第4部会(他大学との統合・連携による教育機能の強化)報告

八田 英二
同志社大学長

八田 英二 同志社大学長

 第4部会のテーマである「他大学との統合・連携による教育機能の強化」には全国の大学等から38件の申請があった。単独大学による申請は15件、複数大学による申請は23件であった。統合後4年以内の大学による統合効果を生かすことを狙った取組は7件にのぼった。採択件数は単独大学による取組2件、複数大学による取組4件の計6件となった。

 取組内容から申請を分類すると「統合後の大学による教育機能の強化」「地域コンソーシアム方式による単位互換」「大学間連携による相互補完」「学部間連携による相互補完」「海外大学との連携」「高大連携など」である。

 限られたページ数の申請書類から各取組の特色を読み取り、面接審査等対象候補を絞り込むために複数の重点的評価ポイントを定めた。たとえば「独創性・新規性」「実現可能性」「評価・改善体制」などである。なるほど近年は地域コンソーシアム方式による大学間連携は目覚しいが、他地域との差異や社会的効果などは特色を見極める上で重要なファクターであろう。また必ずしも過去の実績は要求しないが、その取組がどの程度実現可能かについては注目した。さらに取組を実施するに当たって、その過程や成果の評価、評価結果に基づく改善体制の構築が視野に入れられているかは審査において重視した。

 11件の取組を対象とした面接審査では、申請書類では読みきれなかった点、疑問点について部会委員による聴き取り調査を実施した。大学側からの説明は5分以内とし、20分を質疑応答に費やした。実際、面接審査により、書類だけでは読み取れなかった取組内容の全貌がより明確となった。面接審査対象校数や面接審査時間の拡大が望まれるが、制約もあり、今後の議論を待ちたい。今後とも意欲的な取組の申請が続くことを期待したい。

-- 登録:平成21年以前 --