平成23年4月22日(金曜日)14時~16時
文部科学省旧庁舎2階第1会議室
柴田 明穂 | 国立大学法人 神戸大学大学院 国際協力研究科 教授 | |
杉本 敦子 | 国立大学法人 北海道大学大学院 地球環境科学研究院 教授 | |
中尾 正義 | 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 理事 | |
永原 裕子 | 国立大学法人 東京大学大学院 理学系研究科 教授 | |
中村 雅美 | 江戸川大学 情報文化学科 教授 | |
新野 宏 | 国立大学法人 東京大学 大気海洋研究所 所長 | |
野本 敏治 | 財団法人 溶接接合工学振興会 理事長 | |
松田 治 | 国立大学法人 広島大学 名誉教授 | |
安岡 善文 | 大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 監事 | |
オブザーバー | 佐藤 夏雄 | 国立極地研究所副所長 |
白石 和行 | 国立極地研究所副所長 | |
山内 恭 | 国立極地研究所副所長 兼 南極地域観測隊第52次隊長 兼 文部科学省科学官 | |
渡邉 研太郎 | 国立極地研究所 国際企画室長 | |
工藤 栄 | 南極地域観測隊第51次隊副隊長 兼 越冬隊長 | |
山岸 久雄 | 南極地域観測隊第53次隊隊長 | |
土井 浩一郎 | 南極地域観測隊第53次隊副隊長 兼 越冬隊長 | |
石沢 賢二 | 南極地域観測隊第53次隊副隊長 | |
河瀬 和重 | 国土地理院 企画部 国際課長 | |
藤本 真美 | 外務省 国際協力局 地球環境課 外務事務官 | |
長谷川 修一 | 環境省 自然環境局 自然環境計画課 南極保全係 | |
川嶋 浩二 | 気象庁 観測部 計画課 南極観測事務室長 | |
長妻 努 | 情報通信研究機構 電磁波計測研究センター 宇宙環境計測グループ 研究マネージャー | |
事務局 | 堀内 義規 | 文部科学省 研究開発局 海洋地球課長 |
小池 良高 | 文部科学省 研究開発局 海洋地球課 極域科学企画官 |
工藤第51次隊越冬隊長より、第51次南極地域観測隊越冬隊について報告があった。主な質問は以下のとおり。
今回の越冬隊では、けがはなかったのか。
2件の骨折事故が発生した。
山内副所長兼第52次隊長より、第52次南極地域観測隊夏隊について報告があった。主な質問は以下のとおり。
ドームふじの天文無人観測の発電機システムのエネルギー源はなにか。
ジェットA1エンジンである。6機あり、順番に稼働させる。600日間メンテナンスフリーで稼働可能である。既に南極域で実績のあるシステムである。
南極大型大気レーダーは非常に貴重なもので、成果を期待している。南極域での運用で不都合はないか。あわせて、レーダーの設置については予算が認められたが、維持費の見込みについてはどうか。
以前は積雪のない箇所であったが、レーダーを設置したことで積雪が生じており、対策を検討している。
維持費については、予算要求をしている。今後はデータ解析のために、国内での解析センターに類するものを設置することを検討している。
公開利用研究の実施状況について報告をお願いしたい。
南極観測計画と公開利用研究の優先順位について、日程等で調整が難しい場合があり、今後の検討課題としたい。
悪天候であったとのことであるが、それによる影響が見られた事例はあるか。
南極の東南極はあまり温暖化していないが、オゾンホールが強くないという観測結果との説明がつかない部分がある。また、悪天候ということは擾乱が多く入ってきたということであり、説明が難しいところがあった。
白石副所長より、第52次南極地域観測隊越冬隊の現況について報告があった。
白石副所長より、平成22年度交換科学者・外国共同観測派遣について報告があった。
事務局より、第52次南極地域観測「しらせ」行動計画の一部変更について報告があった。
事務局より、第53次南極地域観測隊観測計画及び「しらせ」行動計画(素案)について説明があった。主な質問は以下のとおり。
「しらせ」の航路は、何のために変更が生じ、再度元に戻すことになったのか。
予算が厳しく、燃料代を浮かすため、航路の変更を行ったが、その後、平成23年度予算が決まった際、当初の航路でも問題ないことが分かったので、元に戻すこととなった。
燃料が節約されるのは良いことであるが、それでも戻す必要があるのか。
当初の航路上では研究観測が予定されているため、戻す必要がある。
白石副所長及び事務局より、第53次南極地域観測について説明があった。主な質問は以下のとおり。
公募による研究の募集、決定方法について説明願いたい。
8期計画は6年間あるが、公募は3年ずつに分けて行った。後半期の公募はこれから実施する。はじめから目一杯研究計画をするのではなく、なるべく多くの計画を実施し、より多くの研究者が南極に行けるように配慮している。
今年度に関して公募を行ったが、南極に人員を派遣したいという希望が無く、二次募集を実施している。実施したい課題はあるが、隊員に委託したいという公開利用研究がある。
隊員はとても忙しいと思うが、そうした研究は引き受けられるのか。
非常に難しい。「しらせ」の空きベッドを同行者で埋めてしまうと、観測隊にとって負担が大きすぎる。どこまで同行者を参加させるのかについては、今後とも検討していきたいと考えている。
昭和基地に導入される新汚水処理システムは、以前のシステムと比較してどうか。
現在の汚水処理棟は位置が悪く、ドラフトができやすく観測隊に非常に負担となっている。移設にあわせて処理システムも更新する。
新しい汚水処理システムでは、今までの生物処理のほかに、膜を使用した処理を併用するものである。
今回の重点研究観測の1つとして「地球温暖化の解明」を記述しているが、温暖化の実態解明なのかメカニズムの解明なのか、影響の解明なのか、何を目標としているのか。
温暖化が南極域にどう表れているのか、あるいは、南極域が地球温暖化にどういう役割をしているか、そこのところが中心となると考えている。
極域は地球温暖化の影響が一番大きく表れる場所であり、実態について観測を通じて検証していくという視点があったのではないか。
国が組織して実施する南極観測事業については、南極条約上通告する必要があるが、海鷹丸に乗船する同行者についても国の観測事業の一環となる認識でよいか。南極環境保護議定書の附属書6、環境の緊急事態に対する責任については、現在発効しておらず、日本も承認していないが、その中では政府の活動については政府が責任を負うことになっている。海鷹丸の活動についても同様であるのか。
2番目に南極環境保護議定書の附属書6の各国の承認状況と、日本の承認に向けての予定について伺いたい。
3番目に、第8期6カ年計画の中に、新たに極地研究を始めようとしている国々に対し、積極的に支援を行う旨が記載されている。アジアの若手研究者を積極的に同行者として組み入れていくことを希望しているが、具体的な方策について検討がなされているのか。
海鷹丸の活動については、南極に上陸をしないため、環境省への活動申請の対象外である。そのため、南極地域観測隊ではあるが、南極環境保護議定書で記載されている国の観測事業の対象となるのかについては、確認したい。
現在の附属書6の批准状況については、10カ国に満たない程度だと思う。英国が批准に近づいているとの情報を得ているが、米国については最近情報がない。日本については、いかに国内担保ができるかどうかについて情報収集、検討している段階である。
アジア各国とはアジア極地科学フォーラムの参加国を中心に密接に連携している。 参加国以外からも、参加について打診がある。今のところ、53次隊については同行者について話はきていない。
同行者のなかで、行政機関職員はどういう目的の者を想定しているのか。
2つある。本部委員の視察と、環境省職員による視察が実施されており、その者を行政機関職員と呼んでいる。
同行者に割り当てられている「しらせ」の12のベッドについては、一般研究者や大学院生別などの内訳は決まっているのか。
決まっていない。
公募の研究に関して、現地に出向いて研究したいという希望者がおらず、現在二次募集をしているとの事であるが、何か理由は考えられるか。
しらせのベッド数は80あるが、受け入れる昭和基地の体制がまだ不十分な部分がある。研究者にとって不満な部分があるのかもしれない。
事務局より、第53次南極地域観測実について説明があった。主な質問は以下のとおり。
同行者に係る経費については、どこから支出されているのか。
同行者は色々な分類があるため、別々に言わないと問題があるが、基本的には同行者が自分で費用負担を行うのが原則である。
―― 了 ――
研究開発局海洋地球課
-- 登録:平成24年02月 --