平成16年度現代GPを振り返って

荻上 紘一
大学評価・学位授与機構教授

荻上 紘一 大学評価・学位授与機構教授

 文部科学省では、競争的環境の中で個性輝く大学づくりを支援する施策の一環として、国公私立大学を通じた競争原理に基づいて優れた取組を選定して財政支援を行い、高等教育の更なる活性化を図ることを目的とするプログラムを推進している。
 一昨年度からスタートした「21世紀COEプログラム」、昨年度から始まった「特色GP」に続いて、今年度から「現代GP」即ち「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」が仲間入りした。

 「現代GP」は、各種審議会からの提言等をもとに社会的要請の強いテーマを設定して、各大学等から応募された取組の中から、特に優れた教育プロジェクトを選定することとした。
 「特色GP」が継続的に実績を挙げている取組を対象としているのに対して、「現代GP」はテーマの趣旨・目的に沿った確実な実施計画のもとに我が国の大学教育改革に資することが期待出来る取組を対象とした。

 今年度は6つのテーマを設定して募集したところ、予想を上回る559件の申請があり、特に「地域活性化への貢献」に対しては246件の申請があった。机の上に申請書類を広げておき可能な限り目を通したが、多くの申請に「something new」が見られ、多くの大学において様々な「工夫」ある取組を実施しようとしているエネルギーを実感することが出来た。このエネルギーが我が国の高等教育の発展につながることを確信する。

 審査はテーマ毎の部会で行い、総合評価部会で全体的な調整を図った。各部会は、ペーパーレフェリーの意見を参考に書類審査を行い、2つのテーマについては面接審査を実施した。審査に当たっては、「プログラムとの適合性」「実現可能性」「社会的効果」「評価体制」などに留意した。審査は、取組そのものの優劣を判定することは言うまでもないが、申請書の書き方の優劣が目に付いたことも事実であった。

 初年度ということもあって、非常にタイトな日程を余儀なくされたにも拘わらず、また予想を上回る応募があったにも拘わらず、関係者の超人的な努力のお陰で、予定通り選定業務を全うすることが出来たことに感謝したい。

-- 登録:平成21年以前 --