図36.技術の発展・流れに合わせた公的研究開発・支援がなされた事例
住宅用太陽光発電システム(エネルギー、実現技術)
事例分析のポイント
- 30年後を見据えた長期的なビジョンを国が掲げて研究開発を進めたことが成功の大きな要因。
- 当初太陽熱が主目標であったが、途中から太陽光に軌道修正、技術の発展の流れに合わせた公的研究開発・支援がなされた。
- 規制緩和による逆潮流(注1)ありの系統連系の解禁と、導入への補助金により初期市場を形成。市場拡大と低コスト化の好循環により、太陽電池の生産量、太陽光発電システムの導入量ともに現在日本が世界一。
注1:逆潮流とは発電設備設置者の構内から系統側へ向かう有効電力の流れ(潮流)のこと
経済的インパクト
- 市場の創出
2003年に1,500億円超、2010年には4,000億円
- 国際競争力の強化
太陽電池生産量の50パーセント弱は日本製
- 製造・導入・保守運用による直接、誘発の雇用創出効果
2003年推計値 約30,000人(注2)
社会的インパクト
- 約22万戸に普及(2004年)
2002年発電シェア約0.02パーセントから2030年10パーセントへ
- CO2削減効果
2002年 約23万トンマイナスシー オー ツー、 2010年 約170万トンマイナスシー オー ツー
国民生活へのインパクト
市場規模と太陽光発電システム価格の推移
出所:NEDO「平成14年度新エネルギーデータ集」および「2030年に向けた太陽光発電ロードマップ」より株式会社三菱総合研究所作成
注2:「2003年度 太陽光発電技術研究組合調査」より、2003年の太陽電池の全世界導入量に占める日本のシェア350メガワットが100メガワット規模と300メガワット規模のプラントで半数ずつ生産されたとして算出。算出には下記の値を使用。
- 年産100メガワット規模のプラントにおける直接、誘発雇用効果 61人・年毎メガワット
- 年産300メガワット規模のプラントにおける直接、誘発雇用効果 107人・年毎メガワット
科学技術・学術政策局調査調整課科学技術振興調整費室