。福武書店のものは、よりリアルに描かれている。
  • 絵本を使うと視覚にとらわれる懸念もあるが外国人の子どもたちには、まずは情景・内容把握のために行っておきたい。
本:福武書店
偕成社
6下 海の命
  • 絵本は教科書より挿絵が多く、教科書と同じ図柄。絵本からの自作が望まれる
  • 児童の心情に重ねて授業を展開できる。
絵本:ポプラ社
6下 きいちゃん
  • 本はあるが、その本の挿絵は教科書と同じ数で、数は少ない。教科書の挿絵にいくつか足して、自作するのが望まれる。
  • 児童の心情に重ねて授業を展開できる。
本:アリス館

(4)「生き物のひみつを探ろう!」(中学年:「読むこと(説明文)」)

生き物のひみつを探ろう! -多様な方法で調べて事典を制作-

1.領域

 「読むこと(説明文)」

2.対象学年

 中学年

3.指導時間数

7時間

4.指導形態

 在籍学級

5.単元の設定理由とねらい

 中学年の子どもたちは、さまざまなことに興味関心が強く、また自分で疑問を解決したいという意欲を持てる時期である。このような時に、自然界の不思議な出来事に出会うことは意義深いことである。また、教科書以外の本を読むなどして自ら調べることで、新しい発見をしたり、自然に対する洞察力を高めたりすることができよう。
 そこで、本単元では、教材文を読み、それについてできるかぎり多様な方法(本、テレビ、インターネット、聞き取りなど)で調べさせる。それをグループで事典にまとめ仕上げさせ、みんなで読み合わせたい。
 例えば、教材文「ありの行列」を読んだ児童は、ありが道しるべをつけながらえさを運んでいることを知るが、その他のありの生態についても調べてみることを課題とする。そして、それらをグループでまとめて一冊の事典に仕上げさせる。また、あり以外の他の昆虫や生き物についても、課題をもって取り組ませる。
 このような学習方法は、

  • (1)子どもたちそれぞれの興味関心に基づいて学習が進められ、意欲的に取り組める。
  • (2)事典を作成するために、教科書の内容を正しく把握する力が必要とされる。そのために、子ども自らが繰り返し読むことを必要とする。
  • (3)教科書を起点とするが、さらに生き物について調べ事典にまとめるので発展的、総合的な取り組みとなる。
  • (4)この学習過程においては、子ども個々人の能力に応じた取り組みが可能となる。したがって、日本語の語彙が少なく日本文化の知識が欠しい子どもであっても、自分で調べたり聞いたり、友達と協力しながら学習を進めることができる。
6.学習活動過程(全7時間)
学習活動(具体的な言語活動)
次・時間
各局面における伸ばすべき国語力・日本語力 学習支援・指導と学習材
一次 2時
  1. これまでに「あり」を観察したことがあるか、経験を発表する。
    (例「ありの行列」を学習する場合)
  2. 教材文を読む。
    • 範読又は範読テープ・CDを聞く。
    • 斉読する。
  3. 学習課題を協議し、学習計画を立てる。
    (例「昆虫の不思議な生態を調べて、事典を作ろう」)
    【学習計画表】
  • 自分の経験を思い出し、聞き手がよくわかるように話すことができる。
  • 友達の話の内容を理解して聞き取ることができる。
  • 聞き手がよくわかるように文章を読むことができる。
  • 学習課題を考えることができる。
  • できれば、実物や写真などを提示して関心を高める。
  • 範読テープ・CDを用意する。
  • 斉読したり、1段落ごとに一人読みするなど、できるだけ音読の機会を多く与える。
二次 4時
  1. 事典を作成するために必要な事柄を話し合わせる。
    • 目次の立て方
    • 見出しのつけ方
    • 説明の文章の書き方
    • 写真や絵の活用
    • カラーペンや色鉛筆などの活用
    • レイアウトの仕方
    • キャラクターによる説明
    • 吹き出しの活用
  2. 教材文を読み、段落ごとに要点をまとめる。小見出しをつける。
    【ワークまたはノート】
  3. グループで分担して事典を作成する。
    • グループで、何の事典を作成するのかを決める。
    • 関連の資料を図書館で読む。インターネットで調べるなどする。
    • 表紙、目次、本文、後書きなどを分担する。
    • 小見出しを生かして題をつける。本文は、大事な言葉を落とさないようにして、短くまとめる。
    【ワーク】【事典用のケント紙】
  • 事典の書かれ方を図書館などで調べることができる。
  • 各段落に書かれている内容が分かる。
  • 各段落に小見出しをつけることができる。
  • 関係資料を読むなど課題について調べることができる。
  • 読み手がよくわかるように説明の文章を書くことができる。
  • 児童のもっている事典や、図書館の事典などをモデルにして、事典の文章の書き方や作成の仕方を調べさせる。
  • グループで協力して1冊の事典を作成させる。
  • 外国人児童がわかりにくい時は、グループで話し合わせるようにする。
  • 短く的確な文章が書けるように字数を決めておいてもよい。
  • 読み手が理解しやすいように、写真や絵を用いて表現させる。
三次 1時
  1. グループで仕上げたものを、互いに読み合う。感想をカードに書き交換する。
    【アドバイスカード】【自己評価カード】
  • 互いに他のグループの事典を読み、感想を交換することができる。
  • 作成した事典は、学級文庫、学校図書館などに並べて、他の子どもたちに読んでもらえるようにしてもよい。
7.単元の指導目標
  • 生き物に関心を持ち、科学読み物を多読することできる。
  • 説明的な文章にふさわしい音読をすることができる。
  • 教材に書かれている内容を把握することができる。
  • 関連図書を読んだり他の方法で調べたりしたことを、事典の形式でまとめることができる。
  • グループで協力して事典を作成することができる。
8.支援・指導と学習材
  • (1)本単元で使用する教科書教材は、以下のようなものである。
    • 「ありの行列」(光村図書3年上)、「めだか」(教育出版3年上)、「いるかのひみつ」(教育出版3年上)、「自然のかくし絵」(東京書籍3年上)、「ヤドカリとイソギンチャク」(東京書籍4年上)、「花を見つける手がかり」(教育出版4年上)、「とんぼの楽園づくり」(教育出版4年上)、「ウミガメのはまを守る」(東京書籍4年下)など
       教科書教材以外にも関連図書を多読させたいので、学校図書館をはじめ地域の図書館の利用を図りたい。
  • (2)図書資料以外の調べ方があることにも目を向けさせたい。(人に尋ねる、インターネットで調べる、テレビやビデオテープなど。)
  • (3)「事典を作成するために必要なこと」を、子どもたちに事前に調べさせておく。事典とは何か、どんなことが、どんな順序や方法で書かれているかなどを調べさせる。
  • (4)事典を作成するには、グループで協力させるほうがよいと思われる。一人ですると時間を要することもあり、協力して仕上げた喜びを味あわせたい。特に日本語を母語としない子どもたちには、グループ学習を進めるなかで、互いに教え合い理解し合える機会にさせたい。
  • (5)事典の作成は、画用紙に書き、それを絵本綴じで仕上げればよいと思われる。(書き上げたものを中表の2つ折にする。その裏同士を糊で貼り合わせて製本する。)
     文字を丁寧に書くために、あらかじめ画用紙に原稿罫を印刷しておいてもよい。または、上質紙に原稿罫を刷っておき、そこに書いたものを切り取り、写真や挿絵との配置関係を決め、画用紙に貼って仕上げると、より個性的なレイアウトができる。
  • (6)奥づけ・作者紹介を付けると本物の事典らしくなり、子どもたちは作者意識を味わえる。作者紹介にはグループ全員の写真を貼り付けてもよい。
  • (7)本単元に関わりのある学習語彙
    • 対象語(文書全体の概念内容や事実を表す語)
      文、文章、中心文、要点文、要点、キーワード、段落、内容、文章の組み立て、見出し、行をあらためる、事実、疑問、手がかり、問題、理由、文をつなぐ言葉、目あて、など
    • 操作語(概念内容や事実を明らかに操作や手続きに関する語)
      書き込む、メモを取る、組み合わせる、まとめる、整理する、聞き伝える、知らせる、報告する、記録する、読み比べる、など
9.学習指導のバリエーション
  • (1)学習課題は個人で設定して、それぞれの知識、体験、能力に見合ったものがよいものと思われる。もし、母国での体験や、家族に聞いた情報によって事典制作がなされたら、そこで、日本と母国との異文化交流が図られることになる。
  • (2)事典のページ数は制限しないで、最低基準(例えば、一人一課題で書くなど)を設けて始めればよい。子どもたちが意欲的になれば、進んで多くの枚数が書かれるであろう。
  • (3)音読中心の学習展開をする。(全7時間)
    • 1)音読ボクシング大会をすることで、音読に対する関心を高め、説明文の読み方について考える。(発声・発音・抑揚・強調・速さ・間のとり方・説明文の読み方など)
    • 2)説明的な文章を音読することで、より個性を発揮した自己表現をさせる。
      学習活動(具体的な言語活動)
      次・時間
      各局面におけるのばすべき国語力・日本語力 学習支援・指導と学習材
      一次
      1. これまでに生き物の観察した経験や知っていることを話し合う。
      2. 学習課題を話し合う。
        例 「説明文を読み合って音読ボクシングをしよう」
      • 聞き手によく伝わるように話の内容をまとめることができる。
      二次
      1. 範読テープ・CDを聞き、教材文を読む。
      2. 大段落(意味段落)に分け、小見出しをつける。
      3. 音読記号、重要語句や接続語のマーキングをして音読をする。
      4. 大段落を目安に、グループで音読する範囲を決める。
      5. グループで音読の練習をする。
        • 読む分担を話し合ったり、音読を聞き合ったりして教えあう。
      • 範読テープ・CDを聞き、説明文の音読について理解する。
      • 話のまとまりがわかり、文章の概観を捉えることができる。
      • 大段落ごとに小見出しをつけることができる。
      • 文章の中の重要語句などがわかる。
      • テレビ番組のナレーションを聞かせて、モデル学習をしてもよい。
      • 教科書の本文を印刷して書き込みやマーキングができるようにしておく。
      • 重要語句、接続後などは、色分けしてマーキングすると視覚的にわかりやすい。
      • 音読記号はクラスで話し合って決めるとよい。(発声・発音・抑揚・強調・速さ・間のとり方など)
      三次
      1. 音読大会をする。
        【アドバイスカード】
      2. 学習を振り返って自己評価する。
        【自己評価カード】
      • 説明文の読みに相応しい読み方ができる。
      • 音読ボクシングの方法は、別に示す。
    【音読ボクシングの仕方】
    • 1)グループ対抗音読大会なので、1グループ4人のグループを作る。
    • 2)教材の同じ範囲を対戦グループで読み合う。他の子どもは審判員となり、赤帽または白帽をあげて、勝敗を決める。
    • 3)トーナメントにしてもよいし、各リーグで得点の多い順で勝敗を決め、2回戦に進出するようにしてもよい。できるだけ公平に勝敗が決まるように配慮する。1回戦で負けても、敗者復活戦や、○○決定戦などをしてすぐに終わらないようにする。
    • 4)司会は子どもがする。
    • 5)舞台はできるだけ、実際のボクシングのリングに近い形に設定すると子どもたちの意欲が高まる。(例.赤と青のコーナーにわける。カラーコーンを使用する。ゴムで囲ってリングにするなど)
      (クラスを2グループ分ける場合は、教材文を1グループの全員で分担するとよい。対戦ごとに同じページを読む。審判は、保護者や隣のクラスなどにしてもらう。)

(5)「辞書をひこう」(中学年:「言語事項」)

辞書をひこう-わからない時どうする?-

1.領域

 「言語事項」(語句指導のうち、辞書指導)

2.対象学年

 4学年

3.指導時間数

 3時間

4.指導形態

 取り出し、在籍学級

5.単元の設定理由とねらい

 理解語彙を増やし、できるだけ多くの漢字が読めることは日本語の文章を読む上で大きな鍵となる。語句の意味を正確に把握していないために読むことや書くことの言語活動がつまずくこともある。だからといって、指導者が常にそばに居るわけにはいかず、学習者が主体的に疑問点を調べ、学習に取り組む必要がある。そのためには、辞書の仕組みと使い方について理解し、用途目的に応じた辞書を選び、活用する術を学ばなければならない。言葉の意味や使い方、書き表し方を調べる方法を学べば、他教科における語彙習得も可能となり、より発展的な学習へとつなげることができる。そこで、本単元は、文章内容を理解したり、表現したりするために必要な文字や語句について辞書を利用して調べる方法を理解し、実際に辞書を使いこなせるよう指導する。

6.学習活動過程(全3時間)

 ここでは、場面に応じた辞典利用の指導が必要になるので、一欄表の形式ではなく学習活動を具体的に想定しなから書いていくことにしたい。
 辞典利用でまず大切になってくるのは、「読んでみたい文章の中に意味のわからない言葉があったとき、どうするか?」というところから、辞書の必要性に気付き、積極的に活用させることである。
 国語科では通常4、5学年で国語辞典を、5、6学年で漢和(字)辞典の引き方を学ぶ。日本語を母語としない子どもたちは「母語・和(日曜日)辞典」の活用から始まり、教師・指導者は「和(日曜日)・外国語辞典」で語意を示す。外国語辞典の場合、アルファベット順のものが多いが、五十音順のものもある。いくつかの種類の辞書を紹介し、用途、目的に応じて辞書を選択する。
辞書を活用することで、語彙、漢字の意味などを理解し、さらに活用する力、読む能力、書く能力をつける。

[授業の流れ]
< 導入>
 ねらいを理解させる。下記の例文を読む。

[例文]
 ここに辞書があります。
 辞書にはいろいろな種類があります。厚さが10センチメートル以上もある大きなものから、手のひらに乗るぐらい小さなものまであります。外国の言葉を日本語に訳したものや、日本語の意味を説明したもの、漢字の読み方がわからない時に調べるものなど、たくさんの種類があります。
 みなさんが本を読んでいる時、わからない言葉や漢字にぶつかったら、まず、辞書をひいてみてください。

<辞書を紹介する>
 外国語・和(日曜日)辞典、国語辞典、漢和(漢字)辞典、類語辞典、アクセント辞典、外来語辞典、etc.

  • 1)上記の例文中で意味がわからない単語がありますか?
     上記の例文中で読み方がわからない漢字がありますか?
  • 2)わからない単語にアンダーラインを引きましょう。
  • 3)辞書を引いて調べてみましょう。
     <辞書の引き方にはルールがあります。>
  • 4)単語リスト、漢字リストを作ってください。
     「例」 辞書=(イコール)(中)辞典厚さ=(イコール)(中)厚手のひら=(イコール)(中)手掌

[活動のバリエーション]

  • 次の文章を読んでみよう。
     暗い物置に住んでいるせいか、ハリーは年の割には小柄でやせていた。その上、着るものはハリーの4倍も大きいダンドリーのお古ばかりだったので、ますますやせて小さく見えた。
     ハリーは膝小僧が目立つような細い脚で、細面の顔に真っ黒な髪、明るい緑色の目をしていた。丸いメガネをかけていたが、ダンドリーの顔面パンチがしょっちゅう飛んでくるので、セロテープであちこち貼り付けてあった。自分の顔でたった一つ気にいっていたのは、額にうっすらと見える稲妻形の傷だ。物心ついた時から傷があった。ハリーの記憶では、ペチュニァおばさんにまっさきに聞いた質問は「どうして傷があるの」だった。「おまえの両親が自動車事故で死んだ時の傷だよ。質問は許さないよ。」これがおばさんの答えだった。質問は許さない。ダーズリー家で平穏無事に暮らすための第一の規則だった。

     暗(くら)い物置(ものおき)に住(す)んでいるせいか、ハリーは年(とし)の割(わり)には小柄(こがら)でやせていた。その上(うえ)、着(き)るものはハリーの4倍も大きいダンドリーのお古(ふる)ばかりだったので、ますますやせて小さく見えた。
     ハリーは膝小僧(ひざこぞう)が目立つような細い脚で、細面の顔に真っ黒な髪、明るい緑色の目をしていた。丸(まる)いメガネをかけていたが、ダンドリーの顔面パンチがしょっちゅう飛んでくるので、セロテープであちこち貼(は)り付けてあった。自分の顔でたった一つ気にいっていたのは、額(ひたい)にうっすらと見える稲妻形の傷だ。物心ついた時から傷があった。ハリーの記憶では、ペチュニァおばさんにまっさきに聞いた質問(しつもん)は「どうして傷があるの」だった。「おまえの両親(りょうしん)が自動車事故で死んだ時の傷だよ。質問は許さないよ。」これがおばさんの答(こた)えだった。質問は許さない。ダーズリー家で平穏無事に暮らすための第一の規則だった。

    Q:読み方がわからない漢字がありますか?
     → 読みがなをふってみよう。
    Q:意味がわからない言葉がありますか?
     → 言葉のリストをつくってみよう。
     → 母語でなんといいますか?
     → 国語辞典で意味を調べてみよう。
7.単元の指導目標
  • 外国語・日(和)辞典、国語辞典、漢字辞典の仕組みと使い方を理解する。
  • 辞書を使って文中の言葉の意味や正しい書き表し方、使い方、あるいは漢字の意味、読みなどを調べることができる。
8.支援・指導と学習材(リソース)
  • (1)各種辞書の紹介
     50音順のもの、アルファベット順のもの。これによって、言葉の配列を確認できるようにする。
  • (2)国語辞典、漢字辞典の仕組みと使い方を指導。
     分かち書きにする、辞書形を提示する、漢字の組み立てを提示する、などの支援を行う。

[参考資料1]辞書の引き方と仕組み
[参考資料1]辞書の引き方と仕組み

  • (1)日(和)・外国語辞典<50音順、アルファベット順に並んでいる。>
    • 単語の1字目のアルファベットの見出し語を探す。
    • 2字目のアルファベットを探す。
    • 3、4字目→同じ単語を探し出す。
    • どの意味で使われているか選ぶ。
  • (2)国語辞典<辞書の見出し語の中から探す>
    • 見出し語は、太いひらがなで示されている。
    • 言い切り(辞書形)で示されている。
    • 50音順に並べてある。
    • 清音→濁音→半濁音の順番で並んでいる。
    • 伸ばす音(長音)は「あいうえお」のいずれかに当てはめ、それに置き換えた位置にある。
    • 同じ音ならひらがながカタカナより先にある。
      <見出し語の下にその言葉の意味の説明がある>
    • 意味がいくつもあるときは、1、2、3と分かれている。
      <その意味を使った用例がある>
    • 用例の中から近い意味を選ぶ。
  • (3)漢和辞典
    • 親字が見出しで示され、読み方、なりたち、意味、熟語などが載っている。
    • 部首ごとに出ている。
    • 部首を除いた画数順。
    • 画数が同じときは代表的な音読みの50音順。
       漢字の部首が分かっているとき → 部首引き(部首索引)
       漢字の音読みがわかっているとき → 音訓引き(音訓索引)
       漢字の部首も読み方もわからないとき → 総画引き(総画索引)
      <音読みはひらがな、訓読みはカタカナで示される>
      <筆順、総画数が示されている>
9.学習指導のバリエーション

 日本語を母語とする子どもたちも小学校3年で国語辞典の使い方を学習する。日本語を母語としない子どもたちの場合、すでに母国で母語の辞書をひきなれていて、日本語に置き換えることができる子どももいるが、文章中の正しい言葉の意味を知りたいとき、日本語の適切な意味を選びだすところでつまずくことも多い。この点を支援・指導しながら、在籍学級でも日本語教室でも子どもたちの段階に合わせて積極的に活用させる。

[ワーク1]
 「はや引き名人」…グループを作り、だれが速く辞書を引けるか競争しながら、辞書の使い方を習得していく。
 [課題1]どちらが先に辞書に出ていますか?先に出ているほうに○をつけなさい。

秋( )
息( )
意味( )
意志( )
鯉( )
声( )
光る( )
光( )
昼( )
ヒール( )
四時( )
幼児( )
オープン( )
オーブン( )
ばらばら( )
ぱらぱら( )
日誌( )
西( )
月光( )
下校( )
数学( )
通学( )
スリー( )
ツリー( )
過去( )
格好( )
旗( )
バッター( )
日誌( )
西( )
過去( )
かっこ( )
教室( )
皇室( )
靴( )
口( )
担任( )
他人( )
数字( )
習字( )

[課題2]言葉のカードを作り、トランプゲームの「スピード」のように競う。
 (1)2人ペアを作り、ペアのカードを1枚ずつもつ。
 (2)「スピード」と言って、同時にカードを出す。お互いに出したカードのどちらが辞書で先に出ているか瞬時に判断して取る。
 ※ はじめはミニマルペアでセットしておくが、慣れてきたら、カードの数を増やし、適宜持ち札を1枚ずつ出すようにしてもよい。
 ※ たとえば同じカ行のものなら出せるとか漢字の画数で競うなど、ゲーム性を発展させていく。

[課題3]「さかな、サカナ、魚~~なんという魚?」(漢和辞典に慣れる)
(魚の絵の中に、いろいろな魚偏の漢字を書いたものを提示する。)
 Q:部首は何ですか?
 Q:漢和辞典をひいて魚の絵の中の漢字の読み方を調べましょう。
 絵の中の漢字: 鯛、鰯、鰻、鮎、鯵、鯨、鰈、鯉、鰹、鯖、鱸、鯊、鱒、鮒、鰤、鮪、鱗、鮫、鮭、鰆

[ワーク2]
 「言葉調べすごろく」(国語辞典の使い方に慣れる)…すごろくのように駒を進めながら、その中の指示に従い、辞書を引くことに慣れていく。
 {例}ふりだし→「元旦」の意味を調べてください。→年の初めの月のさらに初めの日だから1月1日を「元日」とよ呼びます。→「元旦」と「元日」とどちらが先に辞書に出ていますか?→各家々の前には「門松」を飾って(かざって)いました。→「門松」の読み方は?→「門松」は年神様(としがみさま)がお泊り(おとまり)になるための目印(めじるし)にもなりました。12月28日までに飾っていました。→「門松」を取りはずすまでを「まつ松のうち内」とよびます。→10日に飛び(とび)ます→最近(さいきん)は一般の家庭では玄関(げんかん)に「しめ縄(なわ)」または「しめ飾り」を飾ります。しめ縄には、「神」がそこにおられるという意味を表しています。→「かみ」と読む漢字は他にあるか調べてください。→床の間(とこのま)には「鏡餅(かがみもち)」を飾り(かざり)ます。→「鏡餅」は宮中で歯固め(はがため)の儀式(ぎしき)としてもちを食べたことから始まりました。→「宮中」の読み方を調べましょう。→「宮」という漢字には他にどのような読み方がありますか?→大晦日(おおみそか)の夜、除夜の鐘(じょやのかね)を聞きながら、年越し(としこし)そばを食べます。→年が明けると、元旦にはお屠蘇(とそ)、お雑煮(ぞうに)といっしょに「おせち料理」をいただきます。→「せち」は「節句(せっく)」の略(りゃく)で、本来(ほんらい)は節会(せちえ)に出される料理を示しました。→「節句」の意味を辞書で調べてみましょう。→おせち料理は重箱(じゅうばこ)につめられます。→重箱読みする言葉をさがしましょう。→一の重(じゅう)から与(よ)の重まで、それぞれに詰め(つめ)られる料理(りょうり)には、言われがあります。(すごろく用の絵を作成)

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-- 登録:平成21年以前 --