第2部会(知的財産関連教育の推進)報告

土肥 一史
一橋大学大学院
国際企業戦略研究科教授

土肥 一史 一橋大学大学院 国際企業戦略研究科教授

 大学、大学院及び短期大学(高等専門学校を含む、以下、「大学等」という。)に対し、知的財産の創造、保護及び活用を促進する人材の育成、確保及び資質の向上を図り、高等教育の一層の活性化を図るため、現代GPは優れた教育プロジェクトに財政支援を行うものです。プロジェクトの実績を重視する特色GPとは異なり、確実な計画の下に、今日的な教育ニーズを踏まえ、将来的に展開される教育プログラムの内容をもっぱら重視しました。

 本部会でのプログラムの選定においては、知的財産基本法から知的財産推進計画2004に至る一連の「知的財産に関する専門的知識を有する人材の確保」等に必要な施策との関係はもちろん、広く社会全体の知的財産マインドの創出等を含めた、広く知的財産の創造、保護及び活用の循環サイクルに関係する教育プログラムについて検討対象としました。したがって、このような意味での人材教育プログラムは、法律だけでなく広く社会科学全般、農林水産関係を含む技術、経営及び芸術のさまざまな領域にまたがることになります。

 具体的には、デジタル・アーカイブ化あるいはアーカイビストの養成を目的とした教育プログラム、コンテンツの創造あるいはコンテンツ・プロデューサ人材の育成を目的とした教育プログラム、知的財産関係高度専門人材の育成を目的とした教育プログラム、さらには知的財産関係専門的人材育成というよりも広く教養課程又は学部の初期の年次において広く知財マインドの育成を目的とする教育プログラム、そして学部4年間を通して高度専門家とまではいかないにしても、パラリーガルを含むローファームでのアシスタント人材等知的財産に関する知識を備えた人材養成の教育プログラム、等の領域の類型が認められました。

 これらの領域の類型の中から、他の大学等においても、参考となり、実施することのできるようなモジュール化された教育プログラムを選定しましたが、選定にもれたものの中にも優れたものが少なくなく、次年度以降、予算的に厚い手当てがされることを期待しています。

-- 登録:平成21年以前 --