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南極地域観測事業

2-4.第59次南極地域観測隊越冬隊の現況(2月~4月)

1.気象・海氷状況

2月

曇りや雪の日が多く、日照時間は観測を開始してから2月としては1番少ない時間数を記録した。2月前半は気温がプラスとなる日が多く、4日に雨が降った。3日~4日、及び9日はC級ブリザードとなった。
海氷状況については、荒天により2月後半には立待岬からオングル海峡の南側、及び立待岬から岩島、中島を結ぶ線より東側のオングル海峡は開放水面となり、特に立待岬と岩島を結ぶラインより大きく西側が開放水面となった。

3月

最高気温は0 ℃を上回る日はなくなった。8日及び22日はC級ブリザードとなった。
海氷は2月よりも開放水面が拡大し、岩島から見晴らし間の西側海氷が一部流出した他、基地西側は西オングル島からめんどり島、おんどり島、メホルメンを結ぶ西側が開放水面となった。

4月

ブリザードになるような荒天はなかったが、北の海上を通過する低気圧の影響により曇りの日が多く、気温は平年よりも高く推移した。一方、オングル海峡の開放水面は結氷し、強風に流されることなく、中島まで開いていた海水面は岩島あたりまで縮小してきた。中の瀬戸では8日には薄いところでも36cmの氷厚になったため、人の移動が可能となった。また西の浦の海氷はその厚さが増して、21日には検潮所前で56cmの氷厚となった。


2.基地活動

2月

1日に昭和基地管理棟前の広場において59次夏隊及び「しらせ」乗員の立ち会いの下、58次越冬隊との越冬交代式を行い、基地の運営・管理及び観測・設営業務を実質引き継いだ。
11日にはドロンイングモードランド航空網(DROMLAN)によって先遣隊が帰国の途についた。12日には観測隊ヘリコプターで全ての59次夏隊及び58次越冬隊が「しらせ」へ戻り、昭和基地には59次越冬隊32名のみとなった。20日には正式に越冬交代を宣言し、併せて福島ケルンにて慰霊祭を行い、1年間の設営・観測の安全を祈願した。

3月

徐々に夜が長くなりオーロラを見る機会が多くなった。荒天による積雪はあったが、生活や設営作業・観測に支障が出るほど多くはなかった。3月中旬に全隊員を対象とした定期健康診断、20日には消火訓練を実施した。

4月

1日及び2日の荒天により外出注意令を発令したが、それ以降は隊の活動を制限するような荒天はなかった。極夜明けの本格的な野外行動の開始に向けて、海氷行動講習会を行った。また第3回目となる防災訓練は、管理棟近隣の環境科学棟で出火、隊員が建物内に閉じ込められているシナリオを設定し、20日に実施された。訓練終了後、効率的な消火体制の確立に向けての意見交換が行われた。


3.観測

2月

順調に観測を開始した。宙空部門のオーロラ光学観測の一部を21日から開始した。重点研究観測の大型大気レーダー観測は、フルシステムによる対流圏、成層圏及び中間圏の観測を継続し、28日の国際共同キャンペーン観測終了まで最大限の運用を行った。

3月

順調に観測を継続している。SuperDARN短波レーダー観測で使用する15mのHFアンテナのうち、基礎打直しにより倒していた1本は14日に引き起こした。

4月

機器内の熱水循環の不具合により波長可変共鳴散乱ライダー観測を中断しているが、その他の観測は引き続き順調に行われている。なお北の浦では海氷厚及びクラック等の安全確認を5日に実施したことから、気象の雪尺観測及び気水圏のUAV(無人航空機)観測が開始された。


4.設営

2月

越冬期間中の準備として夏期隊員宿舎を閉鎖した他、各部門とも通常の作業に加えて越冬交代に備えた準備作業を実施した。

3月

荒天対策として、ライフロープの修理・補修を行ったほか、RT棟脇の小屋の撤去や火災報知器の年次点検、焼却炉の入替え、多目的アンテナ及び衛星受信棟にあった大量の廃棄物を処分するなど、冬期間になると実施が難しい作業を早めに行った。

4月

野外行動中に消費する食糧(レーション)の作成等、越冬中・越冬明けに行う内陸調査旅行の準備を本格的に開始した。また、極夜期を迎えるにあたり、北の浦のタイドクラックを含め作業エリアを示す旗の設置を行い、基地作業時の安全性向上に努めた。


5.その他

  生活に関しては越冬交代の後、2月後半には落ち着きを見せた。隊員有志で行う生活係の活動も開始され、スポーツ大会や誕生会の開催、喫茶係、理髪係などが活動を行い、基地生活に潤いをもたらしている。
  3月11日には東日本大震災を悼んで半旗を掲げ黙祷を行った。また、越冬中に複数回予定されている、TV会議システムを用いた南極と国内との中継イベントも開始された。
  各観測の理解を深めるために3月19日及び20日には夕食後の食堂で観測系隊員による観測紹介が行われ、設営系の隊員も含めて活発な意見交換が行われた。その後2回の職場訪問を実施し、基地内の建物を訪問し合い、各隊員の活動を共有した。
  4月には、休日に漁協係主催による西の浦での穴釣りが盛んに行われているほか、野外行動安全講習の一環として、初島や西オングル島において、海氷上や島内の危険箇所の把握、地形図の読み方、GPSの使い方等の実地研修を行った。また6月のミッドウィンター祭に向けて実行委員会が立ち上がり、イベントの立案、外国基地と交換するグリーティングカードの準備を開始している。

お問合せ先

研究開発局海洋地球課

極域研究振興係
電話番号:03-5253-4111(内線4144,4451)

-- 登録:平成30年06月 --