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80.21世紀気候変動予測革新プログラム(拡充)

平成21年度要求額:2,520百万円
(平成20年度予算額:2,232百万円)

●事業の概要等

1.事業概要

 「地球シミュレータ」の能力を最大限に活用して、確度の高い温暖化予測情報を信頼度情報と併せて提供するとともに、温暖化の影響として近年特に社会的関心が高い極端現象(台風、豪雨等)に関する解析を行う。具体的には、1温暖化予測モデルの高度化、2温暖化予測モデルの不確実性の定量化・低減、3自然災害分野の影響評価への適用性の実証の3つの課題を有機的に結合した形で研究開発を実施する。
 特に、平成21年度以降については、G8北海道洞爺湖・サミット、G8ハイリゲンダム・サミットにおける首脳宣言や「環境エネルギー技術革新計画」、「科学技術外交の強化に向けて」で指摘された気候変動予測や開発途上国における気候変動の抑制・適応への我が国の貢献等の重要性を受け、より精度の高い予測を行うために全球大気モデルの改良を行うとともに、アジアの特定脆弱地域における自然災害の出現頻度や強度の詳細な変化予測を補充し研究を強化して推進する。さらに本事業で得られた成果を保管するためのサーバを構築し、気候変動予測に関する情報を諸外国と共有することによりIPCCの第5次報告書に向けたアプローチを継続する。

2.指標と目標

【指標・参考指標】

論文執筆数、口頭発表数、IPCC報告書の日本人執筆者数、IPCC報告書作成に取り上げられた論文数

【目標】

 IPCC第5次評価報告書(2013年頃予定)への貢献をはじめ、気候変動に対する政策検討、技術的対策の立案に資することを目指す。

【効果の把握手法】

 本事業の効果については、研究の結果として執筆・発表された論文数により把握することができ、また、今後研究成果を公開していくことで一般国民へ気候変動問題の科学的知見を与えていくことができると考えられる。

●事業の事前評価結果

1.必要性の観点

 地球温暖化・気候変動は、全人類が共通に直面する大きな課題となっており、第3期科学技術基本計画においても「気候モデルを用いた21世紀の気候変動予測」「気候変動リスクの予測・管理と脱温暖化社会設計」は、世界と協調して正確な気候変動の予測を行い、地球温暖化に適応できる将来社会を設計し実現する科学技術として、5年間の集中投資が必要な戦略重点科学技術として位置づけられている。
 本プログラムは2013年頃取りまとめ予定の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書への貢献をはじめ、気候変動枠組み条約の究極的な目的である「気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させる」を達成するために必要な低炭素社会の構築のための国内外の政策検討、さらには、台風、熱波、集中豪雨等の極端現象による災害リスク増大に対処するための対策を確立する上で、不可欠な情報を与えるものであり、平成19年度から開始している。本年に入り、IPCCで予測すべきシナリオが示され、そのシナリオで予測するには当初予定していた資源量、計算機量では足りないので、引き続きIPCCへ貢献し続けるためにも、本事業費を拡充し、早急にこの変更に対応する必要がある。

2.有効性の観点

 すでに本事業の前身である「人・自然・地球共生プロジェクト」の研究成果はIPCCの第4次評価報告書作成に貢献しており、本事業で実施している気候モデル評価・世界気候予測・地域気候予測等の分野では、報告書に取り上げられた全論文数のうち日本の論文数が全体の6パーセント〜7パーセントにも及んでいる。本事業の研究成果も2013年頃発表予定の第5次評価報告書への貢献が見込まれている。

3.効率性の観点

アウトプット

 本事業の実施により、極端現象を含めた詳細な気候変動予測を行うことにより、温暖化の災害リスクに及ぼす影響を精度良く推定し、我が国をはじめ、世界各国の適応策検討、さらには温暖化抑制の必要性に関して、世界共通の理解促進に資する。また、気候変動枠組条約における温室効果ガス削減目標の議論に伴い、気候システムに対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準で温室効果ガス濃度を安定化させるための検討が行われている中で、予測モデルを高精度化することにより、気候−炭素循環フィードバックを評価し温室効果ガス排出削減目標を濃度目標と対応付けることが可能となる。更には、各種の温室効果ガス濃度安定化シナリオに対応した、来世紀以降までに及ぶ長期の海面上昇などの具体的な予測が可能となる。

事業スキームの効率性

 本事業の予算規模(2,520百万円)に対して、より精度の高い予測を行うために全球大気モデルを改良し、気候変動予測を行うことにより、アウトプットとして、我が国をはじめ、世界各国の適応策・温暖化抑制策の検討に関して貢献していくことを見込むと、本事業のインプットとアウトプットの関係は効果的と判断する。

代替手段との比較

 本事業は国の委託事業により行うため、各委託先の連携・情報交換等を通じて、より信頼度の高い予測情報が気候変動対策に応用可能になる、という効果が見込まれ、委託事業という形態以外の形態を取る場合に比べて、本事業の実施形態は効率的であると言える。また、大学や独法等が自主的に実施する場合と比べ集中的な取組が行えるといえる。

-- 登録:平成21年以前 --