複合施設を構成する各建物をコの字型に配置し(写真2)、校地内への人の出入りが、小学校、公民館、幼稚園の職員の目に触れるようにしている。 これにより不審者の侵入の抑止を図っている。
体育館や校舎の壁面に透明ガラスを多用して、周辺住民や通行人からの視線を確保している(写真3)。運動場は事務室、校長室、保健室、給食室から見渡せる(写真4)。
また、教室とオープンスペースの一体化や各階への教師コーナーの配置など、建物内での視認性を確保している(写真5)。
事務室、校長室、TT教員室*、保健室を人の出入りする場所付近に配置している(写真6)。来校者は、受付後に許可カードを身につけることで不審者と区別している。
*TT教員室:ティームティーチングのための教員の執務室
毎月の施設設備点検の際に防犯設備の点検も実施している。また、職員が不審者に扮し、実際に児童を避難させる防犯避難訓練を通じて、施設設備に不備がないか点検している。
敷地内の幼稚園・公民館と連携して、小学校から死角になりやすい場所にも目が行き届くように注意しあっている(写真前頁上、写真7)。また地域で子どもたちを守るという基本方針の下、パトロールを定期的に実施している。
学校への不審者侵入事件を契機に、防犯への教職員の意識を高め、地域に協力を求めてきた。その取組を活かして「人の目」による視認性と、領域性を確保した施設計画としている。
「人の目」で子どもたちを守るという基本的な考え方は、教職員、保護者たち、地域の人々に理解されている。
今後の課題は、1施設設備について運用上で気付いた点の改善、2防犯避難訓練などによるソフト面の充実、3地域諸団体との更なる連携であると考えている。
文教施設企画部施設企画課
-- 登録:平成21年以前 --