平成21年度要求額:879百万円
(平成20年度予算額:503百万円)
発達障害を含む全ての障害のある幼児児童生徒の支援のため、医師や大学教員等の外部専門家による巡回指導、各種教員研修などを実施することにより、特別支援教育を総合的に推進する。
平成21年度においては、引き続き管理職をはじめとする各種教員等研修を実施する。これらの研修を通じて、教員等の特別支援教育に対する理解を高めることにより、校内の障害のある幼児児童生徒の実態把握や支援の在り方を検討する「校内委員会の設置」や、校内の関係者や福祉・医療等の関係機関との連絡調整及び保護者に対する学校の窓口として特別支援教育のコーディネーター的役割を担う「特別支援教育コーディネーターの指名」等の支援体制を整備する。また、各都道府県からの要望が極めて高い医師や大学教員等の外部専門家による巡回指導の更なる充実や、学校教育法に定められた特別支援学校のセンター的機能の強化を行う。学校がこれらの指導や助言を受けることにより、障害のある幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、長期的な視点に立ち、医療、福祉、労働等の様々な側面から教育的支援の目標や内容、役割等を記載した「個別の教育支援計画」の策定や幼児児童生徒一人一人の障害の状態等に応じたきめ細かな指導を行うための「個別の指導計画」の作成等、支援の一層の充実を図る。さらに、教員志望等の学生を活用し、幼児児童生徒の支援を行う「学生支援員」や乳幼児期から成人期まで一貫した支援を行うグランドモデル地域の拡充も行う。
これらを通じ、特別支援教育の理念・趣旨である障害のある幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導や必要な支援の実現を目指す。
公立の小・中学校における「個別の指導計画の作成率」、「個別の教育支援計画の策定率」、幼稚園、高等学校における「校内委員会の設置率」、「特別支援教育コーディネーターの指名率」
平成19年度特別支援教育体制整備状況調査
文部科学省で実施する「特別支援教育体制整備状況調査」により行う。
特別支援教育は、障害のある幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導や必要な支援を行うものである。平成19年4月に改正学校教育法が施行され、全国の幼稚園、小・中学校、高等学校、特別支援学校等において、支援体制の整備が進められている。小・中学校においては、基礎的な体制は整備されつつあるが、一人一人ニーズに応じた支援の充実が求められており、幼稚園や高等学校は小・中学校に比べ体制整備が遅れている等、それぞれにおいて様々な課題があり、本事業を通して特別支援教育の体制整備を総合的に推進する必要がある。
平成15年度より実施している「特別支援教育体制推進事業」の成果により、平成15年度に57.4パーセントだった公立の小・中学校における「校内委員会の設置率」や19.2パーセントだった「特別支援教育コーディネーターの指名率」がいずれも平成19年度には99.5パーセントとなる等、特別支援教育の体制は着実に整備されつつある。公立の小・中学校においては、今後は一人一人のニーズに応じた支援体制の整備が求められているところであり、本事業を通じて「個別の指導計画の作成率」や「個別の教育支援計画の策定率」を向上させることが見込まれる。
また、小・中学校に比べ、体制整備が遅れていた幼稚園、高等学校においても、本事業を活用することにより、「校内委員会の設置率」や「特別支援教育コーディネーターの指名率」を向上させ、特別支援教育に関する基礎的な体制の整備を推進することが見込まれる。
本事業は、支出委任に基づき、各都道府県おいて事業の実施をしている。本事業の実施を通じて特別支援教育の総合的な体制整備が進むものと考えている。
本事業の予算規模(879百万円)に対して、アウトプットとして、各都道府県において本事業を実施することを通して、幼稚園、小・中学校、高等学校及び特別支援学校等における特別支援教育の体制整備が進むことを考えると本事業のインプットとアウトプットの関係は効果的と判断する。
都道府県の事業として実施することとした場合には、都道府県の財政状況等により、取組に差が出てくることが考えられる。そのため、平成19年4月に改正学校教育法を施行し、制度改正を行った国が責任を持って、全国どこでも子ども一人一人のニーズに応じた支援が受けられ特別支援教育体制を整備する必要がある。
-- 登録:平成21年以前 --