平成20年12月
産学連携高度人材育成推進委員会
「産学連携による実践型人材育成事業-長期インターンシップ・プログラム開発-」は、これまでの職業意識の形成等を主な目的としたインターンシップと峻別し、産学が人材育成・活用に関して建設的に協力しあう体制を構築し、社会の抱える諸問題や産業界の取組を理解し、知識基盤社会を多様に支える高度で知的な素養のある人材を育成する、新たなコンセプトのインターンシップの開発を目的として、平成17年度から開始された事業である。本事業は、企業や社会を積極的に教育場とする新事業であるため、例えば環境やCSRのように、ビジネス領域に特有な環境と変化があり、それゆえに様々な挑戦モデルが生まれている。どの挑戦も課題はあるが、新しい教育場はグローバル市場とリンクしたダイナミズムを大学にもたらしていることが読み取れる。
中間評価は、本事業の目的が十分達成されるよう、当委員会において、書面、ヒアリング、実地調査により各プロジェクトの進捗状況等を確認するとともに、適切な助言を行い、事業の効率的で効果的な推進に資することを目的とし、プロジェクトの2事業年度経過後に行うものである。本年度は、昨年度に引き続き、平成18年度に選定した10プロジェクトを対象に中間評価を行った。
今回の中間評価では、3プロジェクトが当初計画に則し順調に事業展開が図られているなど、全体としては概ね順調なことが確認できた。ただし、2プロジェクトに関して、このままでは目標達成が困難と判断し、事業計画の見直し等を求めるなど、一部で産学が協同して人材育成を図るという事業の趣旨が十分に理解されていないと思われるケースが見られた。今後、各大学において、評価結果を基に、計画の推進または見直しを行い、残された事業期間で最大限の成果を挙げるとともに、委託期間終了後も更なる展開を図られることを期待する。
昨年度及び本年度で全30プロジェクトの中間評価を終えたが、2事業年度を経過した時点で、
など、長期インターンシップ・プログラムを普及・展開していく上で、各大学の参考となる有効な取組が見られており、残りの期間で更なる深化が図られることを期待したい。
一方で、複数のプログラムで共通の課題として、
などがあり、各大学において、事務組織を含めた大学と企業との組織的な連携を積極的に進め、また教育課程全体の中での長期インターンシップの体系的な位置付け・目的・目標などを明確にしていく必要がある。
この事業においては、理工系人材だけではなく社会科学や医療系の人材育成を目指した取組がされており、高度な専門性を有する人材育成において、長期インターンシップという新しい教育手法の有効性が幅広い分野で確認されつつある。今後は、既に取り組まれている分野をはじめ幅広い学問分野において、それぞれの教育課程における長期インターンシップの在り方が検討されることを期待したい。
電話番号:03-5253-4111(内線2992)
-- 登録:平成21年以前 --