南極地域観測事業

平成20年度外国共同観測報告

1.期間

平成20年12月22日~平成21年3月23日

2.派遣先

バード島基地(英国)

3.派遣者

高橋 晃周  (国立極地研究所・准教授)
坂本 健太郎 (北海道大学大学 院獣医学研究科・助教)

4.目的

西南極地域における極域環境変動と生態系変動に関する研究

5.日程

平成20年12月21日 札幌発 東京着(坂本)
         22日 東京発  英国(ケンブリッジ)着
         23日 調査準備・研究打ち合わせ(英国南極調査所)
         24日 英国ブライズノートン空港発
         25日 フォークランド着 (26日 出港待機)
         27日 フォークランド発 観測船乗船
         31日 英国バード島基地着
平成21年 3月13日 英国バード島基地発 観測船乗船
         19日 フォークランド着
         20日 フォークランド発 航空機
         21日 英国ブライズノートン空港着
         22日 英国ロンドン(ヒースロー)発
         23日 東京着
         23日 札幌着(坂本)

6.内容

 亜南極サウスジョージア諸島バード島の英国バード島基地周辺において、海鳥・海獣類の生態調査をおこなった。英国とバード島間の移動日程については、天候条件などにより、当初予定していた日程よりも前後した。
 バード島で繁殖する主要な海鳥・海獣類であるマカロニペンギン、ジェンツーペンギン、マユグロアホウドリ、およびナンキョクオットセイを対象に野外調査を実施した。これら4種の高次捕食動物合計70個体に、位置(GPS)、遊泳速度・加速度、画像、などの各種パラメータを記録するデータロガーを取り付け、海上での採餌行動に関するデータを取得した。GPSデータロガーの記録からは、ペンギンやオットセイが海洋環境を3次元的にどのように利用していたかについて良好なデータが得られている。また同時に糞分析による食性調査、雛数のカウントや雛の体重計測による繁殖成績調査も実施した。今後、これら4種の高次捕食動物の採餌場所選択と海洋環境との対応関係の解析、採餌行動の種間比較や、昨年度の外国共同観測で調査をおこなったシグニー島など南極の他地域で得られているデータと比較することで、西南極地域における高次捕食動物の海洋環境変動への応答特性について明らかにしていく予定である。

お問合せ先

研究開発局海洋地球課

極域研究振興係
電話番号:03-5253-4111(内線4144)、03-6734-4144(直通)

-- 登録:平成25年02月 --