「独立行政法人防災科学技術研究所の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性」における指摘事項等を踏まえた見直し案

平成22年12月22日
文部科学省

 「勧告の方向性」等を踏まえ、次期中期目標においては、以下の事項を掲げることにより、事務及び事業の改善を図る。なお、この見直しの考え方に従い、平成23年3月までの間に、防災科学技術研究所が防災に関する総合的な研究開発機関であることを踏まえ、具体的な検討を行い、「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針(平成22年12月7日閣議決定)」における政府全体の方針も踏まえた次期中期目標・中期計画を策定することとする。

第1 事務及び事業の見直し

1 研究開発業務の見直し

 防災科学技術に関する研究について、一層の効率的、効果的な推進、成果の普及を図るとともに、災害に関する研究を実施する他の機関、大学等との役割分担の明確化、研究内容の重複排除を図る観点から、以下の措置を講ずるものとする。

(1)研究課題・テーマの選定、研究成果の効果測定

 研究プロジェクトについて、優先度を踏まえた上で整理統合を行い、重点化する。
 研究領域の見直しに合わせ、研究の充実、成果の更なる充実を期するとともに、これまで以上に防災・減災対策への反映、実用化を念頭に、研究課題・テーマの選定及び研究成果の効果測定を行う。

(2)他の機関との連携

 研究課題・テーマの選定、実施スケジュールの決定に当たっての事前調整、共同研究を含め、災害に関する研究を実施する他の機関、大学等との連携を一層強化する。なお、共同研究については、研究所の貢献度を明確にし、厳格に評価する。

(3)萌芽的基礎研究の見直し

 萌芽的な基礎研究については、社会のニーズを反映するとの所期の目的を達成するため、その採択に当たって外部有識者をメンバーに加える。

(4)知的財産戦略の策定

 研究成果を防災・減災対策に反映させるため、知的財産の活用戦略・方針を策定する。

2 施設及び設備の利用拡大

 実大三次元震動破壊実験施設(E-ディフェンス)、大型耐震実験施設、大型降雨実験施設及び雪氷防災実験施設について、外部利用の更なる拡大など施設の有効活用を進め、自己収入の拡大と我が国全体の防災研究能力の向上に資するものとする。

第2 組織面の見直し

1 支所の廃止等

 地震防災フロンティア研究センターについては、必要な研究成果をつくば本所に移管することにより、廃止するものとする。また、同センターの廃止に伴い、事務職員について、所要の合理化を行うものとする。
 雪氷防災研究センター新庄支所を廃止する。ただし、降雪実験関連施設については、耐用年数の範囲内で活用を図るものとする。

2 事務職員の配置の見直し等

 研究領域の見直しに伴う組織体制の見直しに際しては、効率的、効果的な業務運営を図る観点から、研究各部・センターの事務職員の配置を見直し、データ入力などの業務について非常勤化するなどにより、要員の合理化に取り組むものとする。

第3 業務全般に関する見直し

 上記第1及び第2に加え、業務全般について以下の取組を行うものとする。
 なお、見直しにあたっては、業務や組織の合理化・効率化が、研究開発能力を損なうものではなく、継続的な維持・向上につながるものとなるよう、十分に配慮するものとする。

1 効率化目標の設定等

 管理部門の簡素化、効率的な運営体制の確保、アウトソーシングの活用等により業務運営コストを縮減することとし、一般管理費及び事業費に係る効率化目標について、これまでの効率化の実績を踏まえ、同程度以上の努力を行うとの観点から具体的な目標を設定するものとする。
 なお、一般管理費については、独立行政法人に無駄遣いがあるのではないかとの厳しい批判があることを踏まえ、経費節減の余地がないか自己評価を厳格に行った上で、適切な見直しを行うものとする。
 また、官民競争入札等の積極的な導入を推進し、業務の質の維持・向上及び経費の削減の一層の推進を図るものとする。

2 給与水準の適正化等

 給与水準については、国家公務員の給与水準も十分考慮し、手当を含め役職員給与の在り方について厳しく検証した上で、目標水準・目標期限を設定してその適正化に計画的に取り組むとともに、その検証結果や取組状況を公表するものとする。
 また、総人件費についても、政府における総人件費削減の取組を踏まえ、厳しく見直すものとする。

3 契約の点検・見直し

 契約については、「独立行政法人の契約状況の点検・見直しについて」(平成21年11月17日閣議決定)に基づく取組を着実に実施することにより、契約の適正化を推進し、業務運営の効率化を図るものとする。
 この場合において、研究・開発事業等に係る調達については、他の独立行政法人の事例等をも参考に、透明性が高く効果的な契約の在り方を追求するものとする。
 また、密接な関係にあると考えられる法人との契約に当たっては、一層の透明性の確保を追求し、情報提供の在り方を検討するものとする。

4 保有資産の見直し等

 保有資産については、引き続き、資産の利用度のほか、本来業務に支障のない範囲での有効利用可能性の多寡、効果的な処分、経済合理性といった観点に沿って、その保有の必要性について不断に見直しを行うものとする。
 また、独立行政法人の資産の実態把握に基づき、法人が保有し続ける必要があるかを厳しく検証し、支障のない限り、国への返納等を行うものとする。その際、今後、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会から独立行政法人の業務実績に関する評価の結果等の意見等として各府省独立行政法人評価委員会に通知する事項を参考にするものとする。

5 内部統制の充実・強化

 内部統制については、更に充実・強化を図るものとする。その際、総務省の独立行政法人における内部統制と評価に関する研究会が本年3月に公表した報告書(「独立行政法人における内部統制と評価について」)及び、今後、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会から独立行政法人の業務実績に関する評価の結果等の意見等として各府省独立行政法人評価委員会に通知する事項を参考にするものとする。

6 その他

 複数の候補からの選択を要する事業の実施に当たっては、第三者委員会を設置するなど適切な方法により事前・期中・完了後の評価を行い、評価結果を事業の選定・実施に適切に反映させることにより、事業の重点化及び透明性の確保に努めるものとする。
 また、事業の目的を踏まえつつ、受益者負担の適正化、寄附金等による自己収入の確保に努めるものとする。

お問合せ先

独立行政法人防災科学技術研究所の見直し内容について

研究開発局地震・防災研究課防災科学技術推進室
電話番号:03-5253-4111(内線4447)

(大臣官房総務課行政改革推進室)

-- 登録:平成23年01月 --