49.海外進出・ネットワーク形成支援事業(新規)

平成21年度要求額:1,158百万円
(平成20年度予算額:−百万円)

●事業の概要等

1.事業概要

 大学・短期大学・高等専門学校を対象に、質の高い留学生を戦略的・継続的に受け入れていくため、大学等が行う外国人学生に対する教育の提供や海外大学とのダブルディグリーの実施など、海外の有力大学等との継続的・組織的な連携の構築や海外への進出を支援する。

2.指標と目標

【指標】

(各大学の取組の多様性を確保しつつ)外国人学生に対する教育の提供や海外大学との連携によるダブル・ディグリー等の実施状況

【参考指標】

これまで実施された各大学における様々な取組の状況

【目標】

 (各大学の取組の多様性を確保しつつ)平成18年度時点でのダブル・ディグリー等実施数(37大学)を70大学において実施されることを目指す。

【効果の把握手法】

 毎年度実施している「大学における教育内容等の改革状況調査について」での調査を踏まえ、各大学での実施状況を把握する。

●事業の事前評価結果

1.必要性の観点

 ヨーロッパをはじめとした先進諸国を中心に、国際的な連携、国際的通用性を高める取組が加速する中、国際的認知度の向上や国際競争力の強化は我が国の大学が国際的に取り残されないためにも喫緊の課題となっている。このような状況を打破するため、海外との教育カリキュラムについての相互連携などを通じた大学教育の国際化が必要であり、「社会総がかりで教育再生を・第二次報告」において「単位互換・ダブル・ディグリーなど海外大学との国際連携の推進」の重要性が指摘されているのをはじめとして、「経済財政改革の基本方針2007」において「アジアを含めた国際的な大学間の相互連携プログラムを促進」、さらに「長期戦略指針イノベーション25」においては「海外の大学や大学院との単位互換の促進、複数学位制の拡大」、「アジア・ゲートウェイ構想」においては「海外の大学とのダブル・ディグリー等の国際的なプログラムの開発」、「留学生30万人計画」においては「交換留学、単位互換、ダブルディグリーなど国際的な大学間の共同・連携や短期留学、サマースクールなどの交流促進、学生の流動性向上、カリキュラムの質的保証などにより大学等の魅力を国際的に向上」といった取組の重要性が指摘されているところである。
 現在、大学間協定数は増加の傾向にあるが、ダブル・ディグリー等をはじめとした複数学位プログラムについてはその取組が始まったばかり(37大学での実施)であり、今後世界的にも広がりが見込まれている。
 従って、日本の大学が海外の有力大学と連携し、取り残されることなく取り組んでいくために、このような取組に対して国が支援を行っていく意義は大きい。

2.有効性の観点

 本事業を通じ、近年世界各国の大学で導入が進められている外国人学生に対する教育の提供や「ダブル・ディグリー」について、平成21年度からはダブル・ディグリーを実施する上で必要なコーディネーターの配置や短期プログラムなどを進めるための支援を行うことにより、平成18年度においては37大学において実施されていたダブル・ディグリーの取組を、達成年度である平成25年度には、全大学の概ね一割にあたる70大学で実施されることが見込まれる。

3.効率性の観点

アウトプット

 本事業では、平成25年度まで毎年10件の取組の採択を行い、合計50件の優れた取組の採択を計画している。
 本事業で行われる、各大学の創意工夫を凝らした外国人学生に対する教育の提供や海外大学との連携によるダブル・ディグリーの実施を通して、他大学に影響を与え、新たな取組の実施を促し大学間交流協定の実質化や海外大学との国際連携の動きが加速するという波及効果を考えると、本事業は効率的・効果的に実施されると判断される。

事業スキームの効率性

 本事業の予算規模(1,158百万円)に対して、アウトプットとして、大学10校の優れた取組を選定することを通し、他大学においても優れた取組計画を策定し、海外の大学との連携活動が行われることを見込むと、本事業のインプットとアウトプットの関係は効果的と判断する。

代替手段との比較

 大学教育内容の改善を推進していく上で、これまでも様々な支援方策が取り入れられてきたが、大学等が行う外国人学生に対する教育の提供や海外大学との連携によるダブル・ディグリーの実施などにより海外進出やネットワークの形成支援を図ることに着目して支援を行うプログラムは他になく、また、この事業により海外の先端的な事業モデルが我が国に導入できるという効果が期待できる。

-- 登録:平成21年以前 --