平成21年度要求額:798百万円
(平成20年度予算額:572百万円)
重要文化財(建造物)については火災等の災害から守るために防災施設の設置事業を行っているが、新たに指定された建造物に消防法上、防災施設の設置義務が生じ、新規設置を進める必要がある。
既存設備の老朽化に伴う更新は急務である。平成20年度に設置後30年を経過し、老朽化している設備が多数ある。特に、昭和末までに設置された消火設備においては、石綿管、鋳鉄管等、地震時に脆弱な配管材料が多く用いられており、設備の耐震改修の必要がある。
近年の文化財関連の侵入・盗難事件の頻発に鑑み、防犯施設についても積極的な対応が求められている。
重要文化財(建造物)の防災施設(自動火災報知設備、消火設備、避雷設備、防犯施設等)の新設・更新を行う。
平成21年度においては、設置件数を増加し総合防災施設(自動火災報知設備消火設備
避雷設備)の設置率を上げるとともに、老朽化した設備の更新10箇年計画により改修の迅速化を図る。
重要文化財(建造物)の防災設備の設置割合
防災設備の設置率 総合防災70パーセント、老朽施設の改修率50パーセントを目指す。
事業完了後に補助事業者から報告される実績報告書により把握する。
東南海・南海地震が発生する可能性が高いと予測されているなか、近畿圏を中心とした地域において文化財建造物の防災対策の必要性が一段と高まっている。平成19年3月に能登半島地震、平成20年6月に岩手宮城内陸地震があり、危険度が低いといわれていた地域においても大地震が発生しており、全国的な耐震、防災対策の必要性が生じた。
本事業は、目標が達成された後も絶えることなく継続して行うことが必要である。
しかし、当面の達成年度である平成25年度には、対応の迅速化を図ることにより、目標である防災設備の設置率(総合防災70パーセント、老朽施設の改修率50パーセント)を達成することが見込まれる。
平成21年度までに設置後30年を経過し、老朽化している防災設備は、延べ1,300件存在する。これらの更新を10箇年計画とすると、この間に更新時期を迎える設備を合わせて、平成31年度までに改修すべき防災設備は、延べ2,000件となり、対応を迅速化する必要がある。
本事業の予算規模(798百万円)に対して、アウトプットとして、重要文化財の防災設備の設置・改修が促進され、インプットとアウトプットの関係は適切と判断する。
代替手段はない。
本事業は国の補助事業により行うが、地方自治体の事業として実施することとした場合には、文化財の特殊性からして多大な経費のかかり、防災対策の促進が図れない。
-- 登録:平成21年以前 --