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25.問題を抱える子ども等の支援事業(拡充)

平成21年度要求額:979百万円
(平成20年度予算額:955百万円)

●事業の概要等

1.事業概要

 本事業は、児童生徒の問題行動等に対する効果的な取組について、地方自治体や民間団体等を指定して、モデル的に調査研究を行い、効果的な取組を全国へ普及することとしている。毎年、児童生徒の問題行動等の変化を踏まえて、調査研究の内容について、重点化を図るとともに、5年後を目処に事業全体の見直しも検討することとしている。
 なお、本事業は、具体的に以下の2つの事業から構成されている。

(1)「問題を抱える子ども等の自立支援事業」

 いじめ、不登校、暴力行為、児童虐待、高校中退といった生徒指導上の課題への対応に当たって、関係機関と連携するなどして、未然防止、早期発見・早期対応につながる効果的な取組について、調査研究を行っているところである。
 平成21年度においては、不登校児童生徒数が近年の減少傾向から増加に転じたことから、学校外の機関で不登校児童生徒の相談、指導に当たり、成果を上げている教育支援センター(適応指導教室)を活用し、1学校復帰後のフォローの在り方、2高校段階の生徒への支援の在り方、3地域の関係機関・団体等との連携の在り方などの観点からの調査研究を新たに行う。

(2)「NPO等の活用に関する実践研究事業」

 不登校児童生徒の実態に応じた効果的な活動プログラム等の開発や不登校等により高等学校を中退後、学校等に復帰した者に対する支援の効果的なプログラム開発等について調査研究を行っているところである。
 平成21年度においては、近年、NPO等の活動が多様化しているとともに、地域の関係機関等と連携し、地域のニーズを踏まえた取組を行ってきていることから、不登校や高校中退だけでなく、いじめや暴力行為なども含めた生徒指導上の課題についても、児童生徒の実態に応じた効果的な活動プログラムや問題行動防止プログラムなど、教育現場で活用できる様々な要因や背景に応じたプログラムの開発等を行う。

2.指標と目標

【指標】

  • 1 「いじめに起因する事件」において、被害少年が相談しなかった割合
  • 2 いじめの認知件数に占める、いじめの解消しているものの割合
  • 3 いじめの認知件数に占める、いじめられた児童生徒が誰にも相談していない件数の割合
  • 4 学校におけるいじめの問題に対する日常の取組のうち、地域の関係機関と連携協力した対応を図った学校数の割合
  • 5 不登校児童生徒数に占める、指導の結果登校する又はできるようになった児童生徒の割合
  • 6 不登校児童生徒数に占める、学校内外の相談機関等で相談、指導、治療を受けた児童生徒の割合

【参考指標】

文部科学省調査「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」等

【目標】(現状から目標)

115.0パーセントから15パーセント未満、280.9パーセントから90パーセント以上、310.2パーセントから10パーセント未満、414.5パーセントから30パーセント以上、530.4パーセントから40パーセント以上、665.6パーセントから70パーセント以上

【効果の把握手法】

 本事業の効果は、毎年、文部科学省で実施している「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」等の結果に基づいて検証する。

●事業の事前評価結果

1.必要性の観点

 いじめ、不登校、暴力行為等の児童生徒の問題行動等については、依然として相当数に上るなど憂慮すべき状況にあり、教育上の大きな課題である。そのため、施策目標2−3「児童生徒の問題行動等への適切な対応」では、「学校・家庭・地域社会が一体となって、学校における暴力行為・いじめ等の問題行動及び不登校を解決する。」とされている。現状、学校と関係機関等との連携が不十分なこと、また、家庭、地域社会の教育活動が低下し、問題行動等の対応が一層困難となっていることなどの背景もあり、児童生徒の問題行動等を学校だけで抱え込んでしまい、適切な対応ができないことや、問題行動等への対応に当たって、先生個人の力に拠るところも多く、個々のケースの実態に応じた科学的な研究成果に基づく効果的な対応が図られないことなど課題が多く、各種答申等においても指摘されているところである。
 こうした現状を踏まえ、問題行動等へ適切な対応を図るためには、関係機関等と連携を深め、問題行動等の未然防止、早期発見・早期対応につながるような取組や、様々な要因や背景に応じたプログラム等の開発などについて調査研究を行い、その成果や課題を検証・分析したうえで、効果的な取組については、全国に普及する必要がある。
 また、問題行動等の要因・背景は様々であり、地方自治体だけに取組を任せるのではなく、全国的にその取組の普及を図っていくことが、問題行動等の解決のためには必要であり、本事業の継続拡充が不可欠である。

2.有効性の観点

 本事業は、問題行動等への適切な対応の充実を図る観点から開始され、関係機関等とのネットワークの構築、未然防止、早期発見・早期対応につながる取組、学習プログラムや活動プログラム等の開発などを実践的な調査研究を行い、効果的な取組等については、全国に普及させることを目的としている。
 本事業では、文部科学省で実施する「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」等に基づく各種の指標を用いて、それぞれの指標に対する目標を達成することを目指している。
 平成21年度においては、不登校児童生徒数が近年の減少傾向から増加に転じたことから、学校外の機関を活用した不登校児童生徒の相談、指導やNPO等による問題行動等に対する教育プログラム等の開発についての調査研究を新たに行う。
 近年、本事業の取組とその成果により、問題行動等に対する地方自治体や民間団体等の取組は充実してきており、不登校児童生徒が登校できるようになった割合が、平成16年度は26.3パーセントであったが、平成19年度は30.5パーセントと増加傾向にあるなど、問題行動等の解消を示すデータも明らかとなっていることから、引き続き本事業を進めることですべての指標に対する目標が達成できると見込まれる。

3.効率性の観点

アウトプット

 全国で地方自治体及びNPO、民間施設等における問題行動等への効果的な取組について、実践的な調査研究が実施され、各地での問題行動等の対応が充実される。本事業が行われ、関係機関等と連携するなどして、未然防止、早期発見・早期対応につながる取組、様々な要因・背景に応じたプログラムの開発等を調査研究し、児童生徒の問題行動等への適切な対応に資するという波及効果を考えると、本事業は効率的・効果的に実施されるものと判断される。そのことは、不登校の児童生徒が登校できるようになった割合が、平成16年度は26.3パーセントであったが、平成19年度は30.5パーセントと増加傾向にあるなど問題行動等の解消に関するデータからも示されている。「いじめの認知件数に占める、いじめの解消しているものの割合」や「不登校児童生徒に占める、指導の結果登校する又はできるようになった児童生徒の割合」について、達成年度までに約10パーセントの増加を目標としているため、単年度では平均して約2パーセントの増加を目指している。
 なお、本事業は、毎年、児童生徒の問題行動等の変化を踏まえて、調査研究の内容について、重点化を図るとともに、5年後を目処に事業全体の見直しも検討することとしている。

事業スキームの効率性

 本事業の予算規模(979百万円)に対して、アウトプットとして、国が、一定の趣旨、目的のもと、地方自治体及びNPO、民間施設等の事業計画等を専門家による精査を経た上で、効果的な事業の成果が見込まれる団体等に委託することを通し、各地域において効果的な取組が行われ、調査研究の成果を全国に普及させることを見込むと、本事業のインプットとアウトプットの関係は効果的と判断する。
 また、そのことは、不登校の児童生徒が登校できるようになった割合が、平成16年度は26.3パーセントであったが、平成19年度は30.5パーセントと増加傾向にあるなど問題行動等の解消に関するデータからも示されている。

代替手段との比較

 地方自治体や民間団体等の取組のままでは、その取組内容に限界があることに加えて、成果の普及が限定的である。また、児童生徒の問題行動等は「どの学校にも、どの子どもにも起こり得る」もので、児童生徒の命の問題にも関わることが少なくないことから、その未然防止、早期発見・早期対応に資する効果的な取組の実施は、一刻の猶予もならない状況にある。
 このため、いじめ、不登校、暴力行為等の問題行動等への対応で、地方自治体の財政状況や取組姿勢によって地域格差を生じることがなく、また、効果的な取組の普及を図るため、自治体単独の取組や他の手段によるものではなく、国がモデル的に調査研究の委託事業として実施することによって、各委託団体における取組を検証・分析するとともに、より効率的に全国に普及を図ることができる。

-- 登録:平成21年以前 --