選定取組の概要及び選定理由(神戸大学)

大学等名 神戸大学 整理番号 28112
テーマ番号 1 テーマ名 地域活性化への貢献
取組名称 地域歴史遺産の活用を図る地域リーダー養成
取組担当者名 鈴木 正幸
(取組の概要)
 神戸大学は、兵庫県、神戸市、尼崎市、伊丹市、宝塚市、西宮市等の自治体と連携し、歴史資料・歴史文化財の救出と保全、住民への地域歴史教育等、教員と学生の共同による地域連携事業を通して阪神淡路大震災後の地域復興に貢献したが、この成果を三田市、小野市、新宮町等の被災地以外の自治体に拡大している。この事業は先進的モデルとして全国的に注目されている。
 現在、自治体は住民のアイデンティティの再生等による地域活性化のために、消失の危機にある地域歴史遺産の保全活用を図りつつあるが、それを実践する地域リーダー養成を、上記の実績を持つ神戸大学に強く要請されている。本取組では、兵庫県下自治体と連携し、地域歴史遺産を保全活用する地域リーダー養成の教育プログラムを開発して学生・社会人の教育に導入し、地域活性化人材を養成する方法を確立する。
(選定理由)
 この取組は、阪神淡路大震災後の地域復興に貢献した貴学が、地域活性化を実践するリーダー育成の必要性を認識し、これまでの産学連携事業推進の実績を活かしながら自治体とも連携して、大学教育に歴史文化遺産を保全活用する職業的リーダー養成計画を導入するものです。
 この地域では未曾有の天災の体験から、地域の復興・再生という観点からも自治体と地域住民の連携、住民自身による地域コミュニティー構築の重要性が広く認識されるようになりました。また、地域住民のアイデンティティの再生に必要な住民自身による地域の歴史認識を可能にするシンボル的な存在としての地域歴史遺産(歴史的建築・石造文化財・埋蔵文化財・古文書など)の重要性についての認識も高まっています。
 大学教育に地域歴史遺産保全活用教育を体系的に導入する本取組はそれ自体ユニークですが、総合大学としての強みを活かして学際的な地域歴史遺産保全活用教育を導入するということに特に独創性が認められます。また、この分野ではすでに実績とノウハウを蓄積しており、実現性も期待できます。
 この人材育成事業は地域貢献につながり、高等教育の質的向上のモデルをも提示している取組です。さらに他地域、他大学などへの参考になる事例と認められることから選定に値するものと評価します。

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高等教育局大学振興課大学改革推進室

(高等教育局大学振興課大学改革推進室)

-- 登録:平成21年以前 --