南極地域観測事業

第53次南極地域観測隊 公開利用研究公募結果について

【経緯と現状】

 公開利用研究とは、6か年の中期計画に基づく南極地域観測事業の枠外で実施される計画で、研究者の自由な発想に基づく研究や技術開発を機動的に実施するものである。これは平成21年度の第51次観測隊における試行を経て、第8期計画初年度の第52次隊で正式に実施を開始した。
 第53次隊では公開利用研究の計画課題を平成22年度に公募したが(平成22年8月締切)、現地観測を担当する同行者派遣を伴う計画の応募はなかった。5月27日を締切として二次募集を実施した結果、同行者派遣を伴う課題1件を含む6件の申請があった。

(同行者の派遣を希望する課題)

  • 南極における紫外線の生物組織に及ぼす影響

(同行者派遣を伴わない委託課題)

  • Argoフロートによる海洋変動研究
  • ビンセネス湾ポリニヤ域で形成される南極底層水の特性および生成量に関する研究
  • 海面漂流ブイによる南大洋の観測(オーストラリア気象局のブイ投入)
  • 高速フラッシュ励起蛍光光度計(FRRf)を用いた基礎生産の長期変動モニタリング
  • 昭和基地における自動ビデオ観測による南天流星の観測的研究

【今後の予定】

 当該隊における申請課題の採否を審査するに当たって、南極観測船「しらせ」や昭和基地などの施設・設備の利用可否や観測隊の全体計画にもとづいて、極地研南極観測センターが当該隊及び関連する専門部会等の委員会とともに実行可能性などを検討する。
 最終的には、南極地域観測統合推進本部総会の承認を経て、公開利用研究課題が当該隊へ引き渡される。
 さらに、研究課題の現地観測終了後に報告や事後評価を行い、公開利用研究の申請から評価までの一連のシステムとして確立することを目指す。

お問合せ先

研究開発局海洋地球課

-- 登録:平成24年02月 --