4.優れた社会教育重点推進プラン(新規)

平成21年度要求額:220百万円
(平成20年度予算額:−百万円)

●事業の概要等

1.事業概要

(1)社会教育重点推進プログラム

 地域における公民館等を中心としたコンソーシアム形式による社会教育の総合的な取組について、有識者や専門家等の公正な審査により選定し、特に優れた取組を支援するとともに、これを広く全国に発信することで、全国的な取組の普及促進を図る。

<事業の流れ>
  • 1 事業選定委員会を設置し、書面審査・面接審査により、公正な第三者評価を実施する
  • 2 全国的に先進的な「優れた取組」を選定し、重点的に支援を行い、さらに優れた事業に拡充する
  • 3  2の事業成果を、広く全国に情報提供し、普及促進をはかる

(2)社会の要請に対応した学習・人材養成プログラムの開発

 平成20年6月の岩手・宮城内陸沖地震をはじめ、近年、地震による被害発生が相次いでおり、地震対策の必要性が高まっている。また、食品表示偽造などにより食への安全・安心の問題意識が高まっている。さらに、最近ではニート・フリーターなど若年者雇用問題以外にも、ワーキングプアなど雇用、職業問題が拡大している。そのため、このような社会の要請に対応し、地域や食に対する安全・安心、職業に必要な知識技能の2テーマについて、関係省庁と連携・協力し、公民館等の社会教育施設で活用できる学習プログラム及びその企画等を行う人材養成プログラムを開発する。

<事業の流れ>
  • 1 文部科学省に、関係省庁、有識者、社会教育関係者で構成される調査研究協力者会議を設置する
  • 2  1で、それぞれのテーマに関する基本学習プログラムを作成する
  • 3  2の学習プログラムをもとに地域における学習プログラムを企画する人材を養成するためのプログラムを開発する

(3)公民館の評価に関する調査研究の実施

 地域の身近な学習拠点である公民館の運営状況に関する評価が適切に行われるよう、指針及びガイドラインを策定するための調査研究を行う。

<事業の流れ>
  • 1 公民館の評価に関する調査研究協力者会議の設置
  • 2  1において、評価の実施状況に関する調査や、公民館評価に関する指針やガイドラインを策定するための調査研究を行う。
  • 3  2を全国の公民館に周知する

2.指標と目標

(1)社会教育重点推進プログラムの実施

【指標】
  • 1 事業実施団体が行う自己点検・評価で、事業実施前に設定した事業目標を達成していること
  • 2 事業成果の全国での認知度
【目標】
  • 1 事業実施団体において、事業実施前と比較して、本プログラムによる支援を受けたことで事業がより発展・拡充すること
  • 2 事業成果を全国へ普及させていくこと
【効果の把握手法】
  • 1 事業実施団体で、自己点検・評価を実施
  • 2 各都道府県教育委員会で、本プログラムで実施された事業成果が認知されているか、アンケート調査を実施

(2)社会の要請に対応した学習・人材養成プログラムの開発

【指標】

社会の要請に対応した学習・人材養成プログラムであること

【目標】
(21年度)

公民館等の社会教育施設で活用できる社会の要請に対応した安全・安心、職業に必要な知識技能に関する学習プログラム及びその企画等を行う人材養成プログラムを開発する

(22年度)

開発したプログラムの全国への周知をはかる
プログラムの利用状況調査を実施し、実際にプログラムを利用した際に明らかになった課題について、調査研究協力者会議において検討し、プログラム内容を改善する

(23年度)

改善した学習・人材養成プログラムについて、全国へ周知をはかる

【効果の把握手法】

各都道府県教育委員会に対して、アンケート調査等を実施

(3)公民館の評価に関する調査研究の実施

【指標】

調査研究成果を活用し、公民館運営の改善が行われているかどうか

【目標】
(21年度)

全国の公民館における評価実施状況を調査し、各公民館で評価基準を点検・見直しを行い、あるいは、新たに評価基準を作成するうえで、有用となる項目をとりまとめて全国に周知する

【効果の把握手法】

現地視察により実際の評価実施状況を調査したり、公民館に対するアンケート調査等を実施

●事業の事前評価結果

1.必要性の観点

 社会の多様化に伴い、様々な新たな教育課題が求められており、社会教育においても、こうした社会の要請に応える必要がある。しかし、そういった課題については学習機会が十分でなく、また、情報も少ないことから、国が積極的に学習機会の提供や、学習機会に関する情報提供を行う必要がある。
 また、関係者が連携し、ネットワークを構築することにより、地域全体で効果的・重点的に課題に取り組むことが必要である。
 さらに、社会の要請による課題は、全国的な課題であるので、国においてプログラムの開発を行ったり、先進例などの情報提供を行うことで、各地域の取組を促す必要がある。
 また、公民館の運営状況に関する評価については、社会教育法等の一部を改正する法律の国会審議において、衆議院、参議院の両院から附帯決議がなされ、「評価の透明性、客観性を確保する観点から、可能な限り外部の視点を入れた評価となるよう、国がガイドラインを示す等、適切な措置を講じる」(平成20年5月23日衆議院文部科学委員会)(平成20年6月3日参議院文教科学委員会同旨)と決議されており、社会の要請に応えていることが客観的に担保されるような評価のシステム構築が求められている。

2.有効性の観点

(1)社会教育重点推進プログラムの実施

 先進的な取組を行っている地域・団体が、重点的に支援を受けることにより、さらに事業を発展・拡充させることが見込まれる。各地域においても、先進的取組事例に関する情報提供を受けることにより、現在の取組内容を改善することが見込まれる

(2)社会の要請に対応した学習・人材養成プログラムの開発

 社会の要請に対応した学習プログラム及び人材養成プログラムを国が開発して、全国各地域に提供することで、全国各地域にプログラムが普及することが見込まれる

(3)公民館の評価に関する調査研究の実施

 国が全国の公民館における評価実施状況を調査し、全国に情報提供することにより、各公民館における評価の見直しに活用され、公民館の運営改善が見込まれる

3.効率性の観点

アウトプット

(1)社会教育重点推進プログラムの実施

 社会教育における先進的取組を、全国24箇所で実施する

(2)社会の要請に対応した学習・人材養成プログラムの開発

 公民館等の社会教育施設で活用できる社会の要請に対応した安全・安心、職業に必要な知識技能の2テーマに関する学習プログラム及びその企画等を行う人材養成プログラムを開発する(21年度)

(3)公民館の評価に関する調査研究の実施

 各公民館における評価基準改善のための点検項目を作成する(21年度)

事業スキームの効率性

(1)社会教育重点推進プログラムの実施

 有識者や社会教育関係者により先進的取組として選定された団体に対して重点的に支援するため、効率的な支援ができる

(2)社会の要請に対応した学習・人材養成プログラムの開発

 各地域で個別にプログラムを作成するよりも、国が調査研究の結果や有識者の意見を踏まえてプログラムを作成し全国に普及させた方が効率的である

(3)公民館の評価に関する調査研究の実施

 国が、全国の公民館における評価実施状況を調査研究し、全国的に情報提供することで、公民館の評価に関して有用な情報提供を行う方が、各公民館で個別に検討を行うよりも効率的である

代替手段との比較

 イベントを開催して先進事例を全国に普及させることも可能だが、本事業においては、事業内容を全国に広報するだけではなく、先進事例を選定し重点的に支援をすることで、さらに全国での取組を促進し得る事業内容に発展させる点に主眼を置いているため、イベント開催という手段は適当ではなく、モデル事業による実施が適当である。

-- 登録:平成21年以前 --