令和元年度「全国学生調査(試行実施)」実施概要

令和元年10月
文部科学省
高等教育局

1.背景

  「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」(平成30年11月26日中央教育審議会)においては、学修者本位の教育へ転換を図るとともに、各大学が教育成果や教学に係る取組状況等の大学教育の質に関する情報を把握・公表していくことの重要性を指摘する一方、社会が理解しやすいよう、国は、全国的な学生調査や大学調査を通じて整理し、比較できるよう一覧化して公表すべきと提言された。
 海外の状況に目を向けてみると、National Student Survey(NSS:イギリス政府機関)やNational Survey of Student Engagement(NSSE:アメリカ大学研究機関)、Cooperative Institutional Research Program(CIRP:アメリカ大学研究機関)に代表されるような大規模な学生調査が実施されており、学生の学修等の状況を把握するとともに、得られたデータをエビデンスデータとしてアクレディテーションに利用することや、教育内容の改善などに活用することが一般的に行われている。この点、我が国においては、近年のIR(Institutional Research)活動の拡大により、個々の大学による取組は行われているものの、未だ全国的な広がりはなく、国においては、国立教育政策研究所が学習状況に関する調査を実施しているが、全大学を対象とするものでない。このような中、大学教育に関して、学修の主体である学生目線からの全国的データは整備・活用されていない。
 これまでも各大学等において、独自の学生調査が実施されているところであるが、調査目的、実施方法等は多種多様であり、社会が理解しやすいよう調査結果を示すことや、各大学が調査結果から適切なベンチマーキングを行い、教育内容等の改善に効果的につなげることが難しいのが現状である。
 これらを踏まえ、学修者本位の教育への転換を目指す取組の一環として、学生の学びの実態を把握することにより、1.各大学の教育改善に活かすこと、2.我が国の大学に対する社会の理解を深める一助とすること、3.今後の国における政策立案に際しての基礎資料として活用するために「全国学生調査」を実施することが必要である。

 

2.目的

 「全国学生調査」の本格実施に向けて、令和元年度の試行調査では、適切な調査方法や設問項目などを整理・検証することを目的とする。

 

3.調査対象

 「全国学生調査(試行実施)」に協力する大学(以下「参加大学」(別紙1)という)に在籍する全ての3年生(標準修業年限が5年及び6年の場合は4年生)
※短期大学(短期大学部を含む)及び通信教育課程に在籍する学生は対象外とする。

 

4.調査方法

インターネット(WEB)調査

 

5.調査時期

令和元年11月25日(月曜日)~12月20日(金曜日)

 

6.実施体制

別紙2のとおり

 

7.調査項目

別紙3のとおり

 

8.調査結果の取扱い

(1)文部科学省

 全体の調査集計・分析結果や調査実施上の課題点等を文部科学省及び国立教育政策研究所のホームページで公表する。
 参加大学に対して、当該大学に在籍する学生の回答結果を一覧化したもの及びその集計結果を公表前に提供する。(調査項目 問7は除く。)このほか、集計結果をベンチマーキングに活用するための分析資料の提供を検討する。
 

※自由記述(調査項目 問6及び問7)を除く、全ての調査項目に回答したものを「有効」として、集計・分析する。なお、調査結果の詳細な分析を行うに当たっては、学部単位において「有効回答者数が30以上 かつ 有効回答率が10パーセント以上」又は「有効回答率が50パーセント以上」の回答を集計対象とする。

※今般の試行実施においては、全体の集計結果として、有効回答者数・有効回答率のほか、調査項目ごとの回答割合・平均値を公表するが(調査項目 問6及び問7は除く。)、学生の回答結果を一覧化したもの及び参加大学・学部ごとの集計結果の公表は行わない。

※全体の集計結果に加えて、1.設置者別、規模別、分野別の集計、2.学部を1単位(学生の回答結果を学部単位で平均化)として、調査項目ごとに最頻値や中央値、平均値などの分布が分かる集計、3.調査項目間のクロス集計などの分析を検討する。

 

(2)参加大学

 対象学生を含め自大学内において、調査結果の共有を図るとともに、自大学の教育改善に活かすよう、努めるものとする。
 本試行調査の目的に鑑み、(1)により文部科学省から提供を受けた自大学に在籍する学生の回答結果を一覧化したもの及びその集計結果については、原則当該大学内の活用にとどめ、公表は行わない。

 

※ただし、参加大学間の合意により、当該大学間の調査結果について情報共有を図り、成果と課題を把握・検証し、教育の改善に取り組むことを妨げるものではない。

お問合せ先

高等教育局高等教育企画課高等教育政策室

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(高等教育局高等教育企画課高等教育政策室)