「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」(抄)

第1部 日本経済の課題

3.「3つの宣言」と「7つの改革」

 政府は、以下の「3つの宣言」・「7つの改革」に基づき、今まで以上に強力に構造改革を推進する。あわせて、経済情勢によっては、大胆かつ柔軟な政策対応を行うこととする。

(1)経済活性化

宣言 : 民間の活力を阻む規制・制度や政府の関与を取り除き、民間需要を創造する。

 日本経済の体質を強化して、内需主導の元気ある経済を創造するために、環境と経済の両立を図りつつ、未来への投資を通じて民間経済がもつ創意工夫を十分に発揮できる環境を整備する。具体的には以下の4つの改革に取り組む。
改革1:規制改革・構造改革特区
改革2:資金の流れと金融・産業再生
改革3:税制改革
改革4:雇用・人間力の強化

2.構造改革への具体的な取組

 1.の3つの宣言を実現するため、以下の7つの分野で構造改革に取り組む。

4.雇用・人間力の強化

——雇用については、何歳であっても、能力を開発し、拡大するサービス産業などで仕事の機会が得られる労働市場をつくる。特に、若年者の働く意欲を喚起しつつ、すべてのやる気のある若者の職業的自立を促進する。また、女性の能力発揮のための取組の推進を図る。さらに、高齢者の活力の活用を図る。教育については、義務教育から大学までの教育の質を高める。

【具体的手段】

(1)雇用制度改革

  • 今後の時代を担う若年者の人間力強化のため、「若者自立・挑戦プラン」を推進する。その際、地域、企業、若年者の状況に十分配慮する。
  • 若年者について、現下のフリーター、無業者の増大に対処し、職業人としての自覚の涵養・職業意欲の喚起を前提として地方自治体、学校、民間団体、民間事業者との密接な連携・協力のもとに、複数紹介、トライアル雇用や就職支援相談員(ジョブ・サポーター)を活用した一対一の個別総合的な職業相談・紹介体制を整備する。
  • 企業ニーズ等労働市場の状況に応じ企業実習と教育・職業訓練を組み合わせた若年者への「実務・教育連結型人材育成システム(日本版デュアル・システム)」を導入する。

(3)義務教育改革等

2.教育と雇用の連携等
  • 小中学校、高校等で、地域や企業等の協力を得て、就業体験、子供参観日(親の職場を子供が参観)などのキャリア教育を推進し、就業意欲を高める。また、体験・参加型の起業家教育を強化する。
  • 専門職大学院の設置等、専門職業人養成を目的とする高度で多様な教育機会を拡大するとともに、就学休業(キャリアブレイク)制度を推進する。

-- 登録:平成21年以前 --